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緋弾とニートと愚昧な武偵

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第二章 目次と言う名の事件の数々
第八話 護衛と稽古(Escort and training)
鳴海side

 アリスから武偵らしい依頼(クエスト)を請け負い、今 ぼくの後ろにいる少女、メオを守ることになったけど、さてどうしたものか?

「武偵さん、どうしたの?」


当の彼女は全く危機感のない無垢な目で見てくるから尚更困る、護衛をするって言っても、やり方が分からないし、何より護衛は傍にいて匿(かくま)うってことでもあるからその場所も考えなければいけないよな?

                   ♪〜♪〜♪〜♪

電話が鳴った、見たことのない番号で少々不安になったが次の声で緊張の糸が切れてしまった同時に堪忍袋の緒が切れかかった。


「やぁ中将、武偵らしい依頼(クエスト) 調子はどうだ?」

                       ピッ
「武偵さん、何で電話切っちゃうの?」

「・・・・・間違い電話だったからね、気にしないで」

                     ♪〜♪〜♪〜♪

電話がダメならメールかよ、何のようだよ? あの犯罪者予備軍

「中将へ
アリスから連絡を受けた、自分は中将のサポートに回るようにとのことだ
これからの予行演習と思ってこの護衛を取り組むように。
それと......例のアレをやるぞ、遺書は持っておけ.......
では健闘を祈る。
ps
護衛については教官に報告はしないこと、中将の口八丁で学生寮の鍵を受け取り次第
護衛の任務に当たれ、なに自分の名を出せば取り計らってくれるだろう
なお教官に自分の名を挙げて起きた問題に関しては当局は一切関知しないので
そのつもりで

このメールは最終文を読み終え、閉じた時点で自動的に削除される」

・・・・最後のセリフってアレかスパイ大作戦の局長のか?

それと・・・・転入早々何をやったら取り計らってくれるまでになるんだ?

・・・・・・考えるだけ無駄か、少佐だもの.....かといって当てがあるわけでもないから......従うか。
それと、アレやるのか。はぁ、嫌だなぁ。

 そんなわけで僕は教務科(マスターズ)へと歩を進めることにした。 このときの僕はこの判断がいかに安直な判断だったかその後日、思い知らされることになった。

鳴海side end


キンジside

 新学期が始まったその日の夕方、俺は今朝の事件を含め、生涯、この出会いを忘れることはないだろう。
それは一つの始まりと言えるのか、あるいは.........俺の覚悟の分岐点だったのか.......と。

 俺は学校が終わって探偵科(インケスタ)の自室に戻っていた、帰る道中までがいろいろあったが まぁ、その辺は察して割愛してくれ、さて、俺がいるこの部屋は元々、4人部屋なのだが俺以外、数がぴったりなのでここを一人で使っているんだが、まぁクラスメイトからネクラと呼ばれてる俺でもたまに人恋しくあることもあるんですよ、こういうときになるべくフツーの人と関わりたい.....まぁここが武偵高であるかぎりそれも叶わぬ願いだが、

                       ガチャ
「・・・・あ、開いた」

ん、ガチャ?.......玄関のサムターンが回った? ここに入居の生徒なんて聞いてないけど誰だ?

俺は寝そべっていたソファーから起き、玄関に向かう

「あ、あんたは今朝の」

 正直、思っても見なかった人物が目の前にいた、今朝の一般高校の制服とは違って武偵高のTNK(ツイスト・ナノ・ケプラー)製の防弾制服が真新しく、一瞬、新入生?と勘違いしてしまいそうになるが

「武偵さんの知り合い?」
 
 後ろから季節不相応な薄手の姿の女がヒョッコリ現れたので、思わず後ずさってしまう。

たかが十数年の人生経験の俺が言うのも難だが..........厄介事のにほいしかしねぇ〜よ

ただただ俺は放心状態のままで彼らを家に入れた。

・・・・・・・・・・・・






・・・・・・・・・・・





・・・・・・・・・

「・・・・・・あの.......遠山キンジさん、ですよね」

女を連れた男子生徒が話しかけてきた、おいおい転入生? あれですか「家出少女を拾ってきちゃいました てへ」か?、だとしたら.......O☆I☆DA☆SU!!
必殺の意を込めて ポケットのバタフライナイフと懐のベレッタに手を掛ける

「蘭豹先生から手紙を預かってきたんですが」
Σ(゜д゜lll)なに!?

俺は瞬時に土下座してしまった........あの蘭豹から.......だと、

 蘭豹とは武偵高NO1の危険人物である、普段の授業から拳銃の使用を強制し(体育の授業で)生徒に無理な依頼(クエスト)を押し付け、断る者なら折檻、生徒同士の決闘を殺し合いにしろ!という壊れ具合である。
 その性格は単純にして粗暴、すなわち暴力メスゴリラ的な存在である上、何しろめちゃくちゃ強いので誰も逆らえない。
 そんな奴から手紙を預かってきた奴に危害を加えたら........比喩なしで死ぬ。

俺は若干ビビリ気味で手紙の封を空けた

・・・・・・・・・






・・・・・・・・





・・・・・・・

結論をまず出そう

「彼ら二人と共同生活をしろ!?」

・・・・・・いや、まぁ、同じ男子の藤島だけなら分かるよ? しかし何で女子と寝食ともにしなきゃいけないんだよ? だけど断ったら........考えたくない。となれば俺の選択肢は一つだ

「・・・・・・わかったよ、好きにしろ」

そんなこんなで寒々しかった一人っきりの4人部屋に一気に2人の同居人が増えることになったのだ。

 そしてその日の夜のこと、夕食を共同で作ったり、風呂に入ったりする 武偵高の寮生なら当たり前のことをして寝室でいざ寝ようとした時のことだ。

「・・・・・聞きたいことがあるんですがいいですか?」

と藤島が語りかけてくる。

「・・・・・答えられることなら.......あとタメで良いぞ?」
俺自身も気になっていたからな、何故.....危険な仕事のはずの武偵にわざわざ一般高校にいた、藤島がなったのかを聞きたいからな。

「じゃあ、キンジは何で武偵をしているの?」

いきなり答えにくい質問だ、思い出すのも色々と複雑で込み入ったことだからな.......話すべきか否か。

「・・・・・・僕は多分逃げたくなかったんだと思う。」

「ん?」

なかなか答えない俺に自分が言わなければ話さないのか?と思ったらしい藤島が話してきた

「僕には他の人よりも大切な友達がいたんだ、その人は僕を変えてくれたと同時に.........いなくなってしまったんだ。」

いなくなったって、転校したとかか? でもこのニュアンスは何だ?

「・・・・・キンジは去年の冬にある事件があったのを知ってる?」

「・・・・・詳しくは知らないが.....」

「聞いていて気分の良い話じゃないんだけど、その友達はね、その事件の最大の被害者なんだ........」

それからの話は正直、信じられないような話ばかりが出てきた、
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守