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ヨコハマ大戦

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「アヤセ、私がわからない? ていうか忘れちゃった?」
「え? …まさか…」
「マッキだよ」
「マッキ! あの小さかったマッキか!」
「俺もいるよ」
「タカヒロだよ」
「タカヒロもか! なんでおめえらが!」
「説明は後。早くアルファさん見つけよっ」
「あ、ああ。そうだな」

 アルファはほどなく見つかった。
彼女は調整槽の容器に入れられ、体には無数のコードが接続されていた。
助けだそうとしたが、何かのフィールドで覆われているらしく、容器に触れることができない。
それに部屋の奥から、例のうなる音が聞こえてくる。

 中を調べようとタカヒロが近づくと不意に電撃を浴びた。
「タカヒロ!」
「いちち、大丈夫だ。それよりも奥に何かいるぞ」
「おやおや、あの状況から脱出したのですか。悪運の強いお方だ」
「きさま! さっきの!」
「A7M2の解析もほぼ終わり、後はEXCのコピーの接続性を調べるだけだというのに、迷惑な人たちだ」
「EXC?」
「エネルギー・クロス・コンバータ。ロボットたちの動力源ですよ」

「ただA7M3に実装されているものは、コストダウンのためかなり出力が抑えられてましてね。我々の要求するスペックを満たさないんですよ」
「残された資料によると、出力はA7M1が最大らしいのですが、個体自体が存在するのか不明なので、3体造られたことが確実なA7M2を探すことにしたのです」

「それで見つけたのがアルファってことか」
「さあもういいでしょう。あとは天国で誰かに聞いてください」
「ま、待て!」
男の体から電撃が放たれる。
「ぐわ!」
「くっ、う、撃て!」
パパン! キン!キン!
「弾が跳ね返される…」
男の電撃は容赦なくアヤセたちを襲い続ける。

『(タカヒロ… タカヒロ…)』
「くっ… え? アルファ?」
『(調整槽につながっているコードを切断して…)』
「わ、わかった」
電撃をかわしながら、タカヒロはコードを切断していった。
『今すぐ電撃を止めなさい』
「アルファ?」
「アルファさん?」
「おやおや再起動してしまいましたか。しかしその中では動けないでしょう。目覚めなければ生体パーツ等のバックアップ用として、生かしておいてもよかったのですが、仕方ありませんね。もうあなたも用済みです」

『そうはいかないわ』
「う、これは…?」
アヤセの持つエネルギーカウンタの値が急激に増大し、アルファの体が青く輝き始めた。
「なるほどこれがEXCの力ですか。ですがこのままエネルギーを放射し続けると、あなたのお仲間も消えてしまいますよ?」

『それはどうかしら』
「光の帯が…私に向かってくる。私だけに… な、なぜだ…」
男は青い光に包まれ、消えて行った。
「やったー!」
「よし、もうこんなところに用はない! あの2人を連れて早く脱出しよう!」

「そうはいかぬ」
突然部屋の奥が崩れさり、巨大な電子脳が現れた。
「我はV30MKII。アルファ型のはるか前に開発されたロボットだ」
「そんな骨董品がなんでこんなところに…」
「人間は我を造った。だが我の動作には著しくエネルギーを消耗するため研究ははかどらず、やがてプロジェクトは消滅し我は打ち捨てられた」
「恣意により我を造りまた破棄した創造主を我は憎んだ。そしていつの日か好機が訪れるのを待った」

「ある日1人の男が好奇心から我を甦らせた。そして我は知った。人間はアルファ型という
ロボットを完成していたことを」
「それから我はいろいろな研究を始めた。ロボットの構造、そして人間の構造もだ」
「そのため今ではこのようなことも可能だ」

 電子脳からビームが発射され、タカヒロに当たった。
「殺せ」
タカヒロはうなずくと発砲し始めた。
「タ、タカヒロ、やめて!」
「やつは人間を操れるのか!」
『無駄よ』
アルファはタカヒロに光を照射し、タカヒロは床に崩れ落ちた。
「タカヒロ!」
『マッキちゃん、大丈夫。気を失っているだけだから』

「あくまで我の邪魔をするつもりか」
『あなたはもう自分で自分を完成させられるはず。だったら人間もアルファタイプも関係ないじゃない。それに完成したあなたの能力を見れば人間も納得すると思うわ』
「我はもうそんなことは望まない。我の望みは人間の支配だ」
『…戦うしかないのね』

 再びアルファの体が青く光り始めた。
だが今度はアルファの光は収束し、電子脳に向かって行った。
「光を収束させたか。しかし無駄なことだ。おまえの最大出力を持ってしても、我を破壊することはできぬ」
「これが最大か? 今度は我の番だな……
む? なぜだ? 出力がまだ大きくなっていく…」
過負荷のため電子脳の筐体が次々と爆発していく。
「我は…無くなるのか…こんなところで…」
「う…あ…ワレは……ワタシは本当は人の役に立ち…たかっ…た」

「やったの?」
「反ロボット団体の黒幕がロボットだとは思わなかったな」
「ちょっとかわいそうなやつだったね」
『丸子さん』
「え? アルファさん、何?」
『エネルギーを送ってくれてありがとう。わたし一人の力じゃ勝てなかった』
「ふふ、私もやるときゃやるのさ」

「さ~て帰んぞー!」
「タカヒロ起きなよ。帰るよ!」
「むぇ。え、なに?」
「ねえ、この調整槽どうやって開けるの」
「この穴にコード差込みゃできんじゃねえか」
「ちょっと待って。タカヒロとアヤセはあっち向いて!」
「なんだよ。さっきから見えてんだから同じじゃねえか」
「あいかわらずやらしいなこのおっさんは!」

 無事アルファは調整槽から解放された。
「みんな、ほんとにありがとう…」
「何言ってんだよ。アルファがいなかったらこっちこそやられてたよ」
「ココネとナイは?」
「大丈夫。別な部屋で医療ポッドに入ってる」
「あと、その、…おじさんと子海石先生は?」
「その2人も大丈夫。水上機でカフェアルファについた時はおじさんたちが倒れててびっくりしたけど、救命装置使ってたらかながわ支部の人たちが来たんで治療をお願いしてきた」
「よかった。2人とも無事なのね。本当によかった」

「ん、カフェアルファに敵はいなかったのか?」
「いたけどマッキと2人でやっつけた」
「それでそのあとかながわ支部の人たちにここを聞いてきたの」
「おめえら、武器の調達といい扱いといいいったいどこで…ああっ、おめえらもレジスタンスか!」
「あれ、言ってなかったっけ? ナイも入ってるし」
「私はムサシノ運送時代に銃の撃ち方教わってるから」
「おめえらに助けられるようになるとはなあ」
「何か言いたいの?」
「いや、何も」

 ナイとココネを救出し、一行は地上へ戻った
だが地上で待っていたものは、水上に浮かぶ潜水艇であった。
「な、なんだありゃ」
「まさか味方ってことはないよね」
「あんなもんは見たことねえ」
「さっきのが最後の黒幕じゃなかったの?」
「多分AAAの残党だ」
「タカヒロ! なんか武器ないの!?」
「もうほとんど使い果たした…」
「…アルファ」
「ゴメン。もうエネルギーがほとんどないの」
「私も歩くのが精一杯なんだ」
「なんか潜水艇の発射口が開いてないか?」
「ってことは?」
「逃げろ!」
作品名:ヨコハマ大戦 作家名:malta