緋弾とニートと愚昧な武偵
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第一章 今、物語のページが開く
第六話 依頼来る (Request comes)
side???
ハァ、ハァ、ハァ
東京のとある、ビルが建ち並んだ道、そこでまるで何かに追いかけられるように息を荒げて走り続けているスーツ姿の男がいる。いや、彼は実際に追いかけられている。
「いたか!?」
「こっちにゃいねぇ!」
「クソ、あの野郎何処にいきやがった!」
チンピラ......とは言いにくいその筋の人間が誰かを探している、彼らが探しているのは、まさに今、逃げているのがスーツ姿の男だ、彼は物陰に隠れながら、スーツのポケットから携帯電話を手に取り、ある番号にTElする。
♪〜〜♪〜〜♪〜〜♪
「あ、お父さん?どうしたの?」
携帯電話から少女の声が男の耳に入る。どうやらこの男の、娘のようだ
「メオか? 金庫の番号知っているな?、アレをもって、今すぐ家から出るんだ!!」
男は詳しい説明をせずに一方的に用件を自分の娘に伝える。
「えっ?、ちょっと待って、お父さん?」
少女は事情を飲み込めず詳細の説明を求めてくる。
「いたぞ!!」
男達の野太い怒鳴り声が聞こえてくる、どうやら見つかったようだ。
そしてスーツ姿の男は再び走り出す前に電話に一言を伝える。
「お前のことは、きっと 天国の母さんが守ってくれる」
男はその一言を最後に電話を切ってしまった。
side??? end
鳴海side
空に浮かぶ雲、それを見ながらのサボりはここに来る前も同じだった、こうして屋上の給水タンクの傍でこんな風にボーっとしていたとき・・・・・・・彩夏と会ったんだ......。
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・はじめは変わった奴と思っていた、 いや、クラスメイトに関わろうとはしなかった、僕が言うべきことではないんだが........彼女は当時の僕にとってはそんな程度の人間でしかなかった、初めはホント、鬱陶しいくらい僕みたいな人間と関わって、何が楽しいのだろうと頭を抱えて考え込んだことも間々あった........。けど
「考えてみると、みんな彩夏のおかげなんだよなぁ。」
彼女のおかげでいろんな人と知り合えた、でも.........。
「当人がいなくちゃ、意味ないよ」
ピンポンパンポ〜ン♪
校内放送独特のあの音が校内に響く、多くの学生はこの音のあとでの自分の名を呼び出されたときは
「2年A組、藤島鳴海君、藤島鳴海君、教務科(マスターズ)、高天原の所に来てください」
・・・・・・なんというか、絶望する.......まぁ、暴力沙汰を行ったんだから呼び出しは当たり前か。
僕は重い腰を上げ 屋上から校内へ、そして職員室に歩みを進めることにした。
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
ところ変わって、ここは教務科(マスターズ)と呼ばれる職員室、何らかの処分は覚悟しているが..........生徒が拳銃持ってるってことは、当然、教師も持っているだろう、あまり刺激はしないほうが良いよね?
ガラッ
「失礼します」
多少、周りのほかの先生からの視線がジロリと向けられる、その視線に多少 僕は怯んだが、取りあえず後ろから撃たれずに先生の所まで行けた。
「あの、先生、その......すみま「ありがとうございました」、えっ?」
僕はついポカンとなってしまった、なんで お礼言われるの?、目下僕の頭を悩ませている高天原先生は椅子に腰掛けながら僕に頭を下げている。
「本来は教師が止めるべきなのに藤島君にさせてしまってすみませんでした」
先生は教室での柔和な声ではなく何か責任を負っているような神妙な声で話しかけてくる。
僕は騒動の仲裁を意識的にしたわけではないし、半ば衝動的に殴り飛ばしてしまったから......。
「いえ、でも悪いのはやっぱり僕ですよ? 女の子殴っちゃったわけですし.....」
普通なら退学も覚悟しなければならない案件である、この行為に反省はしているが..........後悔はしていない、実際に止めなかったら・・・・・・ここから先は正直 想像したくない。撃つのも撃たれるのもガンシューティングゲームの中だけで構わない。だから........殴った。
「それと、呼び出したのはこのことだけではありません」
と暴力事件は軽く流された、武偵高(ここ)ではそういうことが日常茶飯事だからかな?、先生は書類の入ったファイルを僕に渡してくる、何だこれは?
「とある依頼人から君への直接の依頼(クエスト)らしいんです」
傍から見たら、ボーっとしていたように見えたらしい僕にその詳細について話してくれた。
ちなみに依頼(クエスト)とは武偵が主に受ける民間からの依頼状だ、ゲームのようにその依頼には難易度があって、 解決毎に報酬と一般高校における単位をもらえる、つまり、依頼(クエスト)を受けなければ、単位不足になって留年ということもありえるのだ.........他人事ではすまなさそうなので積極的に受けるようにしよう。
え〜っと、内容は......... んんっ!?
僕は依頼書に思わず顔を覗き込んでしまった、まさか..........またあそこに戻れるとは思わなかったから。
鳴海side end
アリスside
ところ変わって、ここは、渋谷のとある雑居ビルの308号室、扉にはこんな看板が掲げられている
http://t3.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcThmXy3oh3JQFWZ4sOU26f-yzqJdXM9nlkm5AbLTy8sngkamzwCnVOJTlZIを参照(コピーして検索してね by作者)
その中に一人の少女がいる、名前は紫苑寺有子、通称アリス、彼女はこの部屋で私立探偵をしている、彼女は一歩もこの部屋から出ずに依頼された案件を片付ける、という現代における安楽椅子探偵だ だが.......。
ぐゥゥ〜
・・・・・・・・・・彼女は仕事については完璧にこなす完璧主義者だが、食生活という面では栄養学者に真っ向から喧嘩を売るように、炊事もせず、不思議飲料ドクターペッパーだけで生活をしている、だが彼女も一応人間なので腹は減る。
ピンポーン♪
308号室のインターホンが響く
「入りたまえ」
相変わらず彼女は偉そうな言い方で外にいる人物を部屋に入るよう促す、おおかた マスターが食事を運んできてくれたんだろうと高をくくっていたからだ、この声を聞くまでは........。
「アリス〜ゥ、トビラを、開けてくれよ〜」
彼女はバッと後ろを振り返って部屋のトビラに小走りで近づく。
「・・・・・・ナルミ.....?」
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守