緋弾とニートと愚昧な武偵
エンジェルフィックス? ニート探偵? 平坂組? どれもこれもとても元一般高校の生徒の経験したものとは思えなかった でもそれ故に彼は逃げずに立ち向かう道をとったのか。
・・・・・・・正直、理解できない。人間は誰でも無責任なことを大人数で言って その責任の擦り合いをして何時の間にかそれが有耶無耶になってる そんな日常のほうがずっと楽で安全で平凡に暮らして行けるはずなのに.........わからない.....。
「でも逃げたことには変わらないんだけどね」
!? 一瞬彼の言葉がわからなくなってしまった、いや彼がどんな思いで武偵になった理由を聞いていても俺にとっては納得のできるものではなかったが
「本当に逃げないのなら、その子のいた環境をできるだけ壊さず、信じて、待っていなければならないのに帰ってくるって希望を捨てて、ここにいるのだから」
「・・・・・帰ってくるって希望があるだけでマシじゃねぇか」
バッと布団を翻す音を聞く、気に障ったことを言ったつもりはないのだが........どうやら気に障ったらしい、仕方がない、こっちも話すか。
「俺は.......正義の味方になりたかった」
飛び出しては来なかった、大人しく話を聞くつもりなのだろう
さて、話そうか
「初めは憧れだけだった、子供じみた、そう、特撮のヒーローや本の中での英雄みたいな人物が身近にいて、その人が目標だった」
「ん〜、たんてい、さんっ ん〜」
・・・・・リアルで寝言言う奴、始めて見たよ.......。
「・・・・・・・この話はまた今度でいいか? 起こすの悪いし」
「・・・・・うん」
こうして夜は更け、俺達は眠りについた。
キンジside end
コケコッコ〜!!な翌朝。
「・・・・・よし行くか」
まだ世間では新聞配達をしている人がいるか、いないか位の現在時刻、午前3:00
現在同居中の二人を置いて彼、藤島鳴海は寮を出て行く
「二人とも、逝ってきます」
あながち間違えじゃない言葉を残し、自転車に乗り、彼はいつも行っているラーメンはなまるの裏ではなく、渋谷のとある廃ビルの建ち並ぶ、少し道幅の広い所で自転車から降りて。
彼は息を吸い、気を落ち着かせ、通信機を内蔵した自らの拳銃に手を取り
「少佐、始めてください」
やがていつもの少佐とは思えない実に冷たい声で
「では、これより、戦闘訓練カリキュラム、狙撃手(スナイパー)VS拳銃手(サジェスト)をはじめる、制限時間は一時間、..........開始!!」
ズキューン!!
ちょうど運動会で使うピストルのような実弾の合図が春先とはいえまだ暗い空に鳴り響き、その瞬間に彼は走り出す。
もうお分かりだろうが、これはいわゆるサバイバルゲーム、ただし実弾での訓練だ
ルールはいたってシンプル
一時間以内に僕が少佐の潜む、ビルを見つけ出し射殺圏内に捉えること。
もしくは..........。
キュン!!
「あぶね!!」
少佐の放った弾に被弾するか......のいずれかだ。
「中将、この弾丸は徹甲弾(ピアス)だ、防弾制服だとしても直撃すれば風穴が開くぞ、だから........避けろ!!」
ズキュン!! ズキュン!! ズキュン!!
彼の手に持つ、通信機から檄を飛ばす、徹甲弾とは対装甲用の銃弾、つまり対象物を撃ち抜く為、開発されたようは貫通力の高い弾だ..........ちなみに日本では禁止されている銃弾です。 何故少佐が持ってるかは察してやってください。
最も彼、藤島鳴海はこの訓練については懸命に取り組むつもりである。
もう二度と無力な案山子(いっぱんじん)には戻れなくてもいいと・・・・・言葉が過ぎるかもしれないが、そう誓ったのだから、『武偵になる』と決めた、そのときからこの命は此処に在って無いようなものなのだから。
第二章 目次と言う名の事件の数々
第九話 銃撃と拳撃(Shootings and fist attack)
鳴海side
ズキュン!!、ズキュン!!、ズキュン!!
東から太陽が昇り始めた、午前4:30
いまだ銃声が鳴り止まないのは二人とも互い(ターゲット)に片をつけられないでいるからだ。
ハァ、ハァ、ハァ「ちょっと!!、少佐、殺す気ですか!?」
僕は物陰に隠れて、いまだ一発も発砲していない通信機つきのデザートイーグルに訴えかける。 しかし返答先は非情にも
「凶悪犯に対して、いちいち聞く質問ではないだろう。しゃべれるのなら殺る気で殺れ!!」
ズキュン!!、ズキュン!!
・・・・・
・・・
・・
武偵という国家資格が新設された際、同時に武偵に適用される『武偵法』というのが制定された。
武偵の三倍刑、所持できる銃剣類の種類、武偵が請け負える依頼の制限など武偵活動に関するさまざまなことが書かれている。その中で武偵である以上絶対に守らなければならない、一条がある。
武偵法第9条「武偵は如何なる状況においても、その武偵活動中に人を殺害してはならない。」
たとえ正当防衛のためであろうとこれを破れば武偵の三倍刑により極刑を言い渡されたと同然の懲役数百年の刑に科せられることもあるのだ。
早い話が 少佐は僕を殺すつもりだ。
僕はぎりぎりまで建物の間になっている所から路上に近づき、顔を一瞬、路上に晒す、次の瞬間。
キュン!!
まさに目と鼻の先に銃弾が掠るのが......見えた! すぐ顔を引っ込めて、今度は銃弾が飛んできたほうに視線を移す。
ズキュン!!
今度ははっきりと銃弾の発砲光が建物から見えた、聞こえた。
「反撃、してもいいよね?」
そう自分に言聞かし僕は拳銃の安全装置(セーフティ)を解除し靴紐を結びなおす。
僕は潜んでいる少佐が潜んでいるらしき建物にある程度検討をつけ、今いる場所から最も近い建物の間へ
ダッ!!
走り出す。撃たれないように、昨日と同じく速く動いては少し歩幅を変えて、タイミングを外させる。
ズキュン!!、ズキュン!!
銃弾が地面に刺さって出る砂煙とわざと髄足になって砂煙を作って、僕の身を隠す。
そうしたことを何度か繰り返すうちに、
ズザァ
発砲光が見えた建物に滑り込むことができた。
僕は体についた砂を払いながらその建物の階段を静かに登る、一階、二階、三階、四階、ちょうどこの辺りだ、発砲光が見えたのは。
ここで読者の皆さんに質問だ、僕のいる四階のフロアの左手には二つの部屋がある、手前の部屋は扉がない部屋、その奥のは扉があって閉まっている部屋、この場合どちらの部屋に入るべきだろうか?
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作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守