Muv-Luv A Lost Human ~消えたはずの男~
????.??.??
Side ???
「う・・・・・」
どのくらい寝ていたのだろう。
身体のあちこちが痛い。
そして頭も痛い。
「起きたの・・・?」
余りにも驚いたのか、白衣を着た女性がコーヒーカップを落とす。
「あー・・・えっと・・・そうだな」
するといきなりその女性は俺に抱きついてきた。
「ッ!?」
「よかった・・・目をさましてくれて・・・」
よく覚えている。彼女の名は香月夕呼。
国連軍横浜基地副司令で、この俺、ウォルムス・トゥワイスの大事な彼女だ。
確か俺・・・国連軍横浜基地配属の少佐なんだよな。
あ、ちなみに専用機はこの世界ではまだありえないオーバーテクノロジーの塊のMSN-04 サザビー。
横浜ハイヴ攻略のために打ち込まれたG弾による異次元フィールド発生後に発見された機体である。
なお、この機体を操れるのは俺しかいない。
・・・・・ってなんでこんなに覚えてるんだろ?
Side 香月
ふふふ・・・・・
洗脳は完璧なようね!
まぁ本当はとうの昔に洗脳は終わってて、横浜基地に配属させてたんだけどね!
だから恐らく彼が回想しているシーンはその頃のだと思うわ。
「それにしても随分ながく寝てたわねぇ」
「え?そんなにか?・・・あれ?今って何年の何月?」
「今はね・・・・・
2001.2.9よ?」
あ、そういえば来月から篁の娘が横浜基地に来るんだった。
めんどくさいわねぇ・・・・・
その頃、帝国軍市ヶ谷技術廟では・・・・・
「篁大尉!国連軍横浜基地から辞令が届いてます!」
「・・・・・」
「あ、あの・・・ここ、置いときますね?」
一応の伝言をし、辞令を持ってきた男性は帰っていく。
「おい、篁大尉はやめておけ」
「なんでだ?あんな美人を好きになっちゃいけないのかよ」
「大尉、三年前に死んだ上官のことがまだ好きなんだよ」
「マジかよ。未練タラタラじゃねぇか」
そんな男たちの会話は露知らず、唯依はマイのことを考えていた。
「(私は・・・マイさんだけいればそれでいい。他の人がどうなろうと知らない。ああ、マイさん・・・どこにいらっしゃるんですか・・・・?)」
その時の唯依の目は、とてつもなく死んだ目だったそうです・・・
・・