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ヨコハマ大戦

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後編 「追撃」



 ロボット狩りが始まったころ、丸子はいち早く
ムサシノの国を脱出し、海を渡り茨城の国へ着いていた。
(アルファさんとココネさんはどうしてるだろ。 
ナイには知らせておいたけど、あの2人に連絡とろうとすると監視にひっかかるしなあ)

 さてこれからどうしようかと歩いていると、無精髭の男が話し掛けてきた。
「ねぇちゃん、どこ行くの?」
(う、うさんくさそうなやつっ 無視無視)
「ねぇちゃん、シカトとは冷てえなぁ。 …あんたロボットの人だろ…」
(しまった!追っ手!?)
「安心しな、俺は味方だ。だがこんなとこ歩いてっとやつらに見つかんぞ。俺が信じられるならついて来な」

 丸子はしばらく考えたのち、男についていくことにした。
「いったいどこ行くのさ」
「この近くに俺たちのアジトがあるんでな。そこに向かってる」
「そういや名前言ってなかったね。私は丸子マルコ」
「俺はアヤセ。カマスのアヤセだ」

 アジトの中には数名の人間がおり、みなそれぞれなにかしらの機械を動かしていた。
「いったいあんたたちは何者なのさ」
「順を追って説明するから待ってくれ。まず今行われているロボット狩り、あれはAAAという反ロボット団体がしくんだものだ。やつらはもともと地下組織みたいなもんで、主にこの島の東側の国で活動し、民間企業の裏から表舞台にちょっかいをだしていた」

「そこにあの事件だ。やつらはあれを利用して
民衆を煽り、ロボットは危険だという世論を持ち上げた。あの自警団の組織化の迅速さをみても、予め用意されていたものと考えられる。やつらの狙いは最小限のロボット以外の抹殺だからな。特に今回は、A7M2という機種がキーになっているらしい」
「A7M2…アルファさん…」
「おめえアルファを知っているのか!」
「あんたも!? ねえアルファさんたちは無事なの!?」
「わからねえ 俺も気にはなってたんだがあっちは警戒が厳しくてどうにもならなかった」
アヤセはアルファの家であるカフェアルファ近辺の出身で、アルファと知り合いの流浪者である。

「で、俺らはそのレジスタンスってわけだ。今度はこっちがアングラ組織だがな。ロボット開発に協力した人たちが指揮を執ってくれている」
「俺たちの目的はAAAと自警団の壊滅、拉致されているロボットや人間たちの救出だ。何か質問は?」
「いや特にないよ。わかんないことがあったらそのとき聞くから」
「ああ? ってことは?」
「私をこの組織に入れてくれる?」
「もちろんだ!」

「ところでおめえ最初に会ったとき、よく俺についてくる気になったな」
「罠ならあんたみたいなうさんくさそうな見かけの人間を、わざわざよこさないと思ったからね」
「はは、ちげえねえ」

 だが和やかな雰囲気はここまでであった。アヤセが渡された紙に目を通すと、いきなり
表情が厳しくなった。
「何? 何が起きたの?」
丸子がアヤセから受け取った紙にはこう記されていた。
『A7M2の居住する「カフェアルファ」襲撃さる。依然武装隊がおり詳細確認は困難』

そのころ、アルファの知り合いのタカヒロとマッキが浜松から飛んできていた。
彼らはかつてカフェアルファの近所に住んでいて、今は2人の子供のサエッタと浜松に住んでいた。
「あー、すっかり出遅れちまったな。この水上機が使えなかったらどうなってたことやら」
「だってしょうがないじゃない。サエも預けなきゃならなかったし、いろいろ準備も必要だったし」
「だいたいマッキの荷物が多すぎんだよ」
「タカヒロの武器だって、こんなに多いとは思わなかったよ。これなんか大きすぎ」
「救命装置は要ると思ったんだよ……なあ、アルファたち無事かな」
「いまはココネさんと一緒に住んでるって言うし、いざとなったら2人でどっかに隠れてるっしょ。それにナイも行ってるし」
「ああ、そうだな… それじゃちっと急ぐか!」

 アヤセと丸子は秋葉原に来ていた。
「ねえ、ほんとにこんな水没都市にAAAの
本拠地があるの?」
「UFXてえでっけえビルの中にある。もっとも主要な機能は水没部分にあるけどな」
「場所がわかってるんなら、攻撃すればよかったのに」
「AAAの詳細がわかったのが、やつらが動き出してからだからな。しかもそのころにはやつらの勢力は、かなり大きくなっていた」

「それで私たちは何すんの」
「アルファの救出だ」
「ええ? 私たち2人だけで? それよりなんでアルファさんがここにいるって…」
「ここにつけた監視カメラの画像を解析した結果、アルファらしいロボットと、女性型ロボット1体、男性型ロボット1体が運び込まれたらしい」
「まさかココネさんとナイ…」
「だから急がねぇとみんな殺されるか実験材料にされちまうんだよ!」

「一応銃は扱えるって言ってたな。これを使え」
「う、うんわかった」
「どうやってここに入るわけ?」
「このケーブルでクラッキングして、監視カメラやドアの鍵をぶっ壊してくれ。セキュリティに気をつけてな」
「なるほどね。このために私を連れて来たんだ」

 クラッキングに成功し、2人は注意深く建物の中へ入って行った。
しかしどこにも人の姿は見えない。
「拍子抜けだな。まあとにかく下に降りていこう」
途中の階を調べながら、2人は階段で降りて行った。
「ほんとに人っ子一人いないね。もうすぐ下に着いちゃうんじゃないの」
「待った! この階からエネルギーが大量に漏れている。ここを調べよう」

 階段からフロアに入ると照明が明々と点き、何かうなるような音が聞こえてくる。
さらに進んでいくと、医療ポッドが2台置いてある部屋があった。
丸子がポッドの中を覗く。
「ナイ! それにココネさん!」
「知り合いか?」
「うん。でもアルファさんがいない…」
「ああ、アルファも探さないとな。」

「やっとご到着ですか。待ちくたびれましたよ」
突然背後から男の声が聞こえた。
振り向くと白衣の男と十数名の武装兵がいる。
「うまく入り込んだつもりでも、私たちには筒抜けでしたからね」

「A7M3の方は実験に使うので生かしておいてください。男の方は使い道がないので処分しますか」
「は、了解しました」
「くっ」
アヤセが鉄砲を構えるが、それより早く銃声が鳴り響く。
「アヤセ!」
「だ、大丈夫だ。右手の甲をやられただけだ」
「それじゃ皆さん、あとを頼みましたよ」
「まて! アルファをどこにやった!」
「アルファ? ああ、あのA7M2ですか。彼女は別室でていねいに調査させてもらってますよ。しかしいまさら彼女の居場所を聞いても無駄でしょう。あなたはここで死ぬのですから。」
「ま、待て!」

 武装兵たちがじりじりと近づき、一斉に銃を構える。
アヤセは観念して目を閉じた。そのとき
パパン! パパン!
別な銃声が聞こえた。
アヤセが目を開けると、武装兵の何名かが倒れている。
武装兵たちはあわてて銃声のした方に銃を
構えるが、その瞬間逆方向から狙い撃ちされる。
「マルコ!」
アヤセの声で我に返り、丸子も物影から武装兵を撃ちまくる。
3方からの攻撃に、武装兵はあえなく全滅した。

 入り口から女性が現れた
「いや、ほんとに助かったぜ。どこの支部のやつだ?」
作品名:ヨコハマ大戦 作家名:malta