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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅰ

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召喚されたのはゴミの山であり、そのゴミ達が集まって一体の犬のようなモンスターとなる。

「スクラップ・デッキ…」

俺は、目の前に表示されたスクラップ・ビーストの攻撃力を見て鼻をならす。

「俺はターン終了だ!さあ!!こいや!!」

塵山は魔法・罠ゾーンに何も伏せずに凄みながらターンを終了する。

「俺のターン!!ドロー!!」

俺はデッキから左手でカードをドローし、右手の手札に加える。

「俺は!手札から!!ジェムナイト・アレキサンド(レベル4、効果、岩石族、攻撃力1800、守備力1200)を攻撃表示で召喚!!」

地面を突き破り、太陽の光を浴びて虹色に煌めくアレキサンドライト鉱石が現れて砕け、中から赤、青、緑の光沢を放つ騎士の甲冑が現れ、身構える。

「じ…ジェムナイト?…なんだそりゃ…」

後ろに控えていた不良二人が不思議そうな表情をしていた。

「きさまらには分かるまい、そして知った時は彼らの正義の光りに消し去られるのさ…」

俺はそう言って目の前のスクラップ・ビーストを睨む。

「バトル!!ジェムナイト・アレキサンドでスクラップ・ビーストを攻撃!!」

指示を受けたアレキサンドは、高々と飛び上がり、虹色に輝く光りの剣を振り上げる。

「【アレキサンド・スラッシャー】!!」

アレクサンドは七色に輝く光りの剣を振り下ろし、スクラップ・ビーストの身体を一刀両断に切り裂き、切り裂かれたスクラップ・ビーストは爆発する。

「ぐう…」(4000〜3800)

塵山は、ダメージを食らいながらも不気味な笑みを崩さない。

「俺は!、カードを一枚伏せて!ターンエンドだ!!」

俺のフィールドに裏向きのカードが現れ、塵山のターンとなる。

「へへ…やるじゃねえか!だが、まだまだ勝負はこれからだぜ!!」

塵山はへらへらと屈強なイメージには合わない態度でデッキに手を触れる。

「ドロー!!」

カードをドローし、左手の手札に加える。

「へへへ…俺は!スクラップ・ゴブリン(レベル3、チューナー・効果、獣戦士族、攻撃力0、守備力500)を守備表示で召喚!!」


フィールドに現れたのは、時計と何かが合わさったような小さなモンスターだっ。

「俺は!一枚を伏せてターンエンドだ!!」

塵山のフィールドに一枚のカードが現れ、俺のターンへと切り替わる。

「オレのターン!ドロー!!」

俺は目の前のスクラップ・ゴブリンを見据える、守備力500の弱小モンスターをさらすかのように配置して不気味にやける男の下に伏せられたカードを見据えた…。

「あれはなんだろ〜…光輝の攻撃を誘う戦法かな〜?」

観戦している風香が呟けば、海里は武に目を向ける。

「どうなのよ」

「え?…何が?」

海里は侮蔑とした表情を浮かべ武の首を掴む。

「あんた戦ったんでしょ!!」

女の子とは思えない握力で絞められれば、武は首を横に振る。

「わかんないよ!僕はあの後ろの三人と戦ったんだから!!」

海里は呆れて武を離した。

「使えないわね…」

唾でも吐き捨てるように言えば、風香に目を向ける。風香はカリカリと親指の爪を噛みながら眺めていた。

「うちのクラス最強のあんたなら予想つくんじゃない?コウキに教えてあげたら?」

「ん〜?」

風香はにんまりと笑顔を向けて首を傾げた。

「そんな事したら楽しくないでしょ?決闘は楽しくやらなくちゃ〜」

風香はどちらにもつかない…何処までも中立であった。

「バトル!!ジェムナイト・アレキサンドで!!スクラップ・ゴブリンに攻撃!!」

俺はアレキサンドに攻撃の指示を出し、アレキサンドは素早くスクラップ・ゴブリンに駆け寄り、横殴りに虹色の剣を振るい、スクラップ・ゴブリンは直撃を受け爆発する。

「へへ…残念だったな」

俺は不気味に笑うと、煙の中からスクラップ・ゴブリンの姿が現れる。

「スクラップ・ゴブリンの効果は…バトルフェイズ中戦闘では破壊されねえのさ!その代わり!攻撃対象に指定されたバトルフェイズの終了時に破壊されちまうのさ!」

ならばバトルフェイズの終了時に破壊されるなら、オレの有利は変わらない…。
「はあ…やっぱね〜」

風香は遠目から眺めつつため息を漏らした。

「な…なに?あの伏せは…ブラフだとでもいうの?」
海里はそんな風香の顔色を伺えば、風香は首を横に振る。


「あの人のデッキは墓地を肥やすデッキみたいだから……あれはブラフであってブラフじゃないね〜…つまりはパーツを揃えるキーカードだよ〜…つまりとこあれは」

風香はこの展開を楽しそうに、眺めながら…一言を呟いた。

「速攻魔法…」

「速攻魔法!スクラップスコールを発動!!」

風香の読みどおり、塵山は速攻魔法を発動する。

「このカードは!自分フィールド上のスクラップと名の付いたモンスター一体を選択し、デッキの中からスクラップと名の付いたモンスター一体を墓地に捨て!デッキから一枚ドローできる!」

塵山はデッキの中から一枚のカードを抜き取る。

「俺は!スクラップ・キマイラを墓地へ送り、一枚をドロー!」

スクラップ・キマイラというカードを墓地へ送り、カードを引いて手札に加える。

「その後、選択したモンスターを破壊する!俺はスクラップ・ゴブリンを破壊!」

スクラップ・ゴブリンは黄色い光りの粒となり消えてゆく。

「そこでスクラップ・ゴブリンの第二の効果発動!!スクラップ・ゴブリンが、スクラップと名の付いた効果によって破壊された時!墓地のスクラップ・ゴブリン以外のスクラップと名のつくモンスターを手札に加える事が出来るのさ!!俺が手札に加えるのは…スクラップ・キマイラだ!」


墓地からスクラップ・キマイラを手札に加え、光輝のバトルフェイズが終了する。

「ならば俺は!メインフェイズ2でジェムナイト・アレキサンドの効果を発動する!!」

俺の宣言に、相手の塵山は顔をしかめる。

「効果…だと?」

「そうさ、知ってるか?アレキサンドライト鉱石は…反射する光のスペクトル系統、鉄やクロムの含量によって色が変わって見える不思議な鉱石のさ!!」

俺はまるで祈るようにアレキサンドに目を向ける。

「つまりアレキサンドは!他のジェムナイトに為ることが出来るのさ!!」

「な…何だと!?」

目の前で塵山の額に汗が浮かぶのが分かり俺は笑みを浮かべた。

「おれは、フィールドのジェムナイト・アレキサンドをリリースし!デッキの中から…ジェムナイト・ガネット(レベル4、通常、炎族、攻撃力1900、守備力0)を!攻撃表示で特殊召喚!!!」

ジェムナイト・アレキサンドが太陽の光を受け光の中で鉱石に戻り、赤い輝きを放つ柘榴石に移り変わると。柘榴石は砕け、柘榴石と同じ色の輝きをはなつ美しいジェムナイトがあらわれる。

「け…なんだよたったの1900ぽっちかよ…びびらせやがって…」

「その言葉…後悔させてやる…俺は更にカードを一枚伏せてターンエンドだ」

俺の足元に二枚のカードが並び、塵山は不適な笑みを漏らす。

「後悔すんのはテメェだ!!俺のターン!!ドロー!!」