Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998
19:30
「まだ来る・・・!」
倒しても倒しても突っ込んでくる突撃級と要撃級を倒しつつ、そう呟く唯依。
「こんのぉ・・・!」
C分隊の衛士達は悠に「死の8分」を越えていた。
「吉見中尉!いつまでこいつらの相手をすればいいんでありますかぁ!?」
「くっ!・・・少なくとも21:00までは生き残らんといかん!」
「・・・了解ッ!」
理由も聞かず、ただひたすら打ち続ける。
「(しかし・・・なぜ21:30なのだ?・・・わからぬ・・・)」
指揮をとりつつ、吉見中尉は疑問に思っていた。
20:00 琵琶湖
帝国海軍第2艦隊旗艦 尾張 艦橋
「・・・全く、大佐殿も中佐も粋なことを考える」
懐中時計を見て作戦のことを考える小沢艦長。
彼の任務は21:30より帝都へ向けて艦砲射撃し、撤退するザンジバル級の支援をする。というもの。
実は帝都に配備してあったザンジバル級は嵐山に1隻と京都市街地に2隻の計3隻。
そもそも帝国にあるザンジバル自体、4隻しかない中でのこの配備である。
「・・・あと、一時間半か」
意味深な表情をし、帽子をかぶり直した。
20:20
絶対防衛線Nフィールド
ここは絶対防衛線の中でも一番重要なフィールドであったが、拠点を失ったことにより、戦線は瓦解していた。
『くそ!BETAのやろうがぁぁあっ!』
『うわぁ!来るな!来るなぁ!』
戦場に幾多と転がるMSの残骸。
BETAたちは破壊したMSを食べるが、核反応炉は食べない。
そのせいで、残骸の多くは動力部のみが残っている状態である。
そして、絶対防衛線のCICもBETAに食われてしまったため、絶対防衛線は崩壊した。
20:40
「では・・・CICは陥落したのか」
『恐らくは・・・・・』
「・・・やむを得ん。出撃し次第、撤退信号をあげろ!」
『大佐!?なにをするおつもりですか!?』
「殿を努める!ザンジバルの指揮は任せたぞ、沙霧大尉!」
『・・・・・了解!』
ビグ・ラングとザンジバル艦橋との通信を切るマイ。
「しっかし、いいのか?お前は大佐だろ?」
「それを言ったら私も大佐だぞ?ソンネン少佐」
「う、自分だけ少佐だから悲しくなるじゃないですか、カスペン大佐」
「まあまあ、二人とも・・・」
ソンネンはヒルドルブ、カスペンはゲルググに乗っている。
相変わらず、ソンネンは砂色の軍服、カスペンはドイツ軍を思わせるような黒い軍服を着ている。
「それでは、行きますか・・・・・」
「そうだな。我々の教え子達を死なすわけにはいかんしな」
「はい、行きましょう」
「「「ジーク・ジオン・・・」」」
作品名:Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998 作家名:mkmk0829