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図書館戦争 堂郁 あなたに逢いたい

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約束の時間までの間、俺達は本を読んで時間を潰した

この時代では、青少年に悪影響を与える有害情報や人権を侵害したり、公序良俗を乱す表現を
取締る法律『メディア良化法』に基づいて発足した法務省の『メディア良化委員会』が組織されてた
それに対して図書館は図書館法で検閲の例外的存在になっているため、図書隊と対立関係にあった

「物騒な時代だよな・・・」誰に言うでもなく、ポツリと呟く
手にしていた本をパタンと閉じ、書棚に返す

館内に閉館のアナウンスと音楽が流れる
隆は遙に声を掛け一緒にエントランスへと向かった
暫くすると、私服に着替えた黒髪美女が近づいてくる
その後には・・・・曽祖母さん・・・
隆はハァーーと深い溜め息を吐き遙に向かって「お前、余計なこと話すなよ!」と言うと
「分かってるわよ!バカ兄貴!」と睨み返してきた

「お待たせ」と黒髪美女は軽く手を上げ、「あれ?本田さん兄妹だぁ」と言って郁はニコニコ笑う
隆は軽く会釈し、黒髪美女に近づき「笠原さんの一緒なんですか?」と尋ねると
「そうよ。教官達は遅れてくるけど」と言って郁の顔を見上げる
「なっ・・柴崎何?///」と答えると「べっつにー」と言ってさぁ行きましょと隆の腕をグイグイ引っ張る
「えっ?えっ?」と遙に助けを求めるが、遙は郁の腕にまとわりつき「一緒にいきましょ!」と腕を絡ませる

隆は黒髪美女の名前すら聞いていない為、道すがら尋ねてみた
「あら。まだ自己紹介してなかったかしら?」と言ってクスッと笑う
「柴崎朝子です。笠原とは同期で、寮では同室なのよ」
「俺は本田隆です。あっちは妹の遙です」
もうご存知だとは思いますが・・・と頭を掻きながら自己紹介をする
柴崎はええもちろん知ってるわと微笑み返し、後を歩く遙達を見る

「可愛い妹さんね。歳はおいくつなの?」
「妹は23です。俺は25です」
「あら、私達と同い年なのね?年下だと思ってたわ」
「あ・・良く言われます・・童顔なんですよ」ふにゃりと笑うと「あらま!可愛い」と柴崎に言われ少し照れる

店内に入り、席に座ると郁の携帯が鳴った
堂上教官?と柴崎が尋ねると「うん」と答え電話に出た
「はい。笠原です・・・はい・・分かりました。では」と短く答え電話を切る
何だって?と柴崎が催促すると「もう少し掛りそうだから先に食べててくれって」
そう言いながら携帯をパタンと畳み鞄にしまう
少し寂しそうな表情だった
「別にキャンセルされた訳じゃないんだから、いいじゃない」と柴崎が言うと
「えっ・・別に・・」と口をもごもごさせながら、メニューを手に取る

ドリンクと食事を頼み終えると、柴崎の質問攻めが始まった
「ところで、兄妹仲良く旅行って珍しいわよね?しかも図書館なんて」
東京ならもっと観光名所があるでしょ?と話しだす
「そうですね。渋谷やお台場とか時間があれば寄ってみたいとは思いますが
 俺も遙も、あまり人混みの多いところが苦手でして・・・」
「だからって図書館って珍しいわ」
「武蔵野第一図書館は、関東図書基地に隣接する基地付属図書館でもありますし
 公共図書館としては都内最大級の蔵書量ですから、興味があったんです」
ふーんと柴崎答え、遙を伺う
遙かもニコッと笑い「私達兄妹は本が好きなんです」と答える

「本田兄妹って格闘技でも取得してるの?」
笠原もすごいけど、二人共見事な投げ技だったわ と続けて話すと、郁が「それはね」と
昼食時に会話した内容を柴崎に説明する

「十分、図書特殊部隊に入れるんじゃない?」試験受けて見れば?などと言いだす
隆は頭をブンブン振って、滅相もうない!と答え、遙は面白そうに笑っている
「俺達の武術は、基本の型を忠実に習得しているだけです。
 抗争の際には役に立ちませんよ」
「そんなのやってみないと分からないでしょ?」
「いや・・そもそも司書資格もありませんし、この年で試験勉強するのは勘弁してもらいたいですね」
「あら・・残念。ところでお兄さんの方はお仕事何をされてるのかしら?」
「俺は普通のサラリーマンです。大阪にある書籍を扱う中小企業に勤めてます」
「妹さんは?」
「私は大学院生です」
「ご実家は大阪だったかしら?」
「はい」
関西弁じゃないのね?とチラリと隆を見る
「あーー両親は元々東京出身ですので・・・」と答えると
ふーんと曖昧な返事が返ってきた

なんだ!この質問は?
大阪人は関西弁を話さないとダメなのか?
毎日お好み焼きとたこ焼きのイメージなのか??

まだ店に着いて少ししか経っていないのにも関わらず、隆はふぅーと息を吐き疲れきっていた