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たとえばこんな間桐の話

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「雁夜ァァァ………!!」
「師よ、歯軋りをしながら喋るとまた舌を噛んでしまいますよ」
「もう諦めた方が良いと思うわ、お父様」
「また殴り込む様だったら、次は腕をキめる位はさせてもらうわよ、時臣♪」
「葵ぃ……」
「その時は私も手伝いましょう」
「綺礼までっ!?」
「それじゃあ私も!!サブミッショナルのバーリートゥードは乙女のたしなみっ!!お母様直伝の技、受けてね、お父様!!」
「凛んんん!!?」
 ……色々と、遠坂当主に厳しい状況になりつつも、それなりに平和そうだった。





 そして、間桐家は。
「間桐たるものっ!!」
 雁夜おじさん絶好調。
「くすくす笑ってぇ!!」
 慎二も楽しそうにノリノリで。
「ごーごー!!」
 桜もぴょんこぴょんこと飛び跳ねつつ。
「壊れて狂うは!!」
 鶴野、己の出番にハイテンション。
「デフォルトです!!」
 締めにはランスロット。誂えてもらった着物に内心はしゃぎつつ、ポーズを決めた。
「何じゃいその名乗り」
 おかしいじゃろ、と横手から突っ込む声に、一同が目を向ける。
「水差すなよ蟲爺」
「おじいさま、お寂しいのはわかりますが、うざいです」
「光嫌いなんだから土にでも埋まってれば?」
「それにしても小さくてもキモイとか笑えるよな!!あっははは!!酒ぶっ掛けたら溶けたりしないかなーこれ!!」
「カリヤ達の目が腐りそうで心配なので、消え失せて頂けませんか蟲の方」
「ひどすぎじゃろ貴様等ァ!!」
 テーブルの上でぷりぷり怒る蟲サイズの蟲爺。しかしそんな抗議をされても知ったこっちゃない間桐の面々である。
 時臣がこれでもかと言う程に跡形も無く焼き尽くした間桐邸。それと共に蟲共も殆ど燃やされたのだが、流石に全てを消滅させられはせず。
 しかし本体は握られてしまい、その蟲共も見付けられてしまい。もうどうしようもないと、ちょっぴり残った蟲共を寄り集めて作った臓硯の仮の姿が、これである。
 姿形は爺のままだが手の平サイズ。蟲よりはマシだがきめぇです。小さいせいで可愛く見えてしまいそうな時もあるのが忌々しい。
 そう思いながら、雁夜が口を開く。
「しっかし、最初コロポックルかと思ったよな、これ」
「コロポックルに謝れ雁夜。これはあんなに愛らしい存在じゃない」
「オッサン姿の妖精の話とか聞くけどねー。都市伝説的に」
「もう本体の蟲さん潰しちゃえば?」
「我が王の所で預かって頂いていますが、要請すればきっちり潰して下さるでしょうからね。それも良いと思いますよ、カリヤ」
「つってるけどどーするよ蟲爺。俺はぶっちゃけどーでもいいんだけど」
「……好きにせい。くそっ、この出来損ない共がぁぁ!!」
 またもやぷりぷり怒りつつ、ぶんすか腕を振っている。
 間桐を長年支配していた化物は、その力を失って。
 それに苦しみ、怯えていた者達はもう、強さを手にして笑っている。
 休日は揃って和服。全焼した家を見て、どうせなら、と洋館だった間桐邸は日本家屋に建て直し。
 テレビやコタツや畳のある大きな和室に、皆で集まりわいわいと。
「まぁ、俺はちまちま嫌がらせするつもりだから潰さなくても良いと思うけど」
「やっぱ酒掛けてみよーぜ!!」
「つーか、邪魔だからどっかの廃棄場とかに埋めない?」
「お兄ちゃん、私手伝うよ!!」
「トイレに流す方が汚れなくて良いのでは?」
「いっそ一思いに殺せぇぇぇ!!!」
「俺が言うのも何だけど、みんなひっでぇ。まぁ仕方ないよな、おじいちゃんっ★」
「貴様等ァァァ!!!」
 蟲の集合体の癖に涙目のおじいちゃんを弄りつつ。
 今日も間桐家は、皆一緒に笑っている。