Fate/10 Bravely 二巻
赤い光が、まるで爆発したように大きく広がる。思わず眩しさに目をかばう。その光は一度爆裂したあと、収束するようにアーチャーの手元に集まる。そして一つになった光は、中の姿を形取る。
FN SCARの姿に。
「お?おぉぉぉぉぉ!?」
「フ、これが我が第二の宝具、「新しきは力なり(ニューエイジ・ガイド)」よ。余が使えると認めたものは、何であれ余の宝具となる。更にそれがこのような銃ならば、実体化させたうえで「王の掃射」に配備できる。ちなみに、もう配備は完了しておるわ。」
フハハハハとアーチャーは高笑いをする。そしてまるで新しいおもちゃを買った子供のように、その銃をくるくる回しながら弄り倒している。天城はもはや放心するばかりである。
やはり、この男は日本史に名を残す焦土王である、と。
天城の頭からは、完全に図書館で出会った二人の女性のことは頭から吹っ飛んでいた。
本をとってあげた車椅子の少女が、ファイターのマスター、ロゼッタ・ヴァジルールであることも。
雑誌コーナーで立ち読みしていた少女が、昨日交戦したディフェンサーのマスター、チェーシャ・キャロルであることも。
水晶の魔術師はまだ気づいていない。
作品名:Fate/10 Bravely 二巻 作家名:AsllaPiscu