緋弾とニートと愚昧な武偵
「・・・・・・そのときが来ることを友人として願っているよ、さぁ、短い人生の猶予期間のうちに精々奮闘したまえ きみの労働意欲のないところはニートになるほか無いのだから」
「さらっと、酷いこと言うなよorz」
ちょっとでも優しいと思った僕が馬鹿だった、この少女、もう少しオブラートってもんを覚えて欲しいと切に願う、僕が居た。
それからはミンさんのお手伝いをして、途中でヒロさんが裏手に来て、メオが住んでいるマンションの番地を教えてもらって、メオに必要な荷物をまとめて持っていった。 マンションの周りには明らかに堅気の臭いの全くしない人たちがうろついていたけど。
〜その日の夕方〜in探偵科(インケスタ)男子寮
「ただいま〜」
僕は、メオから渡されたメモで必要な荷物を自転車に括り付け、少々前が見づらかったけど荷物の搬入を終えようとしていた、午後5時寄りの4時。
「お? お帰り」 「おかえり〜、武偵さん」
リビングにあるテーブルを挟むように椅子に座っていたメオは学校が終わって帰宅していたキンジと見た感じ雑談していたようだった。
「うん、ただいま、メオ、荷物を持ってきたから確認してくれる?」
「うん」
僕が持ってきた荷物が寝室にあることを伝えてメオはリビングから出て行く、必然的にリビングは僕とキンジの二人っきりになった。
鳴海side end
更にそれから三十分後
キンジside
今まで俺一人で使っていた4人部屋、昨日、藤島たちが来たばかりなのに随分とこの部屋も雰囲気が変わったもんだ特別うるさい奴でもなければ、寡黙な奴でもない 不思議な奴、藤島鳴海 他の連中とは違って案外まともそうだ。
と思っていた俺が居ました、しかし
どうしてこうなるんだよ、
今、俺の部屋はカオスことに...........
「こンッの〜!!」
「やめろって!!」
二つの拳と二振りの日本刀を振り回す、人外化した相部屋の住人(ルームメイト)と桃色の侵略者(インベーダー)との全面戦争が行われている、生物が二種類以上存在すれば争いは自然の摂理だと無責任な言葉を残した人がいるな、勿論、俺のあずかり知れない所でならいくらやってもそれは一向に構わない。だがな.........。
「何で俺達の部屋なんだよ〜ッ!!」
聡明な読者諸君は、桃色の侵略者(インベーダー)とは誰かはお分かりだろう、そう 神埼・H・アリアである。
彼女の来た目的は........俺をあいつの『ドレイになりなさい!!』と要求してきた。
そして人外化した同居人(ルームメイト)とは信じられないことに、藤島だ。
藤島に喧嘩を吹っかけてきたのは神埼、いや、アリアのほうだが、藤島はアリアの剣幕に怯みながらも、弁明を繰り返していた、しかし頭に血が上ったであろうアリアはふともものガバメントを引き抜いて威嚇射撃をしようとした際に運悪く、メオがそのときリビングに来てしまったのだ。
バオン!!
半ば反射的に引き金を引かれたガバメントから火花と共に硝煙の乾いた心無い音が寮の一室に響き渡る。
『あ、ダメだ、避けられねぇ』と一瞬、目の前でメオが撃たれる瞬間を予感してしまった、しかし、暫く何一つ物音のしないので、両手で目を塞いでいた俺は恐る恐る目を外界に晒す。
ポタ..........ポタ.........。
アリアが振り上げているガバメントの銃口を掴んで左手から血を滴(したた)らせる、藤島がいた。
「・・・・過失だとしても 無関係の人間に銃を向けたな?」
そのときに俺は本能的に藤島鳴海が怖くなった。
まずは一部の人には謝っておきます
ごめんなさい(棒読み)
作者はアリアは大嫌いです、原作では時間がないというのは良くわかりますが
その都合を相手に巻き込むことは良しなんて道理じゃねぇだろと
思います。
次回予告
成り行きととはいえ、鳴海が傷ついたところを見てしまった、メオ
「メオ、武偵さんと一緒に居たら迷惑なのかな?」
武偵さん、ごめんなさい
書置きを残して失踪したメオ
一人では探し出せないそんな鳴海が取った行動とは?
次回、責任と盃
第二章 目次と言う名の事件の数々
第十一話 責任と盃(Responsibility and cup)
キンジside
「武偵さん ごめんなさい、メオの前に出たせいで、血が......こんなに」
「・・・・・メオのせいじゃないから、気にしないで」
満身創痍の一歩手前の藤島の体に消毒綿を拭けながら涙声で謝っているメオ、しかし 藤島は.........何で普通にしていられるんだ?
部屋に入り込んだ侵入者(アリア)は藤島の凄い形相に怯んで、一時的に引っ込んだ、何故、一時的だって?あいつの持ち込んだキャスターつきのスーツケースが置いてあるということはここに戻ってくると踏んだだけだ。
これに入ってる物が不要なものではない限りな。
「キンジ、神崎さんのこの刀どうしよう?」
部屋の中に捨て置いてある所々、刃こぼれのある二振りの小太刀の柄を掴みながら俺の視界にそれをブラつかせる。
「ま、戻ってくるだろう、それまで預かってれば良い。それよりも、藤島 何でそれの電源つけなかったんだ?」
藤島の手、というか腕に、はめられているボクシングのグローブとも、剣道の籠手とも似つかない あまり見たことがない装備を指差しながら聞く、藤島から聞いたんだがあれは一種のスタンガンらしく、アリアが振り上げた日本刀に電源がついた状態で接触したのなら、一発KOだったんだが藤島は..........避けるか受け流したんだよ、あいつの攻撃を全て..........な。
「・・・・・・知り合いに似たような人が居るんだ、だから、しなかった、否 できなかった」
おいおい、マジかよ? あんな凶暴娘なのかお前のその知り合いは? あと.......できなかったって? どういうことだ? だけど、そう言いつつも、そのときの藤島は例えるなら我儘(わがまま)を言う、子供を諭(さと)すような、少なくても俺が見た限りではとても、人らしい顔だったんだ。
「それよりキンジは神崎さんが戻ってきたらどうするの?」
「・・・・・決まってるだろ..........追い出す。何としても」
あぁそうさ、今ある平穏に近い、今を守るために
*
日々、凶悪犯罪に立ち向かう、武偵。その武偵が気をつけなければならないものが三つある、『闇』、『毒』 そして........『女』である。
俺達の部屋に襲撃してきたアリアはこの寮の下のコンビニに売っていたらしい、桃型の餡饅(あんまん)通称ももまんをこいつの身の丈の半分くらいの紙袋に沢山買って戻って来た。
先ほど暴れた反動かとても大人しく俺達の夕飯に介入していた。
「で、どうして俺がお前のドレイとやらにならなきゃいけないんだ?」
「? アンタだったらもう気付いてたと思ったのに、まぁいいわそのうちわかるでしょ」
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守