Muv-Luv MSigloo 1 日本帝国秘録
第4話 青光は雷をも呑み込んだ(前編)
1996.7.24
皇居
僕は今日、政威大将軍である煌武院 悠陽に呼ばれここ、皇居に来ている。
何の話かはわからないのだが・・・
同席しているのは 斯衛の高官と思われる中年の男。
初めに口を開いたのは陛下だった。
「オリヴァー・マイ技術特佐、そなたに頼みがあるのです」
「頼みとは?」
「・・・そなたに斯衛軍専用のMSを製作して頂きたいのです」
「どのような機体を所望で?」
「それはこの私、初村が答えよう」
初村となのる彼は、予想通り斯衛軍の総司令らしい。
「我が斯衛軍は陛下をお守りすることが一番の使命としている。しかし、戦術機ではそなたの開発したMSには対抗できない、と判断したのだ」
なるほど。それなら納得がいく。
「そこで、MSの第一人者であるそなたに斯衛専用の機体を開発してもらおう。ということで・・・」
・・・成る程。それならば・・・
「それでは、こちらはいかがでしょう?」
「これは・・・何と申す?」
「MS-07B3、グフ・カスタムといいます。この機体ならば基本機構はMS-06に類似しているので短期間で量産が可能です」
「機体の特徴は格闘能力の高さと、機動性能の良さです」
「ほう?」
「又、射撃武器に関してもガトリング・シールドという独特の銃器を使用可能です。しかし・・・」
「しかし?」
「かなりの熟練兵でなければ乗りこなせません」
「ふむ。玄人好みの機体というわけか。気に入った」
「では・・・・・」
「うむ。開発してくれないだろうか」
「勿論です。それに・・・」
「?」
「こんなこともあろうかと、既に三機ほど製作しております」
「ふっ、さすがはマイ技術特佐。見直したよ」
こうして、斯衛軍専用機、MS-07B3の生産予定が決まった。
作品名:Muv-Luv MSigloo 1 日本帝国秘録 作家名:mkmk0829