機動戦士ガンダムRS プロローグ編2
PS装甲は、生産コストや整備性の問題から一般量産機には搭載されていない。
ラミネート装甲
オーブの協力を得て地球連合軍が開発した装甲でありビームの直撃を受けてもその熱量や運動エネルギーを装甲全体に拡散させることで損傷を軽減する事が可能である。
排熱に問題がなければビーム兵器を無力化することが出来る。
通常の装甲と比べ構造が複雑となりコストが高騰するため量産には、向かず旗艦クラスの戦艦や一部のモビルスーツに使用されている。
ミサイルなどの攻撃には、効果が無いほか排熱が間に合わなくなると装甲全体が致命的ダメージを受けてしまう。
しかしC.E.71年の時点では、18m級モビルスーツのラミネート装甲を一撃で貫通できる威力を有しているビームライフルがコロニー軍に存在している現状となり実装していても実質無効となっている(その上ミサイルやレールガンに効果がないため本末転倒である)。
ミラージュコロイド
ミラージュコロイドは、可視光線や赤外線を含む電磁波を遮断する特殊なコロイド状の微粒子でありこのコロイドを磁場で物体表面に定着させることで電磁的・光学的にほぼ完璧な迷彩を施すことが可能なステルス機能をミラージュコロイドステルスと呼ぶ。
研究は、地球連合軍のみ研究が進められ地球連合軍初のガンダムであるG兵器の1機ブリッツガンダムにより初めて実戦投入可能なレベルで実現された。
生体CPU
地球連合軍がニュータイプと呼ばれる化け物と戦争遂行にあたり兵士として彼らを凌駕する能力を持つよう実験的に投薬、特殊訓練、心理操作により通常のコーディネイター以上の身体能力を持たせたコマンダーコーディネイターであり好戦的で通常のコーディネイターをはるかに上回り自らの身体能力の数々とそして搭乗機の高機能性を制御可能である。
それを実行しうる高度な覚醒レベルと脳神経活動と集中力を少なくとも作戦行動中は、生み出し続けなければならない。
このためブーステッドマンは、脳内麻薬物質の必要量も常人と比べ膨大となり人工的に調剤された超脳内麻薬=覚醒剤「γ-グリフェプタン(Gamma Glipheptin)」を定期的に摂取しなければならない。
このγ-グリフェプタンは、カテコールアミンと呼ばれるストレスホルモンに由来しておりドーパミンやノルアドレナリンに似た神経伝達物質の一種である。
依存性があるため効果が切れると凄まじい禁断症状に苦しみ最終的には、廃人となるとされている。
またγ-グリフェプタンには、精神高揚の効果もあるため摂取直後には興奮状態となりさながら狂戦士のように死をも恐れず戦闘を行う事が出来る。
しかし死への恐怖だけでなく冷静な判断力も麻痺させるため暴走する事がままあり他にも作戦行動中に効果が切れて禁断症状に陥ると戦闘不能状態になるなど兵士に使用するには、致命的な欠陥も抱えている。
地球連合軍の上層部は、ブーステッドマンを「生体CPU」としてモビルスーツの部品の1つと見なしており過去の経歴は全て抹消されている。
ブーステッドマンのパイロットとしてオルガ・サブナック、シャニ・アンドラス、クロト・ブエルの3名が戦闘に参加している。
また命令に従わないと薬物投与を受けられずに禁断症状に苦しまなければならず嫌々に命令に従う姿がある。
最終的には、ヤキン・ドゥーエ攻防戦にてリード・フォックスとマーク・ヘイルの活躍で3人ともそれぞれ撃墜され戦死してしまい全滅した。
「機動戦士ガンダムRS ASTRAY B」では、ペルグランデに搭乗するパイロットは搭乗する3人の脳とドラグーン・システムを直結させる事でドラグーン・システムの使用を可能にしている。
「機動戦士ガンダムRS RGB」では、γ-グリフェプタンを基にした向精神薬「グリフェプタンD」が使用されている。
ブルーコスモス
ブルーコスモスは、それ自体が統一された組織や結社ではなく反コーディネイター思想とその主義者の総称である。
「青き清浄なる世界のために」がスローガンである。
自然保護団体「ブルーコスモス」として出発した。
そしてC.E.70年代初頭現在の今日「ブルーコスモス」と呼ばれる人々は、自然保護団体であるその旧ブルーコスモスにカトリック教徒グループとムスリム等が集合して徐々に醸成されシンパ同士が緩やかに結ばれた思想潮流であり具体的な団体や結社ではなくなっている。
また必ずしも反コーディネイター的感情を持つ人間=ブルーコスモスというわけでは、なく心情的に同意同調しているだけの人間も多い。
このためブルーコスモスはとても大きなグループにも見えるがシンパの数が著しく拡大したC.E.68〜70年で後述の盟主、政界、軍の有力者の直接影響下にない末端の「自称」ブルーコスモスまで含めてもその自覚的構成員の勢力は数十万人程度であるという。
初期の段階では、人間への遺伝子操作により生み出されるコーディネイターの生命倫理違反を糾弾するプラカードを掲げたデモ行進等や市民運動などが活動の中心であった。
しかし国際法で禁止されたにも関わらずコーディネイターが違法に生み出され続け既成事実化してしまったためその存在をよしとしない人々が次第に過激化しコーディネイターへの迫害やテロ行為を行う例も多くなっていった。
C.E.73年の時点では、マスコミから「ブルーコスモス系」と報じられる反地球軍ゲリラも存在している。
構成員の国籍、年齢、職業はさまざまであり社会のあらゆる団体に支持者が存在し各サイドの政財界や軍部にも根を張っている。
ミノフスキー粒子
トレノフ・Y・ミノフスキー博士によって発表された後にミノフスキー物理学へと発展する仮説は、従来の物理学の全てを覆す新説で当時の学会には到底容認できるものではなかった。
発表当時そもそもその前提となるミノフスキー粒子は、発見されておらず「コズミック・イラに復活したエーテル理論だ」と揶揄されミノフスキー博士は学会を追放された。
ミノフスキー博士は、当時からサイド3の住人だった。
しかしこの仮説に目をつけたコロニー軍上層部の手引きによって研究の場は、そのままサイド3となった。
C.E.27年にミノフスキー物理学会(ミノフスキーぶつりがっかい、Minovsky Physical Society)を立ち上げた。
C.E.29年には、ミノフスキー物理学会を発展解消して共同研究者のイヨネスコ博士と共にM&Y社(エムアンドワイしゃ、M&Y Company)を設立した。
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の研究・開発を行いミノフスキー粒子の発見と熱核反応炉の実用化に努めた。
なおミノフスキー物理学会は、発展解消以降も存続していたようである。
C.E.47年ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の実験中に熱核反応炉内にて特殊な電磁波効果を発見した。
追試をおこなったがこれは、非公開とされた。
C.E.51年には、ついにミノフスキー粒子の存在に関する公開確証実験に成功しミノフスキー物理学が証明された。
作品名:機動戦士ガンダムRS プロローグ編2 作家名:久世秀一