バイオの世界で武器商人に
「ああ」
「「現時点で弱点は頭だ」」
そうとわかった瞬間、レオンはライフルに残り僅かな弾薬を詰めた。
俺は犬を優しく追い払い、礼も言っておいた。
ハンドガンでは少々火力不足だが、ライフルがまともに使えない俺にとって現時点でもっとも重要な武器だ。ちなみに、ショットガンは届かない。
寄生虫によって、触手だらけになった腕でエルヒガンテが殴ってきた。
コレをまともに、いや、掠ってもいけない。そう判断した俺は股抜けすることで攻撃を免れた。
しかし、太腿の内側からも寄生虫は居た。
「くそが!」
その部分を撃つ、返り血が汚い。
スライディングでそのまま振り返り、胴体に撃つ。
もう寄生虫だらけで、どこに撃ってもあたるような状態だ。
気持ち悪いぜ
そんな中、ライフルの弾がエルヒガンテの頭部を撃ち抜き、ついにエルヒガンテが膝をついた。
「レオン!俺に任せろ」
俺はマシンピストルを取り出した。
この寄生虫の量だと上れそうにもないので近距離からマシンピストルで蜂の巣にするという選択に至った。
ガガガガガガガガガ
ばちゃばちゃばちゃばちゃ
非常に汚らわしい音を立てながら弾け飛ぶ核の寄生虫。
エルヒガンテは倒れた。
と同時に寄生虫も全て死滅した。
「やっと終わったか。」
「ああ、この血をどうにかしてくれよ」
とにかくエルヒガンテ戦が終わり、教会に向かう2人だった。
そのとき、
ワン!
「「え?」」
犬がいた.
後ろを振り返った2人。そこには
「「犬?」」
ワン!
そこには、トラバサミに引っかかっていた犬。
そこをこの村に来たばかりのレオンが助けたというものだが。
想定外の事態になった。
「レオン君?君の犬じゃないかな・・・?」
「いやぁ、冗談きついぜ。どうせお前が無意識になつかせたんだろ」
ワン!
2人の前で尻尾をブンブンと振りながら舌を出し、キラキラした目でこっちを見てくる。
「サム、俺はアシュリーを連れるんだ。さすがに1人と1匹は守れるか分からない」
「つまり・・・どうしろと?」
当然じゃないか、といった表情で
「サム、頼んだぜ」
レオンの言葉を理解したのか犬が俺によってきた。
ちくしょう、可愛いじゃねえか。
「レオン、ならコイツに名前をつけてやってくれねえか?」
そうだな、というレオン
「名前か、そのままだが、勇敢という意味でブレイブ。どうだ?」
「・・・ヤダ」
レオンが驚いた表情になる。
今度は俺から
「ドイツ語で巨人という意味だが、ドゥラント。エルヒガンテ戦で助けてくれたからいいだろ」
(入力しにくいから俺がヤダ)
「?なんだ、否定された・・・?じゃあ、戦友って意味でヘルヴィン!」
(よかろう)
かくして、この犬の名前はヘルヴィンになった。
レオンは不服な表情でこっちを見てくる。
無視して先を急ぐ。
この村に来てから俺は約2日になるが、腹がいっぱいになったことはない。
犬のご飯、どうしようかな。
卵って大丈夫かな。
「レオン、教会に急ごう」
「ああ」
エルヒガンテから金を拾う。
分けるときに、少々論争が起きたが、半分こで論争は終結。
元来たつり橋を渡る。
俺、これすごい飛び辛いんだよね。
でも、こっちの世界に来てから身体能力の向上が見られるので、ギリギリ渡れるくらいになっている。
で、この帰り道に。
キャンキャン!
「コルミロスか・・・」
ヘルヴィン(以下ヘル)「ワンワン!」
こいつは何気に体力が高いうえに、戦闘力が以上に高い。
3体いるが非常に厄介だ。
「グルルルル、」
ぶしゃあ
1体のコルミロス(以下犬)の背中から触手が現れた。
それに続いて2体目の犬も触手を出す。
「犬はコイツだけで十分なんだよォ!」
俺はショットガンを取り出し、3体に当たるように発砲する。
犬軍団は吹っ飛び、起き上がる。
レオンもショットガンを発砲する。
1体が避けて、レオンに飛び掛る。
俺は2体の犬にショットガンの洗礼を浴びせ、レオン救助のために犬を蹴っ飛ばす。
犬「ギャフン」
2メートル程とんだ犬はそのまま地面に吸い込まれていった。
「レオン、気をつけろよ」
「ああ、助かった」
教会の扉前。
「よし、コレだな」
レオンが水晶を取り出した。
そういえば、鍵って丸い紋章じゃなかったっけ。
それが作者のミスだということはサムは気づいていない・・・
開いた
「綺麗だな、」
レオンは入るなり教会内を物色し始めた。
ついには2階に上り、シャンデリアを伝って反対側に上ってしまった。
俺はレオンがあの仕掛けを解いてくれると思ったので、上るだけにしておいた。
ちなみに、解くと俺の前にある柵が消える。シャンデリアまで飛べないから俺はここで待っているのだ。
ヘルは俺の背中にしがみついて梯子を上る。
「これは・・・」
レオンがスイッチを見つける。3色のそれは、遠くの同じ色のライトに関係があるのだろう。
ポチポチポチ
ガシャーン
ピカーン
ゴゴゴゴ・・・
解くの早ッッ!
レオンがアシュリーのいる扉の前に着く。
俺もその後ろにつく。
扉を開け、中に入った。
「イヤ!来ないで!」
アシュリーが叫ぶ。
「落ち着け俺は・・・」
アシュリーはレオンの呼びかけに耳を傾けず、鉄の棒を投げてきた。
レオンが避けた。
必然的に俺に当たる。
「なあっ!」
俺は仰向けに倒れた。
「えっ、あっ!ごめんなさい!」
アシュリーが俺らが普通の人間だということに気づいてすぐに謝る。
いいのだよアシュリー君、こうなることは大体分かっていたんだ。
「俺はレオン、あいつはサム、そこの犬がヘルヴィンっていうんだ。大統領の命で君を助けに来た」
「パパが!?」
やはり犬は女に人気があるようだ。もうすでにアシュリーの腕の中だ。
そして犬はもうアシュリーに懐いた。なんでこんなに人懐こいんだ。
「ああ、これから君を連れ帰る。絶対だ」
アシュリーは満足げな表情を浮かべた。
安心したのだろう。
「ねえ、サムって言ったっけ?なんでそんな格好なの?」
いきなり呼び捨て、だが大統領の娘だから許してやろう。
「俺は武器商人「嘘付け」・・・のフリをしているんだ。」
「フリ?変なの」
まあ、許してやる・・・
「そんなことより、早くここを出よう。奴らが来る」
「そうみたいだな」
ゆっくりとドアを開けるレオン。
それに続いてアシュリー、俺、犬の順で出る
全員が2階に下りた途端。
「その娘をこちらに渡してもらおうか」
来たか、カリスマ
レオンがアシュリーを腕でかばい、
「誰だ」
サドラーは
「私の名は、オズムンド・サドラー。この教団のカリスマだ。」
レオンが次いで問いかける。
「目的を言え」
「我が力を世に示すため。アメリカは宣伝に丁度いい。その娘に我らと同じ力を与え、そして返す。」
アシュリーが口を開く
「まさか・・・アタシ首に何かされたわ!」
俺も口を開く
作品名:バイオの世界で武器商人に 作家名:グレートゴンザレス