ストライクウィッチーズss集vol.1
芳佳「ワーム?」
1945年5月中旬。
美緒「ネウロイを視認した。全機、攻撃開始!」
501・他四名「了解!」
美緒の号令でそれぞれネウロイを攻撃、撃墜する。
美緒「ネウロイの全機撃墜を確認。これより帰還する」
通信機からミーナの声が響く。
ミーナ「了解しました。皆、お疲れさ……っ、待って!」
美緒「どうした?」
ミーナ「まだ機影が残っています。そこから10時方向、数は…1。大きいわ、注意して」
美緒「了解、ただちに向かう」
五人は指定された空域へ向かう。
美緒「あれか」
バルクホルン「確かに大きいな」
エーリカ「でも、何か…」
シャーリー「あぁ…だな」
ルッキーニ「ネウロイっぽくないよ…?」
現れた敵は海上に浮かんでいて、今までになく生物を模倣した姿を取っていた。
美緒「まるで生き物のようだな…」
と、アンノウンが背中らしき部分から無数のつぶてを飛ばして攻撃を仕掛けてきた。五人はそれを回避する。
シャーリー「光線じゃないのか!」
美緒「全機へ。あのアンノウンを攻撃する。まだ未知の力があるかも知れん。十分、注意しろ」
他四名「了解!」
四人が攻撃を開始する。すると、再生が始まっていく。
バルクホルン「ネウロイ程の速度ではないが、自己再生能力を備えているようだな」
エーリカ「シュトゥルム!!」ヒュン…ゴァァッ!!
エーリカが風を起こし、アンノウンの一角を大きく削り取る。
美緒「おかしい…」
バルクホルン「少佐、どうした?」
美緒「コアが見当たらないんだ。いくら探しても、どこにもな」
バルクホルン「では、あれは本体ではないということか?」
美緒「そう決めつけるのは早計だろう」
シャーリー「少佐、まずい。弾が無くなりそうだ」
ルッキーニ「こっちもだよー!」
美緒「仕方ないか…。ミーナ、一度撤退する」
ミーナ「了解です。幸いにしてアンノウンは移動速度はそれほど速くありません。その間に体勢を立て直します。全機、帰還してください」
五人は基地へと撤退する。
ブリーフィングルーム。
ミーナ「今回現れたアンノウンはコアを持たず、尚且つ大型ネウロイ並の攻撃力と再生能力を備えていることがわかりました。現在、アンノウンはアドリア海沖で停滞しているようです」
写真を見せつつ、皆に説明していくミーナ。
ミーナ「そして先程、上層部から我々第501統合戦闘航空団にアンノウン撃滅の指令が出されました。501の総力を…」
リリリリン!!と、通信用の電話が鳴る。
ミーナ「はい。……えっ!?はい、はい。了解しました」
美緒「何があった?」
ミーナ「先程、少佐達が戦闘を行った空域に未知の航空戦力が現れたそうです。観測班によれば、晴天にも関わらず上空から雷のような光が落ち、そこから4つの機影と一艘の戦艦が現れたそうよ。しかも、ウォーロックのような変形機構をその機体は持っていて、アンノウンを瞬く間に撃滅してしまったそうなの」
バルクホルン「何…!?」
シャーリー「私達があれだけ苦労して倒せなかったアンノウンをか…!?」
ミーナ「そしてその機体には、どうやら少女が乗っていたそうよ」
ペリーヌ「未知の機体に未知の敵…。わからないことだらけですわね」
ミーナ「ちなみにアンノウンを倒した一向は、ここ501基地へ向かってきています」
バルクホルン「大丈夫なのか?」
ミーナ「えぇ。協力的らしいわ」
翌日。再びブリーフィングルーム。
ミーナ「アンノウンを倒した方達が到着しました。皆さん、どうぞ入ってください」
少女四人と中年くらいの男性が一人入ってくる。
芳佳(何か、扶桑人っぽいなぁ)
ミーナ「紹介します。特務艦『攻龍』クルーの方々です。では一人ずつ自己紹介をお願いします」
???「一条瑛花です。ソニックダイバー『雷神』のパイロットでソニックダイバー隊隊長を務めています。階級は上級曹長です。よろしくお願いします」
???「桜野音羽です。ソニックダイバー『零神』のパイロットです。階級は軍曹です。よろしくお願いします」ニコニコ
???「園宮可憐です。ソニックダイバー『風神』パイロットで、主に後方支援を担当します。階級は軍曹です。よろしくお願いします」モジモジ
???「エリーゼ・フォン・ディートリッヒよ。バッハシュテルツェV-1のパイロットをやってるわ。よろしくね」
???「冬后蒼哉だ。ソニックダイバー隊の指揮官をやってる。階級は大佐だ。ま、仲良くしてくれや」
美緒(大佐…ミーナより階級は上か)
ミーナ「ありがとうございます。では、こちらも自己紹介を済ませておきましょう」
501各員が自己紹介をする。
ミーナ「では、お話を伺っていきたいと思います」
冬后「待った。その前にだ。ここが辛うじて地球だってのはわかるが、今がいつなのか知りたい」
ミーナ「今ですか?今は1945年5月です」
冬后「1945年だと…?」
瑛花「それって…」
可憐「一世紀以上前です…」
音羽「えぇーっ!私達、過去に来ちゃったの!?」
瑛花「音羽。驚くのはわかるけど、もう少し静かにして」
冬后「こりゃ、俺達とんでもないことに巻き込まれたっぽいな」
ミーナ「話を戻してもよろしいでしょうか?」
冬后「ああ、済まなかったな」
ミーナ「では…。まず、あのアンノウンについて説明していただきたいのですが」
冬后「あれか。ありゃワームってんだ」
ミーナ「ワーム?」
冬后「ナノマシンの集合体で、まぁ有り体に言えば人類の敵だな」
美緒「ナノマシン、とは何だ?」
冬后「んー、なんつったら良いか…。おい、可憐。何か分かりやすい説明してやってくれ」
可憐「私がですか?…わかりました。ええと、ナノマシンというのは…」
説明中。
美緒「そうか。正に未来の技術だな」
ルッキーニ「ねーねー、そのナノマシンって触れるのー?」
可憐「さっきも説明した通り、凄く小さいから触れませんよ」
ルッキーニ「うじゅ~、ざんねーん。虫みたいだったら捕まえようと思ったのに~…」
バルクホルン「しかし人類の敵という点では、我々の戦っているネウロイと似ているな」
エリーゼ「ネウロイって?」
バルクホルン「ネウロイというのは…」
説明中。
音羽「つまり、皆さんはネウロイの侵略から世界を守るために戦ってるんですね!」
バルクホルン「ああ、そうだ」
冬后「しかしあれだな。嬢ちゃん達の名前、どっかで聞き覚えがあると思ったが今思い出したよ」
ミーナ「え?」
瑛花「何を言ってるんですか、大佐」
冬后「いや、俺だってな。飛べなくなったとはいえ、元空戦パイロットなんだ。過去の大戦のエース達くらい勉強してるさ。お前だってそうだろ?瑛花」
瑛花「エース…」ハッ
冬后「気付いたか?」
瑛花「いや、でも、まさか…そんな…」
冬后「ここが異世界ならあり得るんじゃねぇか?」
ミーナ「あの、先程から何の話を…?」
冬后「嬢ちゃん達の名前が俺達の世界の大戦中のエースの名前に似てたもんでな」
ミーナ「はぁ…?」
作品名:ストライクウィッチーズss集vol.1 作家名:Dakuto