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DQ4F

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第五章「モンバーバラの夜」



 船上でソフィアはアリーナと話をしていた。
久しぶりに同年代の女の子の友達ができソフィアは喜んだ。
シンシアはちょっとお姉さんだったけど、アリーナは少し年下の妹みたいねとソフィアは思った。

 しかしのんびり話をしている暇はなかった。
海上でも魔物が襲ってくるのである。
ふいをつかれ、ソフィアが体制を立て直す前に、アリーナは行動していた。
次々と会心の一撃を放ち、魔物の群れを撃破していく。
すごい。
ソフィアは驚いた。
私と同じ女の子なのに、あんなスピードと瞬発力が出せるなんて。
武術大会優勝は伊達じゃないわねとソフィアは思った。

 やがて船はモンバーバラに着いた。
街の中に入ると、人々が次々にマーニャとミネアに声をかけてくる。
久しぶりに踊りたくなったらしいマーニャは、劇場の座長を訪れた。
しかし今は旅芸人のパノンという男を雇い、踊りではなくお笑いのステージを行っているとのこと。
残念ねとマーニャは言い残し、一同は夜に劇場を見学することにした。

 その夜、パノンのステージを堪能した一同は街中を歩いていた。
途中に妖しい建物が見えてくる。
こんなところあったかなと思いながら、ソフィアは中に入る。
ミネアが何か言いかけたが、マーニャがにこやかに制止した。

 中は大部分が若い女性で、そのほとんどが頭にウサギの耳のような飾りをつけ、体にぴったりとした服と網タイツを着ていた。
いくつも部屋があり、時たまいろいろな男性がやってきては、その部屋に入っていく。
いったいここは何をするところだろうとソフィアは不思議に思い、その中の一室に入ってみた。

 中にはそのウサギ服を着た女性がいたので話しかけてみる。
ここで働く?ぱふぱふは意外に難しい? ねえ、ぱふぱふってなあに? とマーニャに聞いてみた。
うれしそうに説明を始めようとしたマーニャを、今度はミネアが止めた。

 マーニャの顔を見て何となくいかがわしさを感じたソフィアであるが、ふとクリフトを見ると様子がおかしい。
時たまちらっと周りをうかがうのであるが、さっきから一言もしゃべらないのである。
マーニャとミネアに話すと、マーニャは笑みを浮かべクリフトの腕をつかんで引っ張っていき、部屋の中に放り込んだ。

 とたんに部屋の中が騒がしくなる。
どうやらクリフトが暴れているらしい。
しばらくすると静かになり、やがて中からクリフトがなぜか幸せそうな顔をして現れた。
ソフィアが中を伺うと、例のウサギの女性が服を整えていた。

 この手の知識には疎いソフィアであるが、
このときはピンと来るものがあった。
クリフトさん! 神官のくせに不潔です! アリーナに言って叱ってもらいます! と口調を厳しくした。
するとクリフトは真っ青になり頭を下げて謝るので、ソフィアはため息をついて許してあげることにした。
世の中にはまだまだ自分の知らないことがあるのねと考えながら、ソフィアは宿へ帰っていくのであった。

作品名:DQ4F 作家名:malta