バイオの世界で武器商人に
sideサム
「何だ・・・あれは・・・」
レオン君が双眼鏡を覗い呆然とすしている。
「あれも、生物兵器さ。デルラゴってんだ」
「!?」
バッと振り返ると、そこには胡散臭い武器商人が。
ひど。
「何だ、お前か・・・」
サムはかなり息が切れているが、悟られないようにしている。
「あれはオオサンショウウオが村人と同じような状態になったものだ。要するに、襲ってくる。」
「そんなことより、お前、何者だ?武器商人なんて、嘘なんだろう?」
やはりバレていたか。
「何故分かった」
「炎の色さ。3人の武器商人とであったが、お前の炎の色だけが赤かった。」
やはりそこか。まあ、ここら辺で接触する予定だったしな。
「そうか、そこまで・・・」
「サム・何とかだな?」
お、ルイスに教えてもらったのかな?
「サム・スリーパーだ。ヨロシク。」
握手しようとしたら、ちゃんと握手してくれた。感無量です!
デルラゴは、湖で戦う。
やっぱり手伝っちゃおうかな。ワシのライフルで
「なあ、サム。思ったんだが、武器商人っていう肩書き、意味ないぞ?」
「ほんぎゃ?」
格好はそのまんまなのに!
「この歩く武器庫にそんなことを言うか?」
「武器商人じゃないのかよ」
ウグッ!
「最近、イルミヌドゥスはどうだ?」
「話を変えないでくれ。あと、噛むのは分かる。正しくはイルマナドスだ。」
「どっちもどっちだな。まあ、いつかちゃんとした動きやすい格好になるよ」
「頼むぜ、味方なんだろ?」
レオンが馬鹿にしたような目で見てくる。
レオン君、そういえば寄生されてるんだっけ。まあ、俺には関係ないか。
どうせ解決するし。
「ああ、死ぬなよ。デルラゴは地味に強力だ。」
「ああ、サムこそ、途中でくたばんなよ?」
「ああ、ここでデルラゴ戦を観察させてもらうとする。」
そして、ライフルで狙撃。
狙撃の王様になるわけだ。苦手とか知らん。練習だもん。
まずはでっかい的から狙うのがいいと思ってさw
「まあ、見とけよ。」
レオンはそのまま坂を下ってボート乗り場に向かった。
俺もいい狙撃ポイント探さないと・・・。
レオンを乗せたボートが動き出した。
湖の中心でデルラゴを挑発するかのようなボート捌きを見せる。
「食われるなよ・・・!」
俺は背中からライフルを取り出す。
頼りにしてるぜ。
あとはデルラゴが出てくるのを待つのみ。
レオンが水飛沫を上げながら走っていると、後ろに巨大な影が見えた。
レオンは気づいているか心配になったが、気づいていないとちょっとヤバイのでライフルで狙い撃ち。
ダメだ。全く照準が合わない。でけえ体して何でそんな速いんだよ。
素人の僕には無理でした。
そうだ、俺もボートに乗ろう。
サムはライフルをしまい、ボートに急ぐ。
そのころ、レオンは既に死闘を繰り広げていた。
sideレオン
「グッ!」
何だコイツは!
力が半端じゃない。速さもボートより遥かに速い。
唯一の武器はこの銛だけか。泣けるぜ。
またデルラゴとやらがこっちに向かって泳いできた。俺は即座にエンジンをかけて、その場から脱する。
デルラゴは近くの流木にぶつかりながらもなお止まらない。
もしかしたらこの凶暴性、利用できるんじゃないか?
早速俺はデルラゴと反対方向に走り出し、一旦ボートを泊めた。
それを見つけたデルラゴはもちろんこっちに向かって高速で泳いでくる。
レオンは銛を投げた。見事に口の中に入る。
「もう1本やるぜ、感謝しな!」
さらにもう1本、銛をデルラゴの口の中に向かって投げつける。
「グギャアア!」
多少失速したがそれでもなお止まらないデルラゴを見てさすがに驚いたが、底までのスピードはないので難なくかわすことができた。
そして、デルラゴは壁に激突した。
「うわっ!」
デルラゴが壁にぶつかったせいでできた波によって、あと少しで転覆だった。
勘弁してくれよ。
デルラゴの上から土砂が大量に降ってきた。おそらくさっきの衝撃だろう。
急いで撤退し、巻き込まれずに済んだ。
「デルラゴは・・・埋まったか。俺が手を下すまでもなかったか」
少し調子乗ったな、こいつ
「何だ?幻聴か?」
・・・・
さて、終わったからさっきの場所に戻ろうか。てかサムは何やってんだ?
ボートに乗りたいのか?
いや、乗ってるか。
なんで体育座りしてんだ?w
あ、エンジンのかけかたが分からないのか。
ま、どうせもう終わったこと・・・
「グギャアアアアア!!」
!!
デルラゴ、まだ生きてたのか!
振り返る
「デルラゴ・・・?」
そこにいたのは、デルラゴではなかった。
デルラゴはオオサンショウウオがプラーガに寄生されてできた生物兵器。
こいつは・・・蛙か?
蛙がプラーガに寄生され、生物兵器となった姿か。
大きさはボート2つ分になり、皮膚は腐敗し、ときおり開ける口から見えるのは、無数の舌。
「おいおい、こんどは蛙の化物か。サム!こいつの名前は?」
サムが体育座りをやめてボートから降りていた。桟橋から俺に向かって
「そいつもデルラゴだ!見たことないがな!」
確か、デルラゴというのは「湖からの」とかいう意味だったはず。だとしたらやはりこいつもデルラゴ。
間違いないな。
「サム!出来れば援護を頼みたい!」
「任せとけ」
桟橋から大きく手を振り返してくる。
よし、さっきは何もしてこなかったけど、今回は頼むぞ。
再びエンジンをかけ直す。
発進!
今、デルラゴ(以下蛙)は頭だけ湖から出ている。
轢いてみようかとも思ったが、さすがに無謀だからやめた。
コプン
蛙が完全に沈んだ!
止まっていると危険だな。
あれ?何も起こらない
「キシャアアアア!」
!
まさか!
「Noォォォ!」
サムのほうに向かっていった。
「・・・俺が手を下すまでもなかったか。」
sideサム
ジーザス!
これは予想してなかったぜ。
蛙だから陸でも動けるっていうことかい!
にしても気持ち悪いな~水をポタポタたらしているのとか本当キモい。
とりあえず焼夷手榴弾を取り出す
「乾燥しちゃえ!ホイッ」
蛙に向かって思い切り投げつけた。
蛙は避けもせず口を開けてバクンと飲み込んでしまった。そのあと、ボンッてなったが、蛙には効いていなかった。
「何てこったい・・・カービ○かよ、コピーとかすんじゃねえぞ。」
そのとき、遠くで何かが動いた
「・・・・・・!レオン!デルラゴだ!」
レオンが驚いたように振り返る。
「はは、生きてたか。第2ラウンドいこうか。」
奴はレオンに任せよう。
俺はこの蛙を相手にしなきゃいけないからな。
こんなこともあろうかと、新兵器、マシンピストルの出番だ。
「まずは足、いただくぜぇw」
ズガガガガガ!!
その瞬間、蛙が跳躍した。
弾丸は1,2初ヒットしただけで、残りは全て地球を撃ったことになる。
1,2発じゃ意味ないな。
着地の瞬間を狙ってまた撃つが、今度は蛙が横転する。そんなのありかよ。
蛙が口を開いた、無数の舌が伸びてくる。
「うお?!」
作品名:バイオの世界で武器商人に 作家名:グレートゴンザレス