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図書館戦争 堂x郁 狙われた宝石

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病室にをノックすると「はい」と元気な声が聞こえた
「調子はどうだ?」と声を掛けると、「篤さん!」と言って両手をパタパタと動かす
堂上は郁の傍に近づき、手を取ると「元気そうだな」と言って頭をポンポン叩く
「はい。怪我の経過も良好で!後は視力だけですね!」と言ってニコニコ笑う

「郁、俺は明日から連休に入ったから、毎日見舞いに来れるぞ」
「え?仕事は?他の皆は?」
「ああ、小牧と手塚は射撃訓練が入ってるから進藤班で御世話になる」
俺は長年溜めた有給を消化せんといかんのだ と言って郁の頭を撫でる
「そっか・・・どうせお休み取れるなら、新婚旅行の時が良かったなぁ〜」
えへへと可愛らしく笑い、堂上の手をキュっと握る
堂上も「可愛いこと言うな。入院中じゃこれ以上手が出せん!」と言って、唇にキスを落す
腕の中にいる可愛い恋人に、どうやって閉じた目を開かせるか思案していた



郁の病室に通い始めて数日が経過したが、一向に改善の兆しがない
車いすに乗せ、院内を散歩したり、他愛も無い話しをしながら毎日を過ごしている

寮室に戻り、冷蔵庫から冷えたビールを取りだした
フッと机に視線を動かすと、そこには郁と一緒に見ていた式場のパンフレットが積み重ねっていた
堂上はパンフレットを見ながら、グビッとビールを喉に通すと「使えるな・・・」と言って一人作戦を練った



翌日、堂上は朝から郁の病室に来ていた
郁は堂上の顔の輪郭、手、肩などを触りながら
傍にいるのに”見えない”恋人の体温を感じて、安心しようとしていた

「今日は、式場のパンフレットを持ってきた」
そう堂上が告げると、郁は「・・・パンフ見れませんよ?」と言って、苦笑いする
「イメージは出来るだろ?俺が式場の説明をするから、お前は気にいった式場を教えてくれ」
郁は小さな声で「はい」と答えた後、堂上の説明を聞きながら、イメージを膨らませた

一通り説明が終わると、堂上はどうだ?イメージ出来たか?と言って、郁の頭をポンポンと叩く
「んーやっぱり難しいですね」
「郁はどんな結婚式にしたいんだ?」
「・・・ゲストの皆さんに・・・笑顔で祝福してもらえる挙式がいいです」
「それは問題ないだろう」
でも・・・と郁は下を向きモジモジしはじめる

「私、”視えない”から、皆の笑顔も見れないんですよね・・」と言って薄ら目に涙を溜めた
堂上は郁の顔を上げ、唇で涙を吸い「大丈夫だ」と言って抱きしめる

「お前は俺と最後まで一緒の光景を見るんだろう?早く視力を取り戻せ」
それとも何か別の心配ごとでもあるのか?と問いかけると、郁はギュと堂上の背中を握りしめ
「怖い・・」と呟いた

小牧の憶測は正解のようだ
郁は自分に向けられた目が怖く、身体に受けた傷よりも心に受けたキズのダメージが大きかった
もう見たくない・・・怖い・・と震えながら堂上に呟く

「お前は俺も怖いのか?
 俺だけじゃない、小牧や手塚、柴崎や特殊部隊員、家族、懐いている利用者の子供達・・
 全て同じだ」
「そっ・・そんなことない!」
郁はガバッと顔を上げ、視線が定まらない目で堂上と向き合う
「郁・・人は皆黒い感情を持ってる
 それが憎悪や妬み、俺だって嫉妬に狂いそうになる」
クククと笑いながら郁の頭を優しく撫でる
そんな俺が怖いか?郁の耳の元で囁くと、怖くないです・・と郁は答える
「郁・・俺を視てくれ」
今情けない顔してるぞ?見たくないのか?と言うと、郁はクスクス笑いながら
「見たいな・・”堂上教官”の情けない顔」と答え両手で堂上の頬に添える
柴崎に言えばレアモノ!って飛び付きますよ?などと恐ろしいことを話すが
少しでも郁が”視たい”と思ってくれれば・・・それで良いと思った