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機動戦士ガンダムRS 第1話 偽りの平和

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すでに条約違反のわれわれが彼らに言ったら聞いてあきれられますな」
 地球連合軍は、難民コロニー内で新型モビルスーツの開発に着手していた。
これは、南極条約の「オーブ首長国連邦等の中立宣言区の承認と中立国への侵攻と中立国での軍事施設の建設禁止」という項目に違反している。
「条約とは、破るためにあるものだ」
 艦長は、笑いながら言った。
これで大人だけ被害をこうむるならよし。
しかし現実には、この被害者は子供達である。
身勝手な大人のやり方で子供達が戦火に巻き込まれる。
歴史の繰り返しが再び起ころうとしている。
「では、艦長」
 5人の少年が艦長に別れの敬礼して船を後にした。
「上陸は、彼らだけで大丈夫なのか?」
 フラガ大尉は、クルーゼ少佐の方向いた。
「私の部下の心配は、無用だ」
 クルーゼ少佐は、フラガ大尉の方を向いて答えた。
 その言葉に艦長も続けた。
「子供でも『G』に選ばれたトップガン達だ。
問題ない。
貴様のようなやつがちょろちょろしてるほうがかえって目立つぞ」
 艦長の顔には、(心配性だな)と書いてある。

              ※

 コロニー軍のトレースしている1隻の大型戦艦ドゴス・ギアでのブリッジで艦長のブライアン・キース艦長は、難しい顔をしながらヘリオポリスを見つめている。
そこへこの艦のマン・マシーン隊隊長アツシ・サオトメ少佐が近寄ってきた。
「そう難しい顔をしないでください、艦長」
 サオトメは、幾多の激戦で輝かしい功績を挙げたエースパイロットである。
「今回の作戦は、とても心を痛めてる。
それにわが軍の士気にも悪影響を及ぼしかねない」
 サオトメたちη艦隊の任務は、難民コロニーで極秘設計されている新型モビルスーツの破壊任務を担当していた。
しかしこれを行えばコロニー国家としての大義名分は、丸つぶれになる。
「ヘリオポリスへの侵攻作戦。
たしかにわが軍への士気低下は、避けられない。
だが彼らが悪い。
ヘリオポリス内で新型モビルスーツである『ガンダム』を開発した地球連合軍が悪い」
 ガンダムは、コロニー軍も超高性能マン・マシーンとしてコストを無視した設計のブランド兵器でありその性能は計り知れない。
サオトメが愛機として駆る「ガンダムサイガー」がまさにこれである。
抵抗のシンボルとして開発されているならばコストを外視した超高性能兵器に仕上がるのは、必須である。
たしかに早急に破壊か奪取するのが望ましい。

            ※

 エレカ(電気自動車)の駐車場で3人の少女が話をしている。
「だからそういうんじゃないんだから」
 このグループの方にキラたちは、歩いている。
「うそ?」
 フレイ・アルスターは、明らかに嫌気が差している。
「もう白状しちゃいなさいよ」
 嫌気が差したフレイは、なおも抵抗している。
しかしその抵抗には、気品が感じられる。
「だから」
 フレイは、笑ってごまかす。
フレイは、キラたちに気づいた。
「あれミリアリア」
 フレイは、ミリアリアに声をかけた。
「ハーイ」
 ミリアリアにしか声をかけなかったのは、2人を知らなかったかそれほど親しい仲ではないのどちらかであろう。
1人がミリアリアに声をかけてきた。
「ミリアリアなら知ってるんじゃない?」
 ミリアリアは、何の話かわからず困惑した表情を浮かべている。
「何を?」
 こう聞くのが普通である。
「やめてよってばもう」
 男性2人は、背景キャラと言わんばかりの空気である。
「この子ったらサイ・アーガイルから手紙をもらったの。
なのに『なんでもない』って話してくれないのよ」
 キラは、(嘘だろ)と顔に書いてフレイを見た。
それほど親しい仲ではないのにこの表情を作ったことを考えれば好意を持っていたのは、明らかであろう。
「あんた達、もういい加減にしてよね」
 フレイが2人を静止しようとしたときだった
「乗らないなら先によろしい?」
 サングラスをかけた女性が6人に話しかけてきた。
女性の後ろには、随伴するかのように男性2人が立っている。
明らかに異様な雰囲気を漂わせている。
「ああすいません。
どうぞ」
 その雰囲気に負けたのか彼らは、道を譲った。
彼らの目は、女性達に釘付けである。
女性達は、エレカに乗ると去っていった。
「もう知らないんだから。
行くわよ」
 フレイは、怒っていってしまった。
「ああ、ちょっと待ってよ」
 2人の少女がその後を追いかけた。
彼女達は、テレカに乗って行ってしまった。
「手紙だって。
サイが。
意外だな、フレイ・アルスターだったとは」
 フレイが残した異様な雰囲気をかき消すようにトールが言った。
トールは、キラの両肩に両手を乗せて続けた。
「でもこれは、強敵だよ。
キラ・ヤマト君」
 友への忠告とも見て取れる。
「僕は、別に」
 キラは、否定した。

       ※

 さっきの女性がテレカから町の風景を眺めていた。
「なんとも平和なことだ。
まったく」
 その表情からは、(この平和がどこでもいつでも見られる環境に早くなってほしい)という願いが込められている。
女性は、サングラスをはずしてなおも続ける
「あのぐらいの年でもう前線に出ている者もいるというのに」
 その言葉のとおりコロニー軍や地球連合軍も10代後半で前線に出ているのは、もう珍しいことではない。
テレカは、大きな建物へと向かっていた。

        ※

 キラ達を乗せたテレカは、学校のテレカ専用入り口に差し掛かった。
ここは、学生証をスライドさせることでテレカごと構内に入れる仕組みになっている。
「いいじゃんか別に。
お前が聞けないって言うんなら俺が聞いてやるよ?」
 トールは、キラに話しかけているがキラは耳にたこができるほど飽き飽きしている。
「しつこいぞ、トール」
 キラもさすがに怒り出した。

        ※

 彼らは、研究室に入った。
そこには、ケーブルがつないである等身大の人型ロボットとともに1世代前のノーマルスーツ(宇宙服)がありサイ・アーガイルとカズイ・バスカークがいた。
「あ、キラ、やっと来たか」
 キラは、サイに目を合わせようとはしなかった。
奥へ歩こうとしたときに壁に寄りかかっている人物を発見した。
「なあ、あの子誰?」
 不審がりトールは、カズイに聞いた。
「ああ。
教授のお客さん。
『ここで待ってろ』って言われたんだと」
 年は、彼らと同じだろう。
「で、教授は?」
 まさにそのとおりである。
人を呼び出しておいて自分は、その場にいないのだから。
「居ないんだ。
急に呼び出されて」
 いったい何の呼び出しかは、不明であるが話によればかなり慌ててたらしい。
「これ預かってる。
『追加』とかって」
 今のキラの顔からは、(もう勘弁してくれ)と顔に書いてあるのが誰にでもわかる。
「何なんだ?」
 1人の生徒の宿題にしては、多すぎる。
いったい何なのだろうか?
「どうせモルゲンレーテ社の仕事の方なんだろうけど」
 モルゲンレーテ社とは、電子・電気機器の製造販売を中心とするオーブの国営企業である。
しかしそんなものを1人の生徒に手伝わせるだろうか?
「興味ないよ。