二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ベン・トー~if story~ vol.2

INDEX|4ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

俺は店員の所へ向かい、熱を下げる薬が無いか尋ねる。
「でしたら、一番良いのは座薬ですね」
「座薬、ですか…」
「はい」
「……」
しばし考える。座薬…か。確かに熱は下がるだろう。でも、先輩がもし……
「藤島…」
「何でしょう?」
「その、だな…。座薬はあまり使ったことがなくてな。挿れてもらっても…いい、か?」
…って、俺は何を考えてるんだ!?先輩に限ってそんなこと、あるわけないだろ!
「あの、どうかされましたか?」
「あ、いえ。あの、錠剤は無いですか?」
「錠剤でしたら…」
薦められたのはロ○ソニンだった。無難にこれを購入し、帰路に着く。
先輩の家へ戻る途中だった。前から二人組の少女が歩いてくる。よく見れば双子だった。その双子は、すれ違い様にこう言っていた。
「三日後、氷結の魔女は現れるでしょうか」
「現れるとすればあそこでしょうね、姉さん」
氷結の魔女…今、槍水先輩の二つ名を…!それに、例の狼は双子だったって佐藤が…。 俺は振り向きほぼ無意識に言っていた。
「あんたたちが、オルトロスか…?」
双子の少女はこちらを振り返る。
「そうですが…失礼、どこかでお会いしましたか?」
短髪の方の少女が訊いてくる。
「いや、あんたたちが氷結の魔女を倒したって聞いてね」
「私達にかかれば氷結の魔女など足元にも及びませんわ。ところで貴方は?」
「俺は藤島と言います。まぁ、その…あなた方が倒した氷結の魔女の彼氏です」
「な…何ですって!?氷結の魔女の、ボ…」
長髪の方の少女は、そのまま何故か固まってしまう。
「ボーイフレンドと言いたいんですね、姉さん」
「そ、そうです。そのくらい、わかってましたわ」
あれ、この人もしかして…。
「それで、あなた方は?」
「申し遅れました。私は沢桔梗。心筋梗…」
「私は沢桔鏡です。姉は桔梗の梗、私は鏡と書きます」
姉の発言に被せるように妹の鏡が言ってきた。成る程、妹の方がしっかりしてるんだな。
「藤島さんは狼なんですか?」
「いや。何度か先輩の戦いを見に行ってはいるけど、俺自身は狼じゃないよ。実家暮らしだしな」
「そうでしたか…。道理で見かけないはずです」
「そ、それで、お二人はどこまで進んでいますの?」
「え?」
姉が訊いてくる。いきなり突拍子もない質問しだすな、この人…。
「姉さん、初対面の人にいきなりそんな踏み込んだ質問は…」
「恋人なんですもの。手を繋いだり、キスをしたり…そ、それ以上も…!」
ヤバイ、何か暴走しかけてるぞ…?
「あ、あぁ…は、破廉恥な…!」
「破廉恥なのは姉さんの頭の中です。すみません。姉が暴走しかかっているので、今日はこの辺で」
「あ、あぁ」
「失礼します」
一礼すると鏡は姉を引っ張って歩いて行った。何だか面白い姉妹だったな。まぁ、特に姉が。
「っと、先輩を待たせてるんだった」
俺は急いで先輩の家へ向かった。

作品名:ベン・トー~if story~ vol.2 作家名:Dakuto