緋弾とニートと愚昧な武偵
鳴海side
僕は転入早々完全にアウェーだ、誰も気にする風はないのは今更なので、まず担任の先生に話しかけてみる。
「あの、先生?、僕がさっき言われたことって一体.....?」
先生は騒ぎ立てる生徒を制せず、僕の質問に答えてくれた。
「某暴力団最有力次期組長」
「世界を相手にできるハッカーの助手」
「東京一のタラシの弟子」
「武偵一過激派の友人」
・・・・・・・いや、まあ、心当たりありまくりの人物達を連想できるこの羅列は、一体何処から......。
「あの、藤島君?・・・・・エンジェルフィックス事件、知ってます......よね?。」
!、 な、なんで知ってるんだ!? メディアではそのことについては一切と言って良いほどそのことについてのニュースが流れなかったのに、どうして?
「うちの生徒がそのことについて勝手に調べていたんです、そこに君の名前があって......」
先生は伏せ目気味で申し訳なさそうに答える、先生が悪いんじゃない、だけど、思い出したくなかった、自分の無力さがあからさまになったから、もうそうならないようにここに居るって言うのに......。人は自分でならいくらでも自分を罵倒できる、でもそれを改めて他人に言われると非常に頭にくる、けどここで行動を起こしたら完全に八つ当たりだ、けどその直後。
ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!ダンッ!!
銃声を聞いたとき反射的にあのときのことを思い出してしまった、あの子が一度死んでしまったときのことを誰かが傷つくかもしれないその状況を見て。
八つ当たりとは世間ではいかに理由があろうと通用するわけではないだろう、だから僕は実に都合の良い自己解釈でこれはあくまで『問題解決』ということにしよう、そして後でも良いから....謝ろう。
「なァァァァにっ!!、やってンダァァァァ!!」
僕は半ば衝動的に殴ってしまった、何の正当性もないままなのに、僕はその場でいたたまれなくなり、教室から飛び出してしまった。
鳴海side end
ニートside
ズルッ ... ズルッ ... ズルッ ...
ここは 渋谷のとある雑居ビルのラーメン屋の裏手そこにラーメンをすする人が居る。
「しっかし、マスターのラーメンは不味いなぁ」
出してくれている物に悪態をつく体格の良い男、通称テツ、紫苑時有子、アリス率いる誰が呼んだか『ニート探偵団』の一員である。
「ほっほう....私の店で、しかも、無賃で食ってる奴のセリフか〜?」
ビクッ!! と女性のドスの利いた、声が後ろから響く、テツは体をひくつかせながら、後ろに居るであろう声の主に恐る恐る振り向く。
「マ、マスター、いやこれはその、正直な感想を述べただけで......」
「・・・・そうか.......なら.........ありがとよ!!」
バキッ!!
最後の言葉の直後に腰の入った拳がテツの頬に刺さる、テツは宙を舞う、とまでは行かず、ラーメンの丼を手放し店の裏手に転がっていった。
読者はこの女性のことを男より大きい大女と勘違いをしているといけないので紹介しよう。
彼を殴り飛ばしたこの女性、テツが居座っているラーメン屋のオーナー、通称、ミンさん、ポニテで結った黒髪に季節を感じさせない年中タンクトップにさらしを巻き、厨房で使うズボンというもはやこの人の普段着ともなる、そして
「ボサッとしてるんなら、アリスに飯食うように言いな!!」
・・・・・おおよそ ここに来る人たち(ニート)のお母さん代わりでもある。
「テテッ.....あいつの管理はナルミの仕事だろ、俺が行ってもしかたねぇよ」
「ナルミはもう、ここには、こないよ」
無機質、といわざる得ない声が雑居ビルの裏手に響いた、その声の主は.......
「「アリス?」」
ただ淡々と彼女は起こった事実を告げていく、
彼が背負っている責任と罪悪感
罪悪感への罪滅ぼし
そして彼なりの選んだ答え
そして自分がどうしたか
それを二人はただ何の感慨もなく聞くだけだ、なぜならここに着ている人物たちは決められた社会(ルール)が通用しない人物達ばかりだ、そしてなんらかの過去を背負っている人物ばかりだ、でもだからこそ
「・・・・お前とナルミが決めたんだ 良いんじゃねぇの?」
「・・・・・ちびっ子の癖に辛気臭い顔すんな」
「マ、マスター!!、誰がちびっ子だって!?」
そんな話題の中心である彼はというと、どんな巡り会わせか、武偵高屋上でサボっていた.......。
実に奇妙で、あの日、あの時、あの場所であの子と出会った時のことを思い出していた。
多くの人にはどうでも良くて、彼にとっては掛け替えのない、記憶を...............。
いかがでしたか?
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守