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図書館戦争 堂x郁 郁記憶喪失(堂上視点)

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クリスマスが近づき、業務部の仕事も忙しさを増している
堂上班もクリスマス行事に駆り出され、毎日慌ただしく過ぎて行った
そんな時、玄田が堂上に声を掛ける
「堂上!娘っ子の様子はどうだ?」
「ええ。相変わらず子供たちに人気で、毎日動き回ってますよ」
堂上は読み聞かせをしている郁の姿を思い出しながら、玄田に報告した
「ガハハハ!そうか!流石娘っ子だな!
 だがそろそろ身体が鈍ってきてるんじゃないのか?
 娘っ子は特殊部隊隊員だからな!久しぶりに訓練でもやるか!」
俺が付きっきりで指導してやるぞ!などと恐ろしいことを言いながら、堂上の背中を容赦なく叩く
堂上はゲホッゲホッと咳をしながら、玄田を睨み付け「手加減してください!」と言うと
「明日、堂上班、進藤班、青木班は訓練日に変更!
 堂上は訓練メニューを作成しろ!」と言って隊長室へ戻って行った
勘弁してくれ!と思いながら、それでも玄田が言い出したら誰も止められない
堂上は小牧に連絡し「シフト変更を頼む」と伝え、進藤、青木両班長に明日は訓練になりましたと伝えた



堂上は訓練準備の為、早めにグランドに出ると
郁が戦闘服に身を包み、訓練塔に背を向け佇んでいた
堂上が近づくと、郁は振り返り「おはようございます!堂上一正!」と声を掛けながら近づいてくる
「ああ。おはよう。早いな」と言うと「えへへ。なんか興奮しちゃって目覚めちゃったんです」と言って
ニコニコ笑っている
「阿呆ぉ!訓練だからって油断していると怪我するぞ!」 
「はい!笠原精進します!」と敬礼し「私、タオル忘れちゃったので取りに戻りますね」と堂上に告げその場を去っていった

「あれ?笠原どうしたの?忘れ物?」などと後方から小牧の声が聞こえてきた
堂上は何食わぬ顔をしながら、今日の訓練に必要な準備に取り掛かった



午前中はハイポート、リペリングを行った
郁はブランクを感じさせない程の動きを見せた
午後は格闘訓練の為、柔道着に着替え、道場に集合した
郁の表情を見て、少し疲れが出てるか?と思ったが、郁に聞くと「まだまだ大丈夫です!」と元気な返事が返ってきたので
頭をポンポンと叩き「無理はするなよ」と伝えた

道場には玄田が仁王立ちで待っていた
「よし!集まったな!これから格闘訓練を開始する!笠原は俺と組め!」
と言って、郁を引きずるように連れて行く
郁も「えーーー隊長とですかぁーー」と言いながらバタバタと付いて行く
「笠原、大丈夫でしょうか・・・玄田隊長が手加減しても脳震盪は免れないかと・・・」
手塚が怖々と小牧と堂上に伝える
「んーー大丈夫じゃないの?」と呑気に小牧が返事すれば「まぁ〜なんとかなるだろう」と堂上も答えた

各自ペアとなり格闘訓練が始まった
その瞬間、ダーーンと大きな音が響き渡った
「何だ?」と堂上と小牧は目を合わせた後、音の合った場所を見る
そこには、床に大の字で倒れながら玄田がガハハハと笑っていた
「あのぉ〜すみません。大丈夫ですか?」と郁が玄田の横に座り謝っている
「流石笠原だな!大外刈りの切れはいいな!」と笑いながら郁の頭を容赦なくガシガシなでる
「やーめーてーーー首がもげるーーー」と玄田の腕を取り抵抗するが、一向に止める気配はない
堂上は玄田達の方に近づきながら「いい加減起き上がってください!」
と言って郁の頭を押さえている腕を掴み、玄田を起き上がらせた
郁はグチャグチャになった髪を手櫛で整えながら立ち上がった
「まったく・・・」とため息を付き、一度郁を振り返った後、小牧の元へ戻った

「凄いね笠原さん。隊長を投げと飛ばしちゃったんだ」と笑いながら堂上に話しかける
手塚は「信じらんねぇ〜流石熊殺し・・・」と呟き、それを聞いた小牧がヒーヒー笑いながら畳の上で転がっている
堂上は「お前は一生転がってろ!」と小牧の背中を蹴り飛ばし、使い物にならない小牧に代わり、手塚と訓練を再開した

格闘訓練が終わり、それぞれが更衣室に戻る中、郁は堂上に声を掛けた
「堂上一正!お疲れ様です!」ニコニコしながら走ってくる郁に一瞬後ずさったが、気を入れ直して「ああ。お疲れさん」と答えた
「あのぉ〜ちょっとお時間頂いても良いですか?」と郁が言うので「ああ。構わんが何だ?」とぶっきらぼうに答えた
「あのですね!寝技を教えて頂きたいんです!」と満円の笑みで言われ「ハァ?」と声を上げた
「さっき小牧一正に話したら、堂上一正の方が寝技が得意なので、聞いてみたら?って言われたので・・」

モジモジしながら郁は堂上に告げると、堂上は肩手で顔を押さえながら、どうしたものか・・と考えていた
ここで断れば、他の奴に同じことをお願いするだろう
しかも寝技だ!例え道着の上からとはいえ、かなり密着する
他の奴が郁に触れるなんて考えたくもない!

堂上が何も答えないため、郁は「すみません・・他の方に聞いてみます」と踵を返そうとしたので「分かった!俺が教える!」
と郁の腕を取り告げた
郁も「良かった・・」とポツリと呟き、「それじゃ明日の業務後でも構いませんか?」と聞いてきた
堂上は「ああ。道場の鍵は俺が受け取ってくる」と言って、更衣室へ向かった

「小牧の奴・・・余計なこと言いやがって・・・」
堂上は黒い魔王に向かって良いように遊びやがって!と悪態と付きながら訓練速度で歩いた