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【デジ無印 番外】 危機

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「お帰りなさい、光子郎。大変なの。」
「どうしたんですか?」
「昨日から太一君たちが行方不明になっているの。」
「太一さんたちが?」
「昨日、太一君たちから電話があったわ。もしかして、テントさんの世界で何かあったんじゃ。」
「(・・・テントさん?)行方不明になったのは太一さんとヒカリさんだけですか?」
「いいえ、ヤマト君とタケル君もいなくなったそうよ。」
「そうですか。ありがとうございます。」
そういうや否や、光子郎は部屋に入りパイナップルマークがついた黄色いパソコンを開く。
「ゲンナイさん。昨日から太一さんたちが行方不明になっているそうです。」
「それは突如現れた謎の新種デジモンの仕業じゃろう。」
「新種デジモン?ディアボロモンのようなデジモンなんですか?」
「あ~~。わからん。」
パソコンの前でずっこける光子郎。お馴染みの光景である。
「何かわかっていることはないんですか?」
「いや、わかっておるのは大いなる闇の力を持っとるということだけじゃ。新種デジモンが一体どこから現れたのか、目的はなんなのか。他のことは何もわかっておらん。じゃが、太一たちがこのデジモンに挑んでいったことは確かなようじゃ。噂好きのデジモンたちがそう話しとったからの。」
「じゃあ、まさか太一さんたちはそのデジモンに・・・」
「恐らく敗れたのじゃろう。じゃが、その後太一たちがどうなったのかはわからん。もしかするとどこかに捕えられとるのかもしれん。」
「そんな!」
「今までにその新種デジモンに敗れたデジモンは、忽然と姿を消したそうじゃ。じゃが、死んだとは思えんのじゃ。」
「そうですね。もしデジモンが死んだのなら、消えていく姿を他のデジモンが目撃していてもおかしくありませんから。」
「そうじゃ。じゃが、敗れたデジモンたちの行方は未だにわかっておらん。とにかく、このままでは何が起こるかわからん。」
「わかりました。すぐに皆を集めてそちらへ向かいます。」
そして光子郎は電話をかける。
「あ、丈さん?」
「もしもし、光子郎か?太一たちのことだろ?話は聞いてるよ。まさか太一たちが負けるなんて信じられないよ。太一たちの行方はわかっているのかい?」
「いえ。太一さんたちを含めた他にその新種デジモンに挑んだデジモンたちは、みんな行方がわからなくなっているそうです。」
「・・・まさか、太一たちは!」
「いえ、そんなことはないと思われる理由がいくつかあるんです。おそらく、太一さんたちはどこかに捕まっているのではないか思われます。」
「そうか。きっとそうだよな。あの太一たちが死んでしまうなんてありえないもの。わかった、僕もすぐにデジタルワールドへ向かうよ。」
「お願いします。」
次にミミ宅へ。
「あ、ミミさん?」
「あら光子郎くん、ヤッホー。修学旅行楽しかったねー。ママたち、お土産のもみじ饅頭すごい喜んでたよー。ところでどうしたの?」
「ミミさん、大変なんです。太一さんたちが謎の新種デジモンに捕まってしまったそうです。」
「エェー!?大丈夫なの!?」
「わかりません。でも助けに行かないと。」
「そうね、わかったわ。いまゲートは開いているの?」
「はい、もう丈さんが向こうへ行っているはずです。」
「じゃああたしもすぐ行くわ。」
「お願いします。僕も空さんに連絡したらすぐに向かいます。」
そして空の家に電話をする。この時の光子郎は知らないことだが、空は祖母の家から帰ってきていた。
「太一たちが謎の新種デジモンに捕まった!?」
「はい、昨日から太一さんたちが行方不明になっていて、それは突然現れた謎の新種デジモンの仕業ではないかと思われるんです。どちらにせよ、そのデジモンを放っておいたら、何が起こるかわかりません。」
「そうよね。私もすぐに行くわ。他の皆は?」
「もうデジタルワールドへ向かっています。僕もすぐに行きます。」
「わかった。じゃあ向こうで会いましょう。」
デジタルワールドに到着した四人は、ピヨモン、テントモン、パルモン、ゴマモンと合流した。
「一体、何がどうなっているんだい?」
「オイラ達にもわからないんだ。でも昨日から突然アグモンもガブモンもパタモンもテイルモンも連絡が取れなくなっちゃったんだよ。」
「それだけじゃないわ。他のデジモンたちもみんないなくなっちゃったの。」
「え!?それってまさかみんな捕まっちゃったってこと!??」
「いや、そうじゃないと思いますわ。多分どこかに隠れてるんとちゃいますか?」
「それならいいですが。とにかく太一さんたちとその新種デジモンを探してみましょう。」
「えぇ~?でも太一さんたちみんな負けちゃったんでしょ?あたしたちで大丈夫なの?」
「ミミくん。そんなこと言っている場合じゃないよ。とにかく、まずは太一たちが一体どこに捕まっているのかを調べなきゃ。」
「大丈夫よ、ミミ。あたしたちが付いてるじゃない。」
パルモンの励ましに、ミミも元気づけられる。
「そうね、そうよね。パルモンたちみんながいるもんね。きっと大丈夫よね。」
「そうそう、その調子。オイラ達がいるんだから大丈夫だよ。」
「せや、わてらが何とかしますさかい、安心してくださいな。」
「そ~ら、空は私が守るからね。」
「ゴマモン。」
「テントモン。」
「ピヨモン。うん!ありがとう。」
懐かしさを感じさせる会話に、まるであの時の冒険の日々に戻ったような感じがして、四人と四匹(体?)は微笑いあった。すると、唐突に声がした。
「あれ、ミミたちじゃないゲコか?」
「ホントだタマ!ミミたちタマ!」
「ゲコモン、オタマモン!」
それは、去年の冒険で友達になったゲコモンとオタマモンだった。
「やっぱり来てくれたゲコか。信じてたゲコよ!」
「オタマモン、ゲコモン。今、一体何が起こっているのかわかりませんか?」
「さあ、それが私たちにもよくわからないゲコ。」
「そうですか・・・」
「ほかのデジモンたちはどうしてるの?」
「みんなあいつに見つからない場所に避難してるタマ。」
「そう。よかった。」
「でも、そこは食べ物がない場所なんだタマ。」
「だからこうしてかわりばんこで食べ物をとってきてるゲコ。」
「そう、私たちがいない間にそんなことになっていたなんて。」
「その新種デジモンを見たことはありますか?」
「とんでもないゲコ!そいつの姿を見たデジモンはみんな消えてしまったゲコ!」
「消えたって、一体どこに?」
「わからないタマ。でもどこを探してもいないんだタマ。だから余計に恐ろしくてぇ・・・。」
「かわいそう・・・。でも、あたしたちが何とかしてみるわ。」
「せや、わてらでその新種デジモンとやらを倒せばいい話でっしゃろ?なんとかなりますやろ。」
「みんな、頑張りましょ!」
「ん?待って!」
「どうしたんだ?ゴマモン。」
「今、なにか聞こえなかった?」
そう、それは太一たちが聞いたあの呻き声のような音である。
「あ・・あああ・あ、あいつゲコ。」
「あいつって。もしかして」
「噂では、姿を現す前に呻き声のような音を立てるらしんだタマ。」
「・・・近づいて、来る!」
不意に、音が止んだ。そして、気づいたときにはすぐ後ろにそいつがいた。
「ギャーーーーー!でたゲコーーーーーー!」