二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅰ

INDEX|3ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

洋助は決闘場に走っていき、僕は、先に会話に飽きてベンチに座って寛いでいた風香の隣にいく。

「光輝〜平和な時は積み決闘しよう!」

風香はどこからともなくエクストラデッキの山を取出し、自分のデュエルディスクに差し込むと、モードを積みデュエルに変えた。

積みデュエルとは、お互いでカードを引き、モンスターレベルの高いカードを引いたものが勝利する簡単なゲームだ。

「デッキの調整するんじゃなかったのかよ?」

聞けば、風香は首を横に振る。

「別に〜?」


何を考えているのか分からない奴である。僕は風香のディスクからカードを引いた。レベル9シンクロモンスター【ミストウォーム】が現れた。

「よっしゃ!レベル9だぜ、こりゃ僕の勝ちだな!」

僕は勝ちを確信して風香に目を向ける。

「お主なかなかやるではないか〜!だが!まだまだよ」

風香はじじくさく言いながらディスクからカードを引いた。

「はい、勝ち〜」

風香は引いたカードを裏返す、そこには融合モンスター【FGD(ファイブゴッドドラゴン)】レベル12の姿があった。

「ば!!!馬鹿な!!」

「エクストラデッキ80枚〜先行は光輝だったからファイブゴットドラゴンを引く確率は79分の1だよ〜」

わかっていた。風香に運で勝利するなんて事は不可能だからだ。良くしらないが、彼女は生れ付きから非常に運がいい少女なのだという。決闘の際もその運の良さが遺憾なく発揮されるため、我がクラスの最強の決闘人は彼女であるといっても過言ではない。

