新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第52話
ドライアス 『より多くのマイナスエネルギーの吸収の為、我々は時折隕石に偽装して開発したヴァギュラを送り続けてきた・・・だが、それは第一段階に過ぎん!!地球のマザー・ヴァギュラのマイナスエネルギーが規定値を越えた今、奴は覚醒した・・・・それをもって我々の計画は第二段階へと移すっ!!!』
宇宙警視総監 「第二段階だと?!!」
ドライアス 『私が直接地球に出向き、マイナスエネルギーの拠点を確保するっ!!!そしてその後、私の僕である種族の異星人達による各惑星への攻撃・侵略を開始する!!!全ての星をマイナスエネルギーで満たし、宇宙支配を実現させるのだっ!!!』
そういい残して、映像は途絶えた。宇宙管制室に重い空気が流れる。しばらくその状態が続いた後に、宇宙警視総監は各惑星で展開する宇宙警察隊及び警備隊に指示を促す。
宇宙警視総監 「・・・・・各方面の惑星内で展開中の宇宙警察、並びに宇宙警備隊各員に告ぐ。ドライアス一味の野望を全力で阻止せよ!!!それ以外の事は各隊員の判断に委ねる!!!」
実に短絡的な指示であった。だが、これが現状では最も適切な判断であった。地球の警察と比べると組織の規模の次元が違いすぎる為、基本、大まかな指示を出し、それ以外は個々の判断で行動させるのがベストなのだ。
地球において異変が生じる。C‐00が完全に覚醒し、おぞましい波動を周囲に撃ち放つ。BT全部隊がこの波動の巻き添えを喰らい、全滅した。
ギュゴァアアアッッ――――ヴァギュドォオオオオオオオオオオオオ!!!!
ズギャガガガガガガガガガガアアアアアアアアアアッッ!!!
巨大な眼球が禍々しくオレンジ色に光って浮遊し始めた。その下部には幾つもの産卵器官が束なっている。C‐00はその状態のままその場に待機した。
更にポイントβに沈黙していたC‐01も、遂に咆哮と共に活動を再開させた。幾つものトゲが連なった傘のような巨大エリマキ。そこから生える三本指のカギツメを持った触手。そのインパクトある容姿は高層ビルよりも遥かに大きい。
C‐01 「ゴガアアアアアアアアアアアッッ!!!」
けたたましい咆哮が暗黒の空を震えさせる。そして口から収束過粒子砲を放つ。すなわち「風の谷のナウシカ」に登場した巨神兵が放つ破壊光線に酷似した破壊光線だ。
キュインッ・・・・ヴィギュダアアアアアアアアアアアアッッ――――
シュズオッッ――――
シャッと横方向へと光線が走った。その刹那凄まじい炎の柱が数百メートルにかけて上る。
ヴァズゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!
一瞬にして展開していたヘルトルーパー部隊が消え去った。無論、その攻撃は他のデストリアンも巻き添えにしていた。
この2体のデストリアンは極めて異質なマイナスエネルギーを放っていた。闘うファイバードとエクスカイザーもこれを感じないわけがなかった。
ファイバード 『な・・・?!!なんだこれ?!!この感じのマイナスエネルギーは・・・ひょっとしてここ数日感じていたヤツか?!!』
キングエクスカイザー 『うっ?!!なんだこの感じ?!!』
中の勇も初めて感じる違和感に戸惑いを隠せない。Jトランスポーター内でもこの反応を感知していた。緊急事態の項目で地図とエネルギー数値が映し出される。
要 「なっ・・・・ポイントαとβに高エネルギー反応だと?!!遂に眠っていたデストリアンが目覚めたのか?!!」
葉山 「見たことも無いっスよ!!こんな数値!!!」
対策本部内の冴島にもこの事態に関して警官が報告に来た。
警官 「警視総監!!たった今入った、自衛隊からの報告です!!ポイントα及び、βにてデストリアンが活動を開始した模様です!!!」
冴島 「なんだとっ??!遂に動き出したのか・・・!!?」
警官 「はいっ!!現在、C‐00は依然、移動する様子は無いようですが、C‐01は都心方面へと進行中とのことです!!!自衛隊の部隊も一斉射撃で対応中とのことですっ!!!」
冴島は凍りついた。かつて東京で起きた悪夢が再び巻き起ころうと、否、それをも超越した被害が巻き起ころうとしていたのだ。
冴島 「なんということだ!!!C‐01が都心に侵入したら被害は甚大なものとなるっ!!!直ちに勇者達を向かわせねばならんっっ!!!自衛隊の部隊だけではとても歯が立たないだろう!!!」
周囲の警官たちがあわただしくなる。その様子を見ていたさわ子と吉崎。彼女達もこの光景にただならぬ事態が発生したと感づく。
さわ子 「何?警官達のようすが騒がしい・・・ひょっとして何かあったの?!」
吉崎 「あの様子だと何か緊急事態があったみたいね・・・!!!」
さわ子 「緊急事態って・・・。」
Jトランスポーターへ冴島からの緊急指令が伝達される。こうなった以上、対抗できるのは勇者達以外いない。最もマイトガインとジェイデッカーはその為に生まれたロボットなのだ。
冴島 「緊急事態だ!!!単刀直入に言う!!!C‐01の撃破を撃破せよっ!!!ヤツは都心方面へと向けて進行中のようだっ!!!今こそ勇者達の力をぶつける必然性があるっっ!!!」
要 「なんですって?!!了解ですっ・・・・!!!」
要の中でかつてのテレビ中継で見たC‐01の巻き起こす惨劇がよみがえる。当時は信じられない気持ちと現実に起こる恐怖に恐怖していた。かっと見開き、今を見る要。勇者達に撃破命令を下す。
要 「ジェイデッカー、エクスカイザー、マイトガイン、ファイバードは直ちに現在の戦闘を解除してC‐01の撃破に向かってくれっっ!!!こいつは今、都心方面に向けて進行中のようだ!!!サポートチームは引き続き周囲のデストリアンを駆逐っ!!轟龍も周囲の敵の撃破に専念していてくれっ!!!」
ブレイヴ・フォースメンバー 『了解っっ!!!』
その最中、ファイバードとキングエクスカイザーに宇宙警察機構からの通信が入った。無論、ドライアスについての事であった。
ファイバード 『ん・・・?!』
キングエクスカイザー 『あ?なんだ・・・・?!』
勇士朗と勇に宇宙警察機構からの通信を受諾する感覚に見舞われた。この時、一時的に本来のファイバードとエクスカイザーの意思が交代する。
宇宙警視総監 「エクスカイザーにファイバード!!宇宙警視総監だっ!!!たった今、一連のデストリアン災害を引き起こした者が犯行声明を我々に送ってきた!!!その名は宇宙皇帝・ドライアスッ!!!」
そして、犯行声明で語られた一部始終の事が彼らに知らされた。醜悪なまでの支配欲と所業に怒りを隠せない。
ファイバード 『では・・・・これまでの被害は、そのドライアスの為に引き起こされてきたモノだったんですか・・・??!』
キングエクスカイザー 『・・・・・人為的に命の尊さを踏みにじる行為・・・なんとしても裁かれるべきだっっ!!!』
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第52話 作家名:Kブレイヴ