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Fate/Zero ~MAKAISENKI~

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ランサーのマスターが治癒魔術をかけたようで、ランサーの傷が塞がっていく。

「つくづくすんなり勝たせてはくれんか、良いがな、その不屈ぶりは!」

「アイリスフィール、私にも治癒魔術を」

「かけたのよ。かけたのに、そんな…」

どうやら、アイリスフィールの魔術がセイバーに効果を表していないようである。
傷がまったく塞がらないのだ。




「治癒は間違いなく効いているはずよ。セイバー、あなたは今の状態で間違いなく完治しているはずなの」

「我が破魔の赤薔薇(ゲイ・ジャルグ)を前にして、鎧が無為だと悟ったまではよかったな」

隠す意味は無いと思ったのか自分の宝具の名を惜しげもなく口にしている。

「が、鎧を捨てたまでは早計だった。そうでなければ必滅の黄薔薇(ゲイ・ボウ)までは防げたものを」

「なるほど、一度穿てばその傷を決して癒さぬといわれる呪いの槍、もっと早くに気づくべきだった」

宝具の正体が分かれば英霊の正体にも気づくというもの。
魔を絶つ赤槍、呪いの黄槍といえば…

「フィオナ騎士団、随一の戦士…貌く顔のディルムット。まさか手合わせの栄に与るとは思いませんでした」

ディルムッド・オディナ…ケルト神話にて語られる英雄の一人である。

「それがこの聖杯戦争の妙であろうな、…だがな、誉れ高いのは俺のほうだ。時空を越えて英霊の座にまで招かれた者ならば、その黄金の宝剣を見違えはせぬ」

どうやら、ランサーもセイバーの正体に気づいたようだ。
何度も晒された黄金の剣、あれほどのものを持つ英雄は一人しかいない。

「彼の名高き騎士王と鍔ぜり会って、一矢報いるまでに至ったとは…ふふん、どうやらこの俺も捨てた物ではないらしい」

騎士王…イングランドで有名なかの円卓の騎士を束ねた。アーサー王、その人だ。

「さて、互いの名も知れたところでようやく騎士として尋常な勝負を挑めるわけだが、…それとも片腕を奪われた後では不満かな?セイバー」

「戯言を、この程度の手傷に気兼ねされたのでは、むしろ屈辱だ」

だが、左腕が動かないのも事実。この腕を治すには、必滅の黄薔薇を折るしかない。

「覚悟しろセイバー、今度こそは獲る」

「それは私に獲られなかったときの話だぞ。ランサー」

再び、互いに構え、ぶつかろうとしていた。その時

「な!」

「あ!」

突然、ランサーとセイバーの間に雷鳴が迸った。
それに続き何やら雄たけびが聞こえてくる。

「AAAAALaLaLaLaei!!!」

「戦車(チャリオット)!?」

アイリスフィールの言うとおり、かつて古代で使われていた戦車がセイバーとランサーの間に降り立ったのだ。

「双方、武器を収めよ。王の御前である」

戦車に乗った巨漢がその体にふさわしい大声で二人に呼びかけた。

「我が名は征服王イスカンダル、此度の聖杯戦争ではライダーのクラスで現界している」

その言葉に皆が唖然とした。

その頃、シンギは…

「ここも、違うのか…」

未だ迷走していた。

作品名:Fate/Zero ~MAKAISENKI~ 作家名:魔戒