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図書館戦争 堂x郁 郁記憶喪失(堂上視点)

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郁は柴崎に館内を案内された後、閲覧室で本を読みながら閉館まで過ごしていた
案内されている途中で、柴崎に「今日皆で食事に行きましょうね」と言われたからである
館内に閉館を告げるアナウンスと音楽がなり響く
郁は もうそんな時間?などと思いながら本を棚に戻し、外に出た

暫くして私服に着替えた柴崎がやってきた
「あんた今日泊るところ決めてないでしょ?今夜は寮室に泊りなさい」などと言って
近くのベンチに腰掛けた

他愛もない話をしながら待っていると
同じく私服に着替えた堂上達が近づいてきた

「それじゃ行きましょ?」と言って郁の左腕に自分の右腕を絡ませ柴崎は目的の居酒屋に
向かっていった
堂上達も何も言わず、その後を付いていく

「堂上、眉間の皺すごいよ」
と言って小牧はクスクス笑いながら話かける
「煩い!放っておけ!」と言って、前を歩く郁と柴崎を見ていた

一か月ぶりの郁の姿
記憶がなくとも無意識に上目使いをし、話し方も変わっていない
声を聞けて嬉しい半面、複雑な気分でもあった
今、目の前にいる郁は記憶を無くす前の郁ではない
郁の目には、俺はどう映っているのか
ただの職場の上官

怖い・・郁に他人として見られることがこんなにも怖いとは
堂上は頭を軽く振い、何も考えずに接しようと思った

平日でもある為、店内は比較的空いており、丁度6人用の個室に案内された
郁は一番奥、その隣に柴崎
郁の向かいには小牧、手塚、堂上と腰を掛けた

手塚は上司である堂上をテーブルの端に座らせるのは失礼だと思い
「自分が端に座ります」と言うと、堂上は肩手でそれを制止、「構わん」と一言言って席についた

次々と料理が運ばれ、郁はウーロン茶を肩手にぱくぱくと食事をしていた
柴崎や小牧は他愛も無い話をしながら、そんな郁を気遣うように見ていた
時折、手塚が「お前・・ホント良く食うなぁ」と呆れたように呟くと
「ごめんなさい・・お腹すいちゃって」と言ってしゅんと肩を落とす
賺さず小牧は「いいよ。気にしないで。もっと沢山食べていいからね」と言い
柴崎は「手塚、あんた黙ってなさい」と一喝され、手塚も肩を落としていた
そんなやり取りを堂上は見ながら、苦笑いをしていた

郁のお腹も落ち着いた頃、郁は記憶が無くなる前の自分がどのような人物だったのかを
聞き出していた
柴崎は面白おかしく「ダダ漏れ、純粋培養純情乙女・茨城産」などと言い
小牧も上戸の世界へ旅立って行った
手塚は「無鉄砲で落ち着きがなく、考える前に行動する」と話し、郁が「えぇ〜そうなの??」と
言って「ごめんなさい」と顔を赤くしていた

暫くすると、郁は堂上の方を見て「堂上さんから見て、私はどういう部下だったのでしょうか?」と
質問してきた
堂上は一瞬固まったが、すぐに復活し「案件を脳まで持っていかず、脊髄で行動していた」と
告げると、郁は「手塚さんと同じじゃないですか・・」と言って「私って役に立ってなかったのかな?」
などと言い始めた
上戸の世界から復帰した小牧は
「そんなことないよ。笠原さんは隊内でも不審者の確保率高いしね
 自慢の瞬発力と持久力で大活躍だし
 シェパードにも勝っちゃうしね」
と自分でおきながら、笑い出し「やばい・・腹膜が・・死ぬ・・」と言ってひっくり返っている
堂上は「勝手に死んでろ!」と言って、ビールを飲み干した

郁は「これ以上は聞かない方がいいかも・・」などとブツブツ言った後、
話を変えるべく柴崎に向かって口を開いた
「柴崎は彼氏とかいるの?」
首を傾げ左側にいる黒髪美女に向かって聞いた
柴崎は「はぁ?」と言った後「私みたいな美女に釣り合う男性なんてそう居ないわよ」と言って答えた
郁は「そうか・・美人も大変なんだね」なんて答え、手塚の顔を見る
手塚も「俺は居ないぞ」と言ってそっぽを向いた
続けて上戸の世界に旅立っている小牧を見て「聞くのは無理かな・・」と呟いた後、堂上と目が合った
堂上は暫く沈黙した後「・・・俺も居ない」と言って席を立った
「どこ行くの?」と復活した小牧に聞かれ「トイレだ!」と言って個室を後にした

彼女は居ない・・・否、今は居ない
思い人たる彼女は居るが、今自分の目の前にいるのは違う女性
正直、本人からきかれるとは思わなかった
本人目の前い「居ない」と答えた自分を軽く呪った

席に戻ると、復活した小牧と柴崎が楽しそうに郁と話している
どうやら彼女彼氏話は終わったようだ
若干手塚がグッタリしている様だが、何か柴崎にでも言われたのだろう
このまま放って置いてもよさそうなので、気付かない振りをし席にに着いた

「明日、堂上班は公休ですよね?
 折角笠原も居ることだし、久しぶりに遊びに行きませんか?」
柴崎はここぞとばかりに提案をしてきた
小牧は「毬絵ちゃんもいい?」と言って行く気満々だ
手塚は俺の意見なんて聞いてないだろう?という体で柴崎を見ていた
柴崎は堂上の方を向き「いいですよね?堂上教官」と言って返事を催促してきた
「ああ。いいんじゃないか?」と言うと、郁も「わぁ〜嬉しい!どこ行くの?」と柴崎と明日の相談をし始めた

何だかんだと話していいる内に、ドリンクのラストオーダーになった
郁はウーロン茶を、他4名はビールを追加した
「明日はショッピングと、映画もいいわね。
 立川に新しいケーキ屋が出来たの。そこ行ってみる?」
などと楽しげに話し、郁も「ケーキいいね。甘いの大好き!」などとニコニコしながら話している

見た目は変わらない
声も表情も、仕草さえ変わらない
違うのは記憶がないことだけ

堂上はそんな郁を見ながら、店員が運んできたドリンクを皆に渡し
小牧の音頭で「じゃ、最後だけどもう一度乾杯しよう?」などと言い
飲み物を含んだ

喋り過ぎて喉が渇いたのか?
郁はウーロン茶をグラス半分まで飲み干した後、急に顔が赤くなり焦点が合わなくなった
手塚は「おい!笠原!大丈夫か?」と声を掛け
柴崎は郁の手からウーロン茶のグラスを取り上げ、一口含む
「あぁ〜これウーロンハイです・・しかもちょっと濃い目です」
「ハァ?」
慌てて堂上は柴崎からウーロンハイを取り上げ、同じく口に含む
確かにウーロンハイだった
堂上は店員に尋ねると、「すみません!間違えました!申し訳ありません!」と平謝りされた
堂上も小牧も「仕方ないね」といった素振りで、店員を帰した