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図書館戦争 堂x郁 郁記憶喪失(堂上視点)

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公休日当日、郁を除く堂上班のメンバー+柴崎は、お見舞いと様子を兼ねて病院へ向かった
病室には未だ眠り続ける郁と、手を握りながら看病する寿子、備え付けのソファーに寄りかかる克宏
が出迎えた

克宏は立ち上がり、堂上と小牧、手塚、柴崎へ挨拶した
堂上は克宏へ「病状は如何でしょうか?」と尋ねると
「熱は下がりましたが、意識がまだ無く、今はただ眠っているようです」
と答え、視線をベットの方へ戻した

すると、寿子が「郁?」と声をかけた
克宏は「どうした?」と言って寿子の元へ行く
寿子は少し戸惑いながら「今、郁の指動いたの・・」と克宏へ伝えた
克宏は「郁?郁?」と話し掛けると、郁の目が薄らと開いた
寿子は郁の手を握りしめながらベットに伏し、肩を震わせながら「よかった・・・本当によかった」と
呟いた

堂上も他のメンバーも一安心した時
郁がまだ焦点のあってない目を彷徨わせながら、堂上の方を見た
そして、克宏と寿子を見た後、掠れている声で言った

「あのぉ〜ここどこですか?あなたたちは誰ですか?」

堂上は一瞬聞き間違えかと思った
克宏も寿子も目を見開き、郁の顔を見る
郁は少し首を傾け「何か?」と言う表情をしている

「とりあえず、お医者様を呼んできます」
柴崎は手塚を連れて、病室を出て行った

堂上は動けず、ただ郁を見ながら固まっていた
小牧が「堂上・・」と肩を揺すったが、堂上は息をすることを忘れた程立ち尽くしていた



医師が検査した結果、高熱による記憶障害と判断された
脳波には異常なく、体調も回復傾向にあり、記憶障害以外の問題点は見つからなかった
記憶はいつ戻るか分からなかった

郁は両親、そして堂上達のこと、すべてを忘れていた
自分の名前さえも分からない

克宏と寿子は、自分たちが郁の両親であり、
堂上達は職場の上司、同僚だという説明をしたが
郁は「そうですか・・・」と答え自分の両手を見つめながら答えていた

「あのぉ〜・・・」
と言って堂上の方へ視線を向けた
多分、名前が分からないのであろう
堂上は静かに「・・堂上です」と答えると
郁は「すみません」と苦笑いをし
「堂上さん、私の直属の上司なんですよね?」と伝え
「えっと、記憶が無いので、職場の皆さんにご迷惑を掛けすると思います。
 もう一度覚え直しますから、職場に復帰するのは少し待ってもらってもいいですか?」
郁は上目使いで堂上に伝えると、寿子が「何言ってるの!」と遮った

「記憶を無くしているのなら、もう一度考え直して頂戴。
 こんな危険な職場に娘を置いておけないわ
 いい機会なんだから、図書隊員を辞めて実家に戻ってらっしゃい!」
寿子は郁の右手を自分の両手で包みこみ、郁の目を見て話した
郁は何でそんなこと言うかな?と寿子を見た後、克宏の顔を見上げた

「母さん、今そんな話をしなくていい。
 郁も戸惑っているじゃないか」
克宏は寿子の肩を揺すり、気を落ち着かせようとする
寿子は郁の手を離さず、無言のまま頷いた

長い沈黙を破ったのは、堂上だった
「笠原三正の件は、休職扱いとさせて頂きます。
 そのうえで、除隊を希望する場合は再度ご連絡ください」
「堂上!」
小牧をチラリと横目で見た後、続けて克宏と寿子に言った
目線は郁に向かって・・・
「記憶が戻らずとも、本人の意思で復帰する場合もご連絡ください
 もちろん防衛部ではなく、業務部として復帰を望む場合は
 異動申請が必要になりますが、今回は特例で処理できるかと思います。」
一拍置いて、克宏が「分かりました」と頭を下げた

堂上は小牧、手塚、柴崎を連れて病室を後にした