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【ヘタリア・腐】きっと見つかるGGm8!【西ロマ】

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 流石にイギリスの普段の行いがアレとはいえ、その言い方は可哀想な気がする。ついロマーノが突っ込んでしまえば、弟という単語が引っかかったのか二人が揃ってこちらを振り向いた。あまりの圧力に、ロマーノの背中に汗が流れる。
「……そういえば、南イタリアは今日は珍しく一人ですね」
「会議の時ですらイチャイチャしてる二人には珍しいんだぞ」
「イチャイチャしてねーよ! つか、俺を巻き込むな!」
 どうやら二人の矛先がこちらに向いてしまったようだ。でかいロボと大国に睨まれるのは恐ろしく、突っ込んでしまった事を後悔するがもう遅い。二人がかりで攻撃を受け、ロマーノは叫ぶことしか出来なかった。
「してるですよ。シー君はイギリスの野郎から見えないように会議中は机の下を移動してますからね。二人が机の下で手を繋いで……」
「わあああああああ!」
「そもそも君達の椅子の間隔が異様に近いのは、俺の席から丸見えなんだぞ」
「言うなあああああああああああ!」
 俺がやっているんじゃない、スペインが煩いから仕方なくだと言い訳するが、二人のにやにやは止まらない。羞恥で涙を浮かべながら画面を探り、ロマーノは必死にフレンドリストを捲った。
「くっそ、イギリスとフレンド登録してねぇっ!」
 この状況を打破出来るのは、突っ込み属性持ちであり天敵である彼等の兄・イギリスしか居ない。連絡して呼び出そうと思ったものの、以前会った時に怯えてしまいフレンド情報の交換をしていなかった事を酷く後悔した。
「ちょっとイギリス呼ぼうとしないでくれよ!」
「イギリスに言いつけるとか大人としてありえねーですよ!」
「一応、言いつけられるような事をしているという自覚はあるんだな……」
 ロマーノの叫びに、二人が同時に拒否反応を示す。このまま二人に突っ込み続ければ喉を痛めそうだ。ロマーノは目の前のお子様達の頭を杖で殴ることで、突っ込みの代わりとした。
「酷いんだぞ、ロマーノぉ……」
「子供に手を上げるなんて大人気ねーですよ」
 ガシャガシャと音をたて、目の前のロボが酷い酷いと体をくねらせる。この姿の何処が子供だと冷ややかに突っ込んでいると、画面外から声を掛けられた。
「アメリカさん、ここにいらっしゃいましたか」
「あれ、日本」
 慌てたように走ってくる日本は、アメリカに緊急事態だと告げる。どうやら重要なバグあったらしく、二人は慌てて対応することとなった。
「ごめんね、ロマーノ」
「いや、結構助かった。ありがとな」
 また遊ぶんだぞと手を振り、アメリカ達はログアウトする。静かな湖畔に巨大ロボと二人きりにされ、ロマーノはどうしたものかと頭を掻いた。
 そもそもシーランドと話したことは殆ど無く、自分は人見知りする上に共通の話題も無い。無言の空間に居心地を悪くしていると、黙っていたシーランドが話しかけてきた。
「ロマーノはクレリックですよね?」
 がしゃんと音を立て、ロボが首を傾げる仕草をする。それに少し引きつつ、ロマーノは頷いた。
「あ、ああそうだけど」
「まだ暇あるですか?」
「一応……」
「この近くでパパがクレリック募集してるですよ」
 無言の間届いたスウェーデンからのメールを読み、丁度いいのが目の前に居ると返答したらしい。このままロボットと二人きりよりはいいか。そんな気持ちで参加を決め、ロマーノは彼の教える洞窟へと歩いて行った。
「シー君はこれからセボルガ達と遊ぶ約束があるのですよ」
 別れ際、シーランドが言っていた言葉を思い出す。今日は本当に良く知り合いに会う日だ。このゲームの『国』の参加率に呆れつつ、遊んでいる自分も同じかとロマーノは溜息をついた。



 教えられた洞窟は湖の近くで、そう時間はかからず到着する。モンスター退治のクエストらしいが、一体どんなパーティだろうか。草を掻き分け洞窟の前に出ると、そこに待っていたのはスウェーデンとノルウェーだった。
「おー、急で悪かったな」
 のんびりとした口調で、ノルウェーが片手を上げる。その横に立っているスウェーデンは頷いて同意した。
 今日は休日だったからと首を振り、三人で洞窟へ潜る。歩きながら、本当なら今頃スペインと食事を作っている頃だなと小さく溜息をついた。
 足音が響く洞窟の床はぬめぬめとしており、時折壁から顔を出した鉱石が淡い緑の光を発している。奥に進むにつれ敵の出現率を示すゲージが上がり続け、緊張感が辺りを包んでいた。
「めんずらしぃな」
 そんな中、相変わらずのんびりとした口調でノルウェーが口を開く。顔を上げればこちらを見ているので、どうやら自分に話しかけているようだ。
「何がだよ?」
 背後からの強襲を心配しつつ、会話に応じる。一番前を歩いているスウェーデンがやたら強そうなので大丈夫とは思うが、スペインが居ないというだけでロマーノは心細かった。
「お前ぇ、人見知りするべ」
 人の事言えないけれどと付け足しながら、ノルウェーがスウェーデンの背中を見る。怖がられやすい彼が居るのにと言いたげな顔に、ロマーノは今日一日のことを話した。
「ああ……。今日は来て早々、ロシアとベラルーシに襲撃されたから……」
 げっそりとした顔で巨大ロボの話とお子様二人の口論まで話せば、前を歩いていた二人の足が止まる。静かにこちらに寄って来ると、二人は同時にロマーノの肩を叩いた。
「そうかぁ。元気出せ~」
「ん」
 スウェーデンに至っては、慰めようと食べ物アイテムのピッツァまで出してくる。話しておいて何だが、そこまで同情される話だっただろうか。色々麻痺している自分に呆れるやら恥ずかしいやらで、アイテムを受け取りつつ頬は染まっていった。
「今日はスペインと一緒じゃねぇのか?」
 探索を再開し、歩きながら珍しくスウェーデンが話を振ってくる。だがその内容に、何回目かの溜息が漏れた。
「何で皆それを聞くんだよ!」
 今日のアイツは仕事なんだよと怒れば、スウェーデンは「そか」と小さく謝る。その横のノルウェーはこちらに背を向けているものの、小刻みに肩が揺れていた。
(こいつらっ……!)
 別にスペインと一緒に居られないからといって、機嫌が悪い訳でも寂しい訳でもない。変に気を使うのは止めて欲しいと口に出しそうになったが、ロマーノは根性で飲み込んだ。
(どうせバレてるんだろうな、ちくしょうめ!)
 スペイン曰く「ロマーノは顔に出る」らしい。ノルウェーの反応からして、もう二人には色々ばれているんだろう。言葉数少ない二人が追及しない事だけを喜び、このまま話題を流してしまえばいい。
 そう理解出来るのだが、つい意趣返ししたくもなるものだ。ロマーノの口から出たのは、ここに居ない男の名だった。
「そういう二人はデンマークと一緒じゃないのか?」
 兄弟のようでありながら、複雑な感情を持つらしい北欧五人組。その長男の立場にある男の名を呼ぶと、分かりやすく二人の眉間に皺が刻まれた。
「あんこ、うぜ」
「……」