緋弾とニートと愚昧な武偵
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はい、時間切れ、この場合は扉のあるほうだ、何故かって? 理由は罠は扉に仕掛けられることが多いからだ、その答えだと扉のないほうが正解だと思うかもしれないが、扉という仕切があるほうがその罠に対する準備ができるんだ。それに..........少佐が罠を仕掛けて無い訳がない。
僕は鞄に入れてきたガムテープを扉のない部屋に注意して扉のあるほうのドアノブに貼り付ける、
案の定、扉のないほうには無人の狙撃銃が稼動していた、ブラフでここに飛び込んだらその後ろから頭を狙うという腹積もりだったのだろう、そして........
クィ
とガムテープを引っ張ると
ドォン!!
扉には爆弾が仕掛けてある.......と。
最後に..........。
「少佐、何処にいるんですか?」
手に持った拳銃の通信機に話しかける
「・・・・・・何時頃、気付いた?」
「おかしいと思ったんですよ、そっちからは銃声の音が聞こえないのに実際は発砲されていたんですから、となれば何らかの手段で、狙撃に似たことを遠隔でしていたと考えたんです」
「しかし、それだけでは建物への突入の理由としては弱くないか?威力を抑えたとはいえ扉に爆弾まで仕掛けたんだぞ、それができるのなら建物の入り口に仕掛けることもできた、何故入った?」
確かに今の少佐なら容易にできることだけど........やっぱり.......。
「信じていたんですよ、少佐は嘘をついて勝負にならないようなことはしない、それに人を傷つけるようなことをするわけないって」
「・・・・この建物の屋上だ、武装はしていない、全く中将は甘いというか何と言うか.......。」
「じゃあ今回は........?」
「中将の勝ちだ、だが中将、これからやる訓練カリキュラムはこの比ではないぞ、覚悟しておけ」
午前4:50分、狙撃手と拳銃手の戦闘訓練はまずは僕の勝ちだった。
それからは少佐から「今回の勝ち星の褒美だ」と木箱に入れられた銃弾を5〜6個ほど受け取った、本当に困ったときだけ使えといわれたけど、このD・A・Lて何の略だろう?
それに加えて今度は近距離戦の訓練をやるからって黒いメリケンサックに籠手をつけたボクシンググローブみたいな物を渡された、話ではこれもスタンガンなのだそうだ秘匿性はほとんどゼロに近いと思うけど。
そんなこんなで僕は探偵科(インケスタ)の寮に帰っていった。
*
「ただいま」
軽く欠伸しながら、寮の部屋に入る、世間では早起きであろう午前5:50頃に僕は帰ってきた、不健康極まりないことに俗に朝帰りという形で.........。
トン、トン、トン、トン
包丁独特のこぎみの良い音を聞きながら、寮のリビングに入っていく
「あ、武偵さん、おはよう、朝帰り?、夜遊び?」
・・・・・・取りあえずそのボキャブラリを吹き込んだであろう犯人(ヒロさん)を逮捕してこようかな、え〜と、青少年健全育成法、違反かな? それよりも。
「おはよう、メオ、朝、早いんだね、もう少しゆっくり寝てて良いんだよ?」
「メオ、花嫁修業中なの、これはその練習、お嫁さんがお寝坊良くない」
自立してるねぇ〜、確かメオは僕より年下のはずなのに生活力あるよな〜
「そういえば、メオは今、14だっけ?、あと2年たてば親の同意で結婚できるんだよね?、相手いるの?」
「うん、お父さんと結婚するの!!」
・・・・・・は?、いや待て 確か三親等以内の近親婚は法律違反じゃなかったっけ?
「あのさ、メオ、お父さんと結婚は無理なんじゃないかな?」
「何で?、メオとお父さんは血はつながってないよ? メオの本当のお父さん メオが小さいときに死んじゃった、今のお父さん、メオのお母さんもメオも大好き!! だから結婚する!!」
・・・・・血の絆よりも家族の絆.........か。 正直、羨ましいよ 僕の家って家族であって他人のようなものだもんな 父さんは仕事の都合でほとんど家に帰らないし、姉さんは武偵になるっていっても「あ、そう 頑張って」の二つ返事でokしたし、だから、
「メオ」
「何?武偵さん?」
だから、今、壊れていない家族の絆を.......
「お父さんは、必ず見つけるから、今は僕らの言うことを聞いてくれる?」
守ってあげたいと思うんだ。
「・・・・・うん、探偵さんも武偵さんもメオは信じてるから、お父さんを絶対見つけて」
*
それから暫くのうち、キンジも起きて来て三人で朝ごはんを食べて、学校に行く時間になり、僕は依頼(クエスト)の続きではなまるに行くことになった。
玄関でキンジが「何で学校行かないのか」って聞いたけど、如何せん寝不足な上に護衛の詳細を教えることはできなくて多少イラついた僕は目をできるだけ鋭くして「だから何?」と凄んで言ったが意外にあっさり
「そうか、じゃあまた夕方な」
ガチャ
・・・・・素っ気なさ過ぎるけど ま、いっか、じゃ仕事に行こう。
「メオ、留守番頼むよ、それと必要な物があるならメモして渡してくれる?」
「うん、いってらっしゃい え〜と.........これで良いかな?探偵さんにもよろしくね」
このときの「よろしくね」という言葉に多少含みが在った様に思えた、そしてそれは嫌な予感だったことを今の僕はわからなかったのだ。
鳴海side end
キンジside
俺はあの二人が起こしてくれたおかげで久々に余裕を持って学校にこれて、藤島とメオについて考えている
なんだったんだあいつ、昨日と打って変わって人が変わったように機嫌が悪くて、昨夜のことが気に触ってたんかな? いや 気にするだけ無駄か、聞いた話に寄れば.............あいつはもう人の心じゃねぇ、さしずめ、機械というべきか、あいつのせいじゃないのに全部抱え込んで溜め込んで。
そんな中メオとか言う家出女子も あの蘭豹の後光でまんまと転がり込まれたが........どうもあの二人くさいな、こうなったら武偵らしい方法で
「テキトーにガス抜きと洗ってやるか」
「ガス抜きって何が?」
俺の隣にいきなり金髪フリフリ女子、理子が顔辺りに近づいてきて内心驚く
「なんでもない、それと理子 顔が近い、近い」
平静を装ってはいたが.........正直、危なかった ここでヒスったらやばかった。
「え〜!? 教えてよ!! 理子、キー君の欲しがる情報あげてもいいよぉ?」
「当然有料だろう? それに教える義理はないぞ」
ピピピピピピピと理子はケータイを取り出して、何かを打っている、 何してるんだ?
「おい、理子何してる?」
「キー君が教えてくれないから、とあるSNSの良いオトコの人達に紹介してあげようと......。」
「教えさせていただくのでそれだけは勘弁してください」
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守