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千日紅

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「じゃから、そのな、ワシの世話を…」

しかし、核心を突かないうちに、畳に風車が刺さった。

「うわっ!」

「キャ!」

一同が驚く中、頭の上から男が降りてきた。
風車の弥七だった。

「御隠居、いくらなんでもそれはいけませんぜ。ねぇ?助さん?」

どうやら、光圀は美帆と千鶴をはべらして、男の欲望を満たそうとしていたようだ。
冗談にもほどがある。
それを見かねた弥七が助けてくれたらしい。

「弥七!びっくりするでしょ!」

「……まぁ、可愛くなったもんで。本当に助さんなんですかい?」

「うるさい!」

「やっぱり助さんだ。怒った時の眼が一緒だ」

「……」

何時も黙って影で見守る弥七は、物事の本質もよく見分けている。
改めて、助三郎と早苗は彼を尊敬したが、彼は少しふざけた一言を早苗に残していった。

「……格さん、美帆さんをしっかり捕まえておかないと、他の男に盗られちまいますぜ」

「へ?」

「では、これにて。ご隠居、スケベな野望は諦めてくださいよ」

すっと音もなく、弥七は天井に消えて行った。
その途端、光圀はうなだれた。

「あぁ、ダメじゃったか…… せっかく可愛いおなごと過ごせると思ったのにのぅ…」

光圀のとんでもない考えに驚き、呆れた兄妹二人の代りに、早苗がきつくお灸を据えた。

「御老公!変な考えはおやめください!これは私の大事な夫と義妹です!いいですね!」

「わかった。わかった。お銀で我慢する…… あれは肩も揉んでくれん。ただ見張っているだけじゃ。風呂を除くと湯をかけられる…… つまらぬのぅ……」

「そんなこと知りません!」


ウジウジする好色な光圀にあきれる佐々木家の面々だった。

作品名:千日紅 作家名:喜世