ギャグマンガ日和をいい話にしてみた
話によれば実はひっそりと既に裁判が始まっており、
判決までもう少しというところであの事件を起こして通報され、逮捕されたため、有罪判決が下った。
このままだと、いずれ性犯罪に発展しかねないとみなされたのだ。
うさみは当初ざまあみろそのまま栄養失調でやつれて骨だけになって、、、、、(以下略)としか思っていなかったが、
一ヶ月経つとと変わってきた。
誰もが最近なんとなくつまらないと感じてきた。無論うさみもそうだ。
それもそのはずだ。
彼の存在のおかげで、二週間に一回のペースで事件が起こり、うさみの推理が成り立ったのだ。
その彼が少年院送りになってしまっては事件を起こす者がいなくなり、うさみの頭脳も発揮できなくなってしまった。
(考えてみれば、通報した事のある人って、クマ吉君だけ?)
うさみはふと考えてみた。
彼女が通報し、警察に引き渡した相手はクマ吉以外いなかった。
クラス全員、また、担任のパン美ですら退屈さを感じていた。
このクラスには、変態紳士として悪評のみが重なり、虐めの対象に発展してもおかしくなかった彼が必要不可欠だったのだ。
彼がいなくなるとただ体の一部が変形する探偵が二人いるだけのクラスになってしまうのだから。
時は既に遅い。
「・・・うさみちゃんっうさみちゃんってば!」
「へっ?ああごめんニャン美ちゃん。何だっけ?」
「最近うさみちゃんがうさみちゃんらしくない事よ。
いつもなら二週間事件が起こらないと言うはずなのに」
『最近事件がなくてヒマねー』
彼女のお決まりの台詞だ。
彼女の欲求不満を表す名台詞だ。
いつもクマ吉やニャン美に向け言っていた言葉だ。
「言ったところで意味無いでしょ。
この台詞言えばクマ吉君が面白いように事件起こしてくれたけど、
その起こしてくれる人がいないんだから仕方ないじゃない」
そう。彼はうさみが欲求不満の時期に丁度事件を起こしていた。
もしかしたらそれは気遣いだったのかもしれない。
そしてその都度、クマ吉に殺人事件の被害者になれと無理強いをした。
うさみはもう昔の事のように感じていた。
もちろん冗談だったが・・・。
うさみはその時、はっと気付いた。
「どうしたのうさみちゃん!目が!目が怖いよ!」
うさみは一ヶ月ぶりにインスピレーションを働かせた。
クマ吉は自分の無理強いに答えて事件を起こしたのではないか・・・?
もしそうだとするなら、自分のせいだ。
「ううん。なんでもない」
くだらない。そう考えて、
その考えはすぐ打ち消そうとした。
しかし、なかなか消えなかった。
作品名:ギャグマンガ日和をいい話にしてみた 作家名:蔦野海夜