Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998
「や、ヤバッ・・・」
すぐに身の危険を感じた凉。
「あまりこれは使いたくなかったんだけどね・・・!」
そう言うとコードを入力した。
そうすると、目の前のモニターに"G.F.SYSTEM"という文字が浮かび上がった。
「なんなんだこれは・・・?」
迅霊弐型を捉えた高感度カメラで確認するマイ。
その迅霊弐型はいつもと違っていた。
バックパックの装甲を切り離し、モノアイが前後に出てきている。
「ま、まさか・・・"G.F.SYSTEM"を起動させたのか・・・?」
G.F.SYSTEM、機体の機動力を極限にまで高めるシステムだが、難点は並のパイロットでは扱えないということ。
それを神宮寺中尉はやっている。
あっという間に包囲していた戦車級を殲滅し、要塞級へ攻撃する。
「すごい・・・こんなにできるものなのか・・・?」
マイもこの操縦技術に驚いていた。
「ぐっ!」
しかし、現実は甘くない。
凉は余りにも自分にかかるGに耐えきれず、吐血していた。
しかも、機体は光線級のレーザー照射を食らい、墜落している。
「くっ・・・こんな姿をまりもに見せたくないものだな・・・」
異母妹の名を口に出す凉。
実は朝鮮出兵前夜に会っていた。
~回想~
「え!おねえちゃん朝鮮にいくの!?」
「仕方ないのよ・・・遠田技研の試作型のテストも行うんだから・・・」
「だからテスパの仕事を受けなきゃよかったんだよ!」
「何てこというのよ!私のやりたいことをなんであなたに邪魔されなきゃならないの!」
「ッ!心配していってるのに!おねえちゃんのバカ!」
頬を叩く音がする。
「ッ・・・・・」
「もう・・・知らないから・・・」
そこには一人、凉だけが残されていた・・・
「クソッ!動きなさいよ!動いてよ!」
必死に動かそうとする凉。
彼女前には一体の要撃級が迫る。
「お願いよ・・・お願いよぉぉぉおっ!」
その刹那、目の前の要撃級は倒れた。
「えっ・・・?」
「大丈夫か!神宮寺中尉!」
マイが専用のMS-09を駆り、救援に駆けつけたのだ。
「大佐・・・・・」
そこで凉の意識は途切れた。
戦闘終了後
対馬海峡洋上 帝国軍上総級空母
「神宮寺中尉!大丈夫か!?」
僕は救助した神宮寺中尉の元に駆け寄る。
「あはは・・・大佐、すみません・・・迷惑をおかけして・・・」
彼女は吐血したのだろうか、口から血が出ており、横腹からも出血している。
「もういい!喋るんじゃない!」
「ッ・・・・・はい」
そして彼女は衛生兵に運ばれていった。
1998.1.24 19:27 朝鮮半島南部における国連軍の撤退支援、及び難民の救助終了。
同時刻、光州作戦の成功を確認。
作品名:Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998 作家名:mkmk0829