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【デジ無印 番外】 危機

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「もしかするとこいつは、今まで倒したデジモンを飲み込んで、必殺技をコピーしているのではないでしょうか。」
「え!?どういうこと!?」
「気になっていたんです。あいつに戦いを挑んで負けたデジモンは、死んだわけでもなく忽然と姿を消したそうです。太一さんやアグモンたちもそうです。その理由は、どこかに捕まっているものだということになっていましたが・・・。」
「そんな、信じられないわ。」
「でも、今使ってきた必殺技は全ていなくなったアグモンたちの必殺技です。そう考えるしか。」
もう考えている余裕はなかった。嫌が応にもこの仮説が正しいことを信じなければならない必殺技を繰り出してきたからである。
敵は、左腕を振り下ろした。その腕の先から剣が飛び出してくる。その側面に刻まれたプログラム言語で「おーるでりーと」と書かれた文字。光子郎は、見覚えがあった。そう
「グレイソード・・・。」
右腕を振り下ろすと巨大な大砲が
「ガルルキャノン・・・。」
その二つの武器をこちらに向けてきた。
「皆さん、逃げてく・・・!」
時すでに遅し。右腕から閃光が放たれ、全てを一掃した。
荒廃したこの場所の中に、成長期へと退化してしまった四体のデジモンと子供たちが倒れていた。もう、立ち上がることもできないほどに、ダメージを受けていた。
勝てない。もう絶対に勝てない。あのオメガモンの必殺技さえもコピーしてしまっているこのデジモンに、勝つ術はない。子供たちの中にあるのは、絶望しかなかった。
きっとこのまま自分たちはこの謎のデジモンに飲み込まれてしまう。そうなってしまったら、このデジタルワールドにいるデジモン全てがこいつに飲み込まれてしまうだろう。そして、デジモンをすべて飲み込んでしまったら、こいつは一体どうするのだろう?もしかしたら、このデジタルワールドそのものを飲み込んでしまうかもしれない。そしたら、デジタルワールドと表裏一体である地球は一体どうなるのだろうか?
倒さなければならない。一年前の時のように、みんなで力を合わせて。だが、今はそのみんながいない。残された自分たちも倒されてしまった。もう、どうにもならない。
敵は、ゆっくりとこちらに近づいてきた。万事休す。
しかし、それでもなお立ち向かっていこうとする姿があった。
「オイラ、たちが、あいつを、倒さ、なきゃ。」
「私たちしか、戦うことが、できないん、だから。」
「わてらで、なんとか、せんと。」
「アグモン、たちも、帰ってこない、わ。」
しかし既に体はボロボロで、エネルギーも完全体はおろか、成熟期に進化することさえもできないほど消耗してしまっている。子供たちは、デジモンたちを止めようとする。こいつを倒さなければならないという思いは子供たちも同じ。だが、それよりもこれ以上自分の大切なパートナーが傷つくのを見るのは耐えられなかった。
「よせ、ゴマモン・・・!」
「行っちゃダメよ、ピヨモン・・・。」
「テントモン、やめて、ください。」
「パルモン、ダメ・・・!」
「光子郎はん・・・」
「ミミ・・・」
「空・・・」
「丈・・・でも」
「もういいんだ。僕たちは、あいつにかなわなかったんだよ。きっと、八人みんな揃わないと勝てない相手だったんだ。これ以上の戦いは、無意味だよ。」
その言葉に異を唱える者はいなかった。子供たちは、大きな闇の力の前にまさに飲み込まれようとしていた。
『諦めちゃダメだ!』
どこからか、太一の声が聞こえた。気がした。
『まだ負けたと決まったわけじゃない。でも諦めたら負けなんだ。勇気を出すんだ!』
「太一、さん?」
『俺たちは今、そこにはいけないけど、それでも心はみんなと一緒だ。俺たちも一緒に戦う!』
「ヤマト君・・・?」
『ミミさん、空さん、丈さん、光子郎さん、頑張って!』
「タケル君?」
『わたしたちもきっとみんなの力になります。』
「ヒカリちゃん?」
声が聞こえてくるというよりは、頭の中で声が響いているような感覚に四人の子供たちは戸惑う。しかし、同時に勇気づけられた。
「そうよ。こんなやつに、ヤマトたちを奪われたままでいいはずなんてない!」
「太一たちがまだ戦っているというのに、僕たちがへこたれてちゃいけないな。」
「そうだよ、丈!」
「ミミ、もう一度頑張りましょ!」
「うん!」
子供たちは、再び希望を取り戻すことができた。しかし、相手はオメガモンの必殺技さえコピーしてしまっている最強のデジモン。さらにこちらはもう進化することさえ危うい状態なのだ。本当に勝つ可能性はあるのだろうか?希望を取り戻した子供達でも、その答えを見つけ出すことはできなかった。
『大丈夫だ、心配すんな。俺たちがついてる!』
「そうよ、太一さんたちがついてるんだもん。こんなやつなんかに負けないわよ!」
「選ばらし子供たちである僕たちなら、きっとあいつを倒すことができるはずです!」
「こんなやつに、デジタルワールドを好きになんかさせない!」
「私たちは今、八人みんなで戦っているんですもの!」
すると――――――――――――――。
四人の子供たちの体が、それぞれの紋章の色に輝きだした。その光はまっすぐ上昇し、それぞれのパートナーデジモンの上に降り注いだ。そして!
「ゴマモン、ワープ進化ああああぁぁぁぁっ!」
「テントモン、ワープ 進化あああああああああっ!」
「ピヨモン、ワープ進化ああああああーー!」
「パルモン、ワープしんかああああああああーーーっ!」
デジモンたちの姿が急速に進化していく。成長期から成熟期へ、成熟期から完全体へ。そして、完全体から究極体へ。
「プレシオモン!!!」
「ヘラクルカブテリモン!!!」
「ホウオウモン!!!」
「ロゼモン!!!」
その様子を、子供たちは驚きながら見上げていた。
「あれは・・・。テントモンが・・・」
「ピヨモンが・・・」
「ゴマモンが・・・」
「パルモンが・・・究極体に進化したの?」
『プレシオモン
ゴマモンが究極体に進化した、首長竜型デジモン。普段は滅多に姿を現わさず、霧が立ち込める視界の悪い日にその姿を現す。その姿は白く輝き洗礼された様な神秘的な存在である。
必殺技は、甲高く、透き通るような声で鳴き、聞くものを悲しみで包み込み戦意喪失させるソローブルー。
口から発する超音波を最高出力で発射し、攻撃するシェイキングパルスだ!』
『ヘラクルカブテリモン
カブテリモン種とクワガーモン種のデータを併せ持って進化した究極の昆虫型デジモン。巨大な角と鋏を持ち、黄金色に輝く体で飛び、超音速でデジタルワールドを駆け巡る。
必殺技は、カブテリモンの技であったメガブラスターの威力を最大限まで上げ、敵を粉々にするギガブラスター。
4本の腕から超強力なエネルギー弾を発射するハイメガブラスターだ!』
『ホウオウモン
黄金色に輝く4枚の翼、そして二つのホーリーリングを持った聖なる聖獣型デジモン。全ての鳥型デジモンの長であり、神聖系デジモンを統べるものと言われている。
必殺技は、口から発した炎を翼の力で飛ばすクリムゾンフレア。
すべての悪を浄化する力を持つ黄金の粉を、翼から降り注がせるスターライトエクスプロージョンだ!』

『ロゼモン