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ギャグマンガ日和をいい話にしてみた

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あれから更に一年経った。
クマ吉はあと一年で出てくる予定だ。
彼のことは一日も忘れた事はなかった。
うさみは中二になったばかりだった。
さすがに事件は起こらない。
インスピレーションもしばらく働かせていないし、
ペン助も歯茎を露出しなくてすんでいる為、小学校の頃よりは人気はあった。
彼氏のできたニャン美との付き合いももう長い。
クマ吉に対する想いは、誰にも話した事はない。
ニャン美に話したら絶交されるだろう。彼の一番被害に遭っていた人物なのだから。
それも元はといえば自分のせいだ。そう思うと余計にナーバスになった。
ある日、ペン助からメールで言われた。

『できたら付き合ってくれない?
 実を言うと転向してきたときから、気になっててだんだんその想いが強くなったというか・・・。
 返信はいつでも待ってます。』

かなりびっくりした。
まさか惚れられてるとは思っていなかった。
彼のことはまあ、よき友達としか思っていなかった。
私はまたかなり悩んだ。
何故年一回のペースでこんなに私を悩ませるのだろう。
私には二つの気持ちがあった。
一つはやはり、クマ吉を忘れられないと思う気持ち。

もう忘れて楽になりたいという気持ちだった。

ペン助は歯茎以外はいいところだらけだった。
基本的に優しくて、顔も通常バージョンだと結構整っている方だ。
彼と付き合えば、もう全て忘れられるだろう。
しかし、忘れるのは辛いのだ。
さすがに一年待ってくれというのは無理だろう。
私は悩んだ。こういう時どうするかは大体決まっている。

親友に相談するのだ。
「ニャン美ちゃん、ちょっと相談したい事があるんだけど時間、いい?」
「恋の相談?、良いよ」
恋の相談とは微妙に違うのだが、
私はペン助からのメールを見せ、話すべき事は全て話した。
「まあ、良いとは思ってるんだけど・・・」
「じゃあ、何で付き合わないの?」
女子というのはつくづく恐ろしい。
こういう事にはどういうわけか敏感だ。
そしてそういわれたら言葉につまる。

「・・・・・・・」

ニャン美は笑っていった。
「まだ好きなんでしょ?クマ吉君のこと」

ホントに女子というのは鋭いものである。
私は誰にも打ち明けなかった想いから、打ち明けられなかった理由も全て話した。
こうなったらそうするしかない。そういう状況を作り出してくれると、逆に話しやすくなる。
「つまり、私に嫌われると思って相談しなかったわけね。
 そんな心配しなくて良かったのに。
 うさみちゃんには色々お礼したかったし」
うさみは話した事で若干気が楽になった。
ニャン美ならいい答えを出してくれるかもしれない。
「大切なのは自分の気持ちに正直になる事だと思う。
 これは私の勝手な予想だけど、ペン助君も気付いてるんじゃないの。
 振るならさっさと振ってあげたら」
ニャン美の言葉は若干恐ろしい言葉のようにも思えたが、うさみはそのとおりにしたほうがいい気がしてきた。
どこか悩みが取れるスッキリした気分になった。
うさみは笑って言った。
「ありがとうニャン美ちゃん。
 楽になった。いい友達を持ててホントに良かった」
ニャン美は嬉しそうな顔をした。
「良かった。そう言ってくれると嬉しい。
 少し役に立てたかな?」
「うん!」

翌日、さすがに口頭は無理だったのでメールで返事をした。

『ごめんペン助君。
 かなり悩んだんだけど無理。ホントにごめん。
 できれば友達の関係を保ちたい。』

それから10分ほどして返信が来た。
かなりショックだったのだろう。

『返信送れてごめん。
 だよね。やっぱりクマ吉君が好きなんでしょ?
 どうせダメ元だったし。スッキリした。
 僕も正直彼のことはそんな悪い人じゃないと思ってたんだよね。
 帰ってきたら盛大に迎えてあげよう。』

うさみは、少し、泣いた。