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夜恋病棟・END

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「新しい大天使が現れたそうですよ。」
「…そうあるか。」
「確か、アーサーって名前でしたよ?」
「―――っ!!」

耀の金色の瞳にある瞳孔が更に細長くなった。

天使も悪魔も老いは在るが、何故か魔力が強い人は老いが遅く、そこらの天使や悪魔よりも二倍は長生きもする。
普通の天使や悪魔の寿命は500年。
つまり、1000年単位は生きられるのだ。

アーサーも耀も全く外見が変わってない。

菊は羽を六つ出し、普段の姿でいた。
金の瞳が眩しいほど輝き、瞳孔は細長く引き締まっていた。

「…そう、あるか…。」
「どうです?闘ってみたいですか?」
「んなのいらんある。」

菊の書類仕事の手伝いをしている耀は適当に会話を流して手を動かす。
今でも耀はアーサーを思っているのは明確だ。
幾ら耀を抱いた所で耀は心まで菊を許しはしない。
寝ている時も稀にアーサーの名を呼ぶ。
しかし忠誠心は厚いのだ。
やはり耀は菊のお気に入りだ。

「でも、逢いたいでしょうに。」
「五月蝿いあるよ。」

そうやって強がる所も好きで仕方がない。

「耀さん、大好きです。」
「はい、はい。」

菊は気付いていた。
あることをすると天使と悪魔が一緒になれる方法がある。
それを耀が実行しようとしているのを…。

作品名:夜恋病棟・END 作家名:菊 光耀