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魔法少女リリカルウィッチーズvol.3

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「いつも部隊の皆に食べてもらうのに作ってて慣れてますから」
「ふふ、家事全般が得意なんて芳佳ちゃんはきっと良いお嫁さんになれるでしょうね」
「お、お嫁さんなんてそんな…私にはまだ早いですよぉ。それに私、お医者さんになるのが夢ですし」
頬を染めつつ答える芳佳。
「お医者さん?」
「はい。実家が治療院なので、それを継ごうと…」
「偉いねぇ。ああ、でもそれで病気とかにも詳しいのかい」
「そうです」
卵焼きを作りつつ芳佳は言う。
「頑張んなさいな。芳佳ちゃんなら、立派なお医者さんになれるよ」
「はいっ」

朝食後、美緒とシグナムはトレーニングルームを訪れていた。早朝の約束通り、手合わせをするためだ。今二人は竹刀を互いに持って構えている。
「何か始まるのか?」
偶然通りかかったシャーロットが、見物に来ていた他の人物に訊く。
「坂本少佐とシグナム副隊長が試合をするみたいです」
「そうなのか。ところで堅物軍人は、どっちが勝つと思ってるんだ?」
居合わせたバルクホルンにシャーロットが訊く。
「…二人とも実力は相当だからな。正直、互角の勝負になるのではないかと踏んでいる」
二人を見ながらバルクホルンはそう語る。
「あっ、始まるみたいだよ」
エーリカが言うと、試合が開始された。だが、両者とも動かない。
「何で動かないんだ?」
「恐らく動けないんだろう。迂闊に動けば相手に付け入る隙を与えかねんからな」
そのまま数分、沈黙が続く。ギャラリーも大人しく経過を見守っている。まるで、真剣での死合いのようだった。
「……」
観客の一人が息を飲む。と、美緒、シグナム双方が同時に動いた。美緒は上段から、シグナムは下段から斬り込みにかかる。互いの竹刀がぶつかり合い、鍔迫り合いに持ち込まれた。
互いに押し合いへし合いした後、シグナムは体勢を立て直すため一度距離を開ける。が、美緒は違った。距離を開けるどころか逆に踏み込んで距離を詰め、胴を狙って横に切り払う。シグナムはそれを止めると踏み込んで同じく横へ切り払いをかける。
「シグナム副隊長は一度体勢を立て直すつもりだったようだが、近接格闘戦では距離を開けた方が不利になる。隙も出来てしまうし、もしも相手側が中・遠距離武器を持っていた場合、それを使わせてしまう危険性もある」
バルクホルンが解説をする。
「なるほど。それで少佐は逆に踏み込んだ訳か」
納得してシャーロットは頷く。
「…ウォーミングアップは十分だな?」
「無論だ」
会話を交わすと二人は再び元の位置につく。そして竹刀を置くと、美緒は真剣を持って魔法力を発動させ、シグナムはレヴァンティンを起動してバリアジャケット姿となる。
「今のがアップ?ってことは…」
「あの二人、本気でやり合う気だよ…!」
エーリカが危険を察知して言う。
「少佐!本気でやったらトレーニングルームが崩れる!外でやってくれ!」
シャーロットが思い切り叫ぶ。が、時すでに遅かった。二人は試合を開始する。
危険を感じたギャラリーは急いでトレーニングルームから撤退した。
この日以降、このトレーニングルームは当面使用禁止になったという。

