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緋弾とニートと愚昧な武偵

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第二章 目次と言う名の事件の数々
第十話 約束と要求(Commitments and requirements)
キンジside

 理子の追求に耐えられなくなった俺はついしゃべっちまったんだよ、藤島の過去を 本人の居ない前でそれも口に出すのを憚られることなのに ある意味このときの俺は気が振れていたのかもしれないな。
でこの話を聞いた理子は傍から見ても白々しく制服と同じくフリフリのハンカチを目にあて、泣いていた.........のか?

「うう....ゥ その人 大変だったんだねぇ そのお友達が死んじゃったなんて」
いや 死んだとは一言も言ってないが? まぁ誤解もされるか医者の口から「目を覚ますことはないだろう」なんてこと聞いちゃ仕方ないか?

「それで、その人は今は?」
「依頼(クエスト)で校外に出てる、学校には来ないと言ってた」
「ウソ〜ォ!! その人、キー君のリア友!? ネクラなくせにwww、名前言っちゃえよ〜」
「ことわる、お前のことだ、どうせ他人に風潮するだろう」
俺はできるだけ殺気を込めて睨む、この口軽女は情報の正確さは信頼に値するがあまり喋るには向いていない話題を漏らした俺にも問題あるが言いふらされたら、藤島からの信頼?を裏切ることになる。

「・・・・・・こっちは話したんだ、俺が気になりそうな情報とやらを聞かせろ。」
理子は頬に指をあて、いかにも『どうしようかな〜?』といった客観的にみて凄くムカつく態度のため、一瞬だが本気で懐にあるベレッタに手を掛けようとした。
「冗談、冗談だって キー君、バラさないから だから、懐から手を離して」
「・・・・・・分かった、言うなよ、で 情報って?」
「フフ〜ン 実はこれなんだ」

理子が渡す情報はどうせくだらないものだと思っていたが...........本当にくだらなかった、理子の言葉を借りるなら、俺にとっての死亡フラグ乱立の調査書だったのだ。

キンジside end


鳴海side

「ナルミ、護衛対象を一人にして出歩いているのはどういう神経だい?」

僕は、今、早い話が怒られている、対するは元僕の上司、ニート探偵のアリスだ。

「いや、依頼人不明の依頼(クエスト)でも途中放棄は........命が危ないから」
「ならば一回、三途の川の川縁で研修旅行でもしてきたらどうだい? 君のその愚昧さはそうすれば少しはマシになるかもしれないね」
「肝に銘じておくよ、それと僕がここに来たのはアリスに提案とお願いがあって来たんだ」
「・・・・聞くだけ聞いてあげるよ、なんだい?」

「草壁昌也の、ハローコーポレーションの概要とあのバックの中身を守る方法を思いついた」

彼女は怪訝そうな顔をしながらも瞬時にキーボードにスコールのような指裁きでハローコーポレーションの概要について検索し僕に見せた後 黙って僕の話を最後まで聞いてくれた、無理があったのかもしれない、穴があったのかもしれない、無茶だったかもしれない、けどぼくはそれしか思いつかなかった。

「・・・・・・・・ってことなんだけど、どうかな?」

「笑われたいかい?、呆れられたいかい? きみが無い脳をひねって、考えたその案を.........」
「駄目.......かな? やっぱり」
「いや、ぼくも最悪、そんな手段を考えていなかったわけじゃない、しかし、そんなことをして大丈夫なのかい? 武偵の三倍刑は厳しいという、それでもやるのかい?」

「・・・・・そんなことはどうでもいい、だから.......。」

                      パンッ!!
痛くは無かったけど小さな白い手の一閃が僕の頬を掠めた、アリスに叩かれた?

 アリスは正座をしている僕を見下す様な体制で本来はこの位置から見えているはずの顔の目の辺りが陰って見えなくなっている、ただでさえその小さな体は肩を震わせて、怒ってるのか?

「き、きみには聞きたいことがエベレストの標高ほどあるのだが、な、なんで昨日今日 知り合った人物にそこまでしようと思えるんだ!? メオに依頼されたのはぼくだ!! きみが頭を悩ませる必要は無いんだ!! お節介もいい加減にしたまえ!!」

本当に驚いた、アリスは今まで人形みたいに表情を崩さず、ただ目の前のことを淡々とこなしてきた彼女は信じられないことに烈火のごとく怒っているのだ。

「・・・・・・ごめん、でも.......取り返しがつく内に、何とかしたいんだよ」

 『取り返しがつく内に何とかしたいんだよ』 このときのこの言葉は僕自身の心からの叫びだったのかもしれない あの時、間に合わなかった、何とかしたかった、けど、できなかった、あんな思いにもう二度となりたくない、させたくないと、強く思った。そんな思いが伝わったのかそうじゃなかったのか

「・・・・その計画の実行は........何時頃、起こす? そしてこれはきみからぼくへの依頼と思っていいね?」

 ついさっきの雰囲気から一転 いつもの冷静さを取り戻したアリスは僕の提案を依頼という形で請け負ってくれるようだ。

「・・・・・・ありがとう、やっぱりアリスは優しいね」

 彼女の心根は本当に優しい、エンジェルフィックスでラリッたときも最後まで気にかけてくれた、機関銃の掃射のあった昨日も、真っ先に電話してくれたのは家族じゃなくて........アリスだ。 助手としての縁を切っても僕を友人としてこうして支えてくれる、さっきの平手も僕の身を案じてのことだろう........余談だけど『優しいね』と言った辺りから何故かアリスは顔を紅くしていたのは何故だろう?

「じゃあ依頼するよ、二週間以内に頼むよ」

「良いだろう、しかし、ナルミ........いや、これはこの案件が終わってからでもいいだろう」
「なんか言った アリス?」

「いや、それよりも、あれから彩夏の見舞い行ってあげたかい?」
「・・・・・・行ってないけど......行かなきゃダメかな?」

・・・・・・自分で言うのもなんだけど、薄情な奴だよね僕って人間は 逃げた上に目も背けているなんて..........回復の兆しがあれば良いさ、けどそんなこと起きるわけがないんだ、それに.......辛かったんだ。

 一度、僕は彩夏の見舞いに行ったそのときに、彩夏の目が開いたんだ 本当に目を開けただけでそれからは医者達が病室に詰め寄って 追い出されて、あのときの瞳が忘れられなくて、それっきりで。

「・・・・・なにか、馬鹿みたいな事を考えているようだがきみには、友人の見舞いに行くのにあれこれ理由がなければならないのかい? もしそうならばきみは最低だね、僕らの中で一番気にかけているのにはずなのに、何故行かないんだい?」

・・・・・理由.......か 僕はアリスの言葉を何度も反芻した、何故、行かないのかではない どうしていけないのかと この自問自答はそのときの僕には情けない話、わからなかったのだ。

「・・・・確かに最低かもしれないけど、理由がわからなくて、行けないんだ、だから........アリス、理由がわかったら、一緒に彩夏の前に出てくれないかな?」
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守