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DRRR  BLOOD!!

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来良学園



昨日の事は結局わけがわからなかった。
折原臨也から渡されたノートパソコンにも特にそれらしいものは入ってなかった。
直死の魔眼で調べても爆発物などの罠も無かった。
気になるのは、竜ヶ峰というこのアパートの住人だけだった。
しかし、登校時間がやばかったため、志貴は放課後引越しの挨拶に行くつもりだ。
敷地に入る際は学生服が違うため、周りの視線が気になったがすぐに職員室に入って担任から説明を受けた。

「じゃあ、そろそろ時間だから来てもらおっか」

「あ、ハイ」

♂♀

紀田正臣は珍しく担任の話に聞き入っていた。

「みんな知ってのとおり、三咲校から留学生みたいなものが来ている。
 とりあえず紹介するから仲良くしろよ」

少年は中に入った。
入ってきた少年は青い詰襟を着ており、黒縁の眼鏡をかけていた。
身長は百七十前後。
顔は整っているが、なにか子犬のような印象を受ける。
少年は黒板に名前を書いた。
遠野と言う苗字は読めたが、志貴はなんと読むのかわからない。

「トオノシキです」

少年はそう言った。
志貴はシキと読むらしい。

―――珍しい名前だな、帝人ほどじゃないけど。

正臣はそこで後で帝人や杏里と一緒に声をかけようと思った。

「じゃあ、竜ヶ峰の隣に席用意したから座ってくれ」

正臣は志貴が竜ヶ峰という苗字を聞いてピクッと反応したのに気がつかなかった。

一時限目が終わったあと、ブレザーの中に一人詰襟の彼はかなり目立った。
正臣は帝人と杏里を誘い、志貴が質問攻めになる前に連れ出した。
志貴は当然の反応をした。

「えっと、あの、君たちは?」

「ああ、ワリイ。
 俺は紀田正臣、こっちが竜ヶ峰帝人」

「よろしく、遠野君」

「私は園原杏里」

志貴は一瞬置いて言った。

「竜ヶ峰・・・?」

「うん、自分でも凄い名前だと思うよ」

「じゃあ、一つ訊いていい?
 折原臨也って人知ってる?」

三人が沈黙した。
志貴は何が起こったのかわからず、動揺していた。

「お前、あいつの知り合い?」

「ちょっと正臣!」

いきなり態度を変えた正臣とそれを止めようとしている帝人を見て志貴は悟った。
やはり、折原臨也は只者ではない、と。
志貴は昨日の経緯を話した。
もちろん、折原臨也がナイフを飛ばしてきて自分がそれを斬り落とし、折原臨也を殺そうとした事は話さずに。

「なるほど、あの人はちょっと謎だけど悪意は無いと思うから」

帝人にそう言われてあしらわれたが、志貴はナイフを投げてくる人間が悪意が無いとは思えなかった。

「ま、行こうぜ。
 そうだ杏里。明日確か休みだよな?」

「え、うん」

「じゃあ、志貴に池袋案内してやろうぜ!」

―――いきなり名前呼びか・・・。

帝人は気にしたが、当の志貴のほうは全然気にしている様子が無かった。

「でも、明日は友達とか妹とかが俺のとこに・・・」

志貴としてはアルクェイドも来るため、あまり帝人達に会わせたくはなかった。
絶対に変な印象を抱かれてしまう。

「えっ、妹!」

―――反応するとこ、そこ?

志貴は、正臣は有彦と気が合うなと感じた。

「ちょっと正臣!」

帝人が突っ込みを入れる。
楽しそうだな。

「じゃ、明日学校前で待ち合わせねー!」

「えっ!あ、ちょっと!」

志貴が声をかけようとしたときには正臣は既に走っていった。

「あれ、竜ヶ峰君は帰らないの?」

「ああ、方向こっちなんだ」

それから色々話をした。
軽く三咲町の話題も出てきた。
死徒達の話を抜くと意外と三咲町には注目すべき点が無いことがわかった。
そうしているうちに志貴と帝人はアパートの前に着いた。

「じゃあ、俺ここだから」

「ああ、僕もここです」

志貴はそこで確信した。
作品名:DRRR  BLOOD!! 作家名:蔦野海夜