「くー…すぴー…」
隊舎入口近くの木の上で、ルッキーニは心地よくシエスタしていた。
と、そこへ訪れる者がいた。紫色の長髪をした、どこか儚げな少女…ルーテシア・アルピーノだった。
「ここ、よね…?」
隊舎を見ながらルーテシアは確認するように呟く。
「あれって…ルーちゃん!?」
隊舎の窓越しにルーテシアとおぼしき少女の姿を確認したキャロは隊舎入口へと急ぐ。
「ちょ…キャロ!?」
一緒にいたエリオも慌ててキャロの後を追う。
「あ…!」
「ルーちゃん!」
「ルー!」
「エリオ、キャロ…久し振り」
「ルー、どうしてここに?」
「えっとね、部隊長さんから呼ばれてるの」
「八神二佐から…?」
「うん」
疑問に思うエリオとキャロ。
「うー…せっかく気持ちよくシエスタしてたのにー…」
話し声を聞き、ぼやきながらもルッキーニが起きて木から降りる。
「あ…ルッキーニちゃん、ゴメンね。もしかしてお昼寝中だった?」
キャロが降りてきたルッキーニに話しかける。
「大丈夫だよ。ねね、それよりその子は?」
ルーテシアを見ながらエリオ達に訊く。
「この子はルーテシアっていうんだ。ルー、紹介するよ。フランチェスカ・ルッキーニ。異世界から来た子なんだけど、この世界をネウロイっていう敵から守るために戦ってくれてるんだ」
「よろしくね、ルールー♪」
「こちらこそ」
互いに挨拶を交わす。
「それでルー、八神二佐に呼ばれてるっていうことは…」
「うん、私も一緒に戦うことになったの」
「ルーちゃん、それ本当に?」
「そうよ」
「そっかぁ。でも、八神二佐はいつの間に…」
「つい先日、許可が降りたって言ってたわ。魔力は当時程強くは無いけど…出来る限りの事をするね」
「心強いよ。ところで、ガリューはいるの?」
エリオが質問する。
「ガリューなら、すぐ傍に…」
ルーテシアが言うと擬態を解いたルーテシアの僕、ガリューが姿を現した。
「久し振りだね、ガリュー」
エリオの言葉にガリューは頷く。
「かっこいー…!」
ガリューを見たルッキーニが言った。ガリューは照れたように首を振る。
「はは、ガリューもしかして照れてる?」
「ふふ、そうかも知れない」
そんなガリューの仕草に笑いが起こった。

「お茶の用意が出来ましたわ」
言いながらリーネとペリーヌは談話室に入っていく。
「今日は紅茶とスコーン、それとクッキーとブリタニア式のアフタヌーンティーです」
リーネが説明しながら紅茶を淹れていく。
「ねぇねぇ、芳佳とリーネってよく二人でい
るけど、どんな風に仲良くなったの?」
スバルが芳佳に訊く。
「えっと…私とリーネちゃんって、配属された時期が同じだったんです。それで、お互い半人前で…」
「というよりも、ミヤフジさんの場合はいらした当初はヒヨッコ同然でしたわね」
「あう…。でも、それから二人で一緒に訓練して二人でネウロイを撃墜したんです。それからこんな風に仲良くなりました」
「なるほど~、そういうことだったんだ」
「それからペリーヌさんとも段々打ち解けていったんです」
「仲、悪かったの?」
ペリーヌを見つつティアナが訊く。
「最初は凄くツンツンしてましたよ」
「本人を前に遠慮がありませんわね」
「だって、本当のことじゃないですかぁ」
「でもその様子だと、色々あって仲良くなれたみたいね」
「はい!」
「い、言っておきますがミヤフジさん。私、まだ貴女を完全に認めた訳ではございませんわよ」
「素直じゃないなぁ~」
頬を染めつつ言うペリーヌに向け、からかうようにスバルが言う。
「ほ、本当ですわ!からかわないでくださいまし」
「スバルさんとティアナさんもいつも一緒にいるような気がするんですけど…」
芳佳が訊く。
「あー…私とスバルはね、所謂腐れ縁ってやつよ」
ティアナが呆れたように答える。
「訓練校の時代から一緒だからねー」
「まぁ、この戦いが終わればまた別々の道に進むんだけどね」
「しかしお二人は戦闘時も息がピッタリですわよね」
「ティアと一緒に必死に練習を重ねたからね」
「何だか私達みたいだね、リーネちゃん」