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Muv-Luv A Lost Human ~消えたはずの男~

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横浜基地副司令室
「失礼します。帝国軍技術大尉、篁唯依。出向命令により只今出向いたしました」
「ごっくろーさん♪あ、私は基地副司令の香月夕呼よ。よろしく」
社交辞令を済ませる二人。
「・・・で、なんのご用件ですか?」
「ここで新鋭機の評価試験を行うのよ」
「・・・・・は?」
なぜアラスカでやっていることと同じようなことをするのか?と若干呆れ気味の唯依。
「あら?巌谷中佐から許可もらってるけど?あの人もあんたをこっちに配属させていいって」
「・・・・・はぁ」
あまりのことに溜め息をつく唯依。
その時、副司令室のドアが開いた。
「やぁ、夕呼。今日も来たよ」
仮面をつけた男が入ってくる。
「やん♪早すぎだわ♪お客さんがまだいるのに♪」
さっきと違い、ものすごくノロケる香月。
「・・・・・は?」
あまりのことに声がでない唯依。
「こちらは?」
「ああ、彼女は・・・」
「あ、はい!帝国軍技術大尉の篁と申します!」
「ふむ・・・・・君が、か」
意味深な言葉をはく仮面の男。
「私はこの基地配属のMS部隊の隊長で、教官もやっているウォルムス・トゥワイス少佐。ご覧の通り、国連軍の軍人だ。先程はすまなかった」
いきなり謝るウォルムス。
「あら?何をしたのかしら?」
「そう怒らないでくれ、夕呼。彼女の乗る飛行機の近くにまで模擬戦の空域を広げてしまったのだ」
「え?模擬戦闘・・・?もしかしてトゥワイス少佐がMS-09-2のパイロットですか?」
「何を言うのだ。私はMSN-04、サザビーにしか乗らんよ」
「もしかして・・・・・」
「ああ。赤い機体だ」
そう。何を隠そうとも、彼がサザビーのパイロットだったのである。
「まったく・・・またクリスカ?」
「ああ、これで74戦74敗なのによくやるよ」
「ホントねぇ・・・負けず嫌いなのかマゾなのか・・・」
恐らく負けず嫌いなのだろうが。
「あ、そうだ。ウォルムス、篁大尉に基地の案内をしてあげて」
「え!?」
「ああ、構わんが・・・宜しいかな?篁大尉?」
「は、はい!お願いします!」
「・・・いい娘だ」
ボソリとそう呟くウォルムス。
「では行くぞ。夕呼、また後でな」
「はいは~い♪浮気はダメよ?」
「分かっている。私には君さえいればそれでいい」
「あら♪言ってくれるじゃない♪」
「・・・・・」
唯依はこの二人の会話を聞きながらとてもウンザリしていた。