「だが!僕は!!運命を変える!!」

挫けずに僕は二枚目を引く、ランク1エクシーズモンスター、ベビートラゴン。
「…………」

エクシーズモンスターにレベルの概念はない…この時点で相手がエクシーズモンスターを引かない限り、僕の敗北が確定される。

「あちゃー…運無いね〜」

風香は二枚目を引こうと手を伸ばした。

「光輝〜!!」


一人の生徒が走ってくると、息を切らせて倒れこむ。

「だ…大丈夫か?」

僕は積みデュエルを中断し、生徒を引き起こす。

「光輝〜!オレのデッキが!!オレのデッキが〜!!」

彼は我がクラスの生徒で名前は【高無武】という。僕はまさかと思い、彼のデュエルディスクに目を向ける、そこにデッキはない。

「落ち着いて武君、何があったの?」

風香が優しく声を掛けると、武はゆっくり顔を上げ瞳いっぱいに涙を溜める。

「ひでえんだよ!…普通に調整したいとか言って僕と決闘して…勝ったら勝ったでアンティールールだとかいって無理矢理僕のデッキを…!」

恐らく、洋助の言っていたデッキ強盗だろう…明確な…悪だ…。

【パアァッ】

そこで、僕の悪という心の声に連動するかのように、僕のデッキケースが光りだした。

『悪しき汚れを拭い取り、輝きを取り戻せ…』

僕の頭を突き抜けた不思議な言葉…、それは僕の心に正義の心を呼び覚まさせる。

「光輝?聞いてる?」

「武、その悪の居場所は?」

俺は武の前で立ち上がる。

「でた〜!光輝の正義モード〜!」

気の抜けたような言い方の風香、そんな軽口を無視した俺は武るを見つめた。

「つ!ついて来てくれ!!」

武は、希望の光を見いだしたかのように俺の手を取り、走りだした。


俺が案内されたのは体育館の裏側だった。

「あんた達ね…最近噂のデッキ強盗!」

そこには既に海里がおり、海里は凄まじい形相で、目の前でカードを見ながらにやけあう上級生の不良三人と睨み合っていた。

「だったらどうしたよ、可愛い子ちゃん?」

不良の一人は立ち上がり、海里に迫る。

「くっ…」

思わず身構える海里。

「滅びの爆裂疾風蹴りー」

前にいた不良の身体が、風香の全体重を乗せたドロップキックを浴びる。

「どあ〜!!」

不良はそのまま軽々と飛んで倒れ、手にしていた武のデッキらしきカードが散らばり地面に落ちる。

「なにしやがるテメェ!!」


当然見ていた二人が風香に掴み掛かるが、風香は風のような身のこなしですり抜け海里の前に行くと、二組の間に俺が割って入る。

「なんだテメェ!」

不良の一人が俺に叫んで来るが、俺は怯まない。

「決闘人の命を奪う貴様等の悪業、聞かせて貰った…俺と決闘だ!貴様らの悪に汚れた宝石…俺が磨いてやるっ!」

俺はデュエルディスクをセットし、身構える。

「こ…こいつ…」


不良の一人が光輝を見て身を退いた。

「ま……まさか!…こいつがあの宝石の騎士!?」

「宝石の…騎士?」

もう一人の不良は知らない様子の素振りをした。

「こいつと決闘して敗けた奴は…魂を抜かれて人格を変えられちまうんだっ…」

まるで俺が悪みたいな言い草をしやがる…。完全にビビった二人は腰を抜かして倒れる。

「どうした?…悪よ…俺に恐れを為したのか?…そんな程度の根性で悪事に手を出したのかっ!!」

俺に怒鳴られた二人は完全に腰を抜かした。

「何してんだ?…おまえら」

そこへ、遥かに背の高い大柄の男が現れる。丸坊主の男は目にサングラスをかけ、袖のないコートを着ており、屈強な褐色の両腕が覗いている。

「あ!?、兄貴!!」

二人は希望を見いだし、兄貴と呼ばれた男に駆け寄る。

「兄貴!あいつ!!宝石の騎士ですぜ!!」

「あん?宝石の騎士だあ?」

男は俺をじろじろと見れば、サングラスを外してピアスにまみれた唇を笑わせる。

「単なるガキ相手に何をビビってやがる…」

俺は確信した…そして彼の心(宝石)の汚れを見た。

「貴様が親玉だな…さあ!決闘だ!!」

俺が怒鳴ると、男はカクカクと肩を揺らして不気味に笑う。

「面白い…テメェの命もスクラップにされてえようだな!!!」


「スクラップ…だと?」

俺の反応に男は下衆の笑みを浮かべる。

「ああ!そうよっ、俺は決闘者の命を踏み躙るのが大好きなんだよ!!ははっ…敗けてデッキを奪われた奴らの顔は…傑作だったぜ!?ははははははっ…」

「黙れ…」

俺は明確な悪に身体から怒りが沸き上がって来るのを感じた。

「ああん?…」

男は不愉快そうに首を傾げ身構えた…最早話す言葉はない…俺はこいつを倒すそれだけだ。

「はは!!いいねその目!!ゾクゾクするぜ!!」

男は狂喜の笑みで顔を歪ませ、取り出したデュエルディスクを取り付け、サングラスのようなDゲイザーをとりつけた。




「「決闘ッ!!」」

二人の掛け声を合図に、Dゲイザー越しにバーチャルな世界が広がると、二人の頭上に4000の表記が浮かび上がる。

「俺は塵山武士だ!!」

突然、武士が名乗りを上げた。

「…何?」

そんな俺の表情をみた武田は不気味に笑う。

「敗けて命を失うんだ…名前ぐらい名乗らねえと後ぐされわりいだろ?」

「…くだらん…」

心底下らない…俺はそう思いながらも口元は笑わせてしまっていた。

「先行は頂くぜ!!ドロー!!!」

塵山はその右腕でカードを掴み取り引く一目見るなり、それを左手の手札に加える。

「俺は!スクラップ・ビースト(レベル4チューナー・効果、獣族、攻撃力1600、守備力1300)を攻撃表示で召喚だぜ!!」