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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅱ

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「嘘だな、お前はいい加減親離れを覚えろ」


こいつが自分一人の力で起きた所を見たことが無い僕にそんな出任せは通用しない…。

「……」

反論の一つでも帰って来るかと思ったが、風香は黙りこくってしまった…少し言い過ぎたか?。心配になった僕は、そっと風香の部屋を覗き込んだ。

「…風香?」

僕の心配を余所に、風香は服を抱き締めたまま可愛らしい寝顔で座った姿勢で寝ていやがった。

「そうかそうか〜まだ足りないか〜」

僕は満面の笑みでゆっくりと部屋に入り、ベッド脇に放置されていたDゲイザーを彼女に取り付ける。


「俺は手札から!!ジェムナイト・フュージョンを発動!!フィールド上のルマリンと!手札のサフィアをジェムナイト・フュージョン!!」

現れたのは黄玉の上級騎士、僕は情け容赦なく指示を飛ばした。

「いけ!!ジェムナイト・パーズ!!そこのバカにダイレクト・アタック!!」
ジェムナイト・パーズは歩いて風香の前にいき、その頬を張り飛ばす。

「のふう!!」

風香は右向きに飛んで身を起こす。

「な!なにするの〜」

「ジェムナイト・パーズはもう一度だけ続けて攻撃が出来る!!ジェムナイト・パーズ!そこの馬鹿にもう一度ダイレクトアタックだ!!」

「ひ!!ひいい」

楽しかった!、僕は散々風香をジェムナイト・パーズで叩きのめして着替えさせ、さっさと外へ出た。

「うー…朝から疲れちゃったよ…ママ!将来の夫はDVです!」

甚だしい位に侵害な事をぬかしやがるな…。

「将来の妻が仕事をしないからだっ…つか、親達が勝手に盛り上がってるだけの冗談話を信じるなよ」

「え〜?…光輝はやなの?」

風香は真顔でそう言って来るので、僕は少しイラッとくる。

「僕は親に決められて云々って言うのがいやなのさ、そういうお前は嫌じゃないのか?」


すると、風香は僕を追い抜き前に出て背伸びをする。僕は思わずその健康的で痩せ形の肢体に見惚れてしまう。

「ん〜…光輝なら別にいっかなっ」


おおっ!!?こいつ、おおっぴらにコクってないかあ!?。

「なんちゃって〜!!顔を真っ赤にしちゃって〜光輝かわいい〜♪」


僕は風霊術使いのウィン似の風香の顔面を思い切り掴んだ。

「あっ…あれ〜?……こうき?いたいよ〜?」

「てめーはオレを怒らせた…」

僕は風香の顔にアイアンクローをお見舞いし、彼女が泣き喚いて許しをこうまで、離してやらなかった…少年の純情を弄んだ罪!身を持って償うがいい!。

そんなこんなで学校へとたどり着くと、下駄箱には丁度よく海里がいた。

「あ!えみりーだ!おっはよー」

えみりーというのは風香がつけた海里のあだ名で、彼女がリチュア・エミリアに似ているからという理由でそう呼ばれるようになった(海里は嫌がっている)。

「お〜おはよっ…って!どうしたのよその…顔に手形が付いてるわよ?」

海里はかいがいしく風香の顔についた僕印の手形を見て驚き顔をした。

「未来の夫にDVされた〜」
その言葉に海里の殺意を宿した眼差しが僕を突き刺す。

「光輝!?未来の嫁に何してんのよ!!」

海里に怒鳴られた、しかし僕にはちゃんとした…。

「問答無用!!洋助!やーっておしまいっ!」

「あいよー!」


どこからともなく現れた洋助の飛び膝蹴りが僕の顔面に突き刺さると、僕の体は空を舞い地面に落とされた…。

「ぐふっ…」

呻くのもつかの間、タイミング良く通りかかったお掃除ロボットに捕獲される。

『ゴミ!ゴミ!ゴミ!』

僕をゴミといいながら運んだロボットは近くの燃えないゴミ箱に僕を放り込んだ。

「ちょっと…やりすぎなきがする〜」

風香は哀れむようにゴミ箱の僕を眺めた。

「DV夫なら自業自得よ!」

「だな!暴力はテロの始まりって母ちゃんが言ってたぜ!?」


いや、それなんか間違ってるぞ洋助…。

「さあさ…DV光輝なんてほっといてクラスにはいりましょ?」

「えっ…でも〜」

「ほらほらいこうぜ!!」

僕を見捨てた幼なじみ達は、クラスに向かっていった…。いつか、仕返ししてやろう、僕は心にそう誓った。


そんなこんなで昼休み、午後は全学年合同の決闘(デュエル)実習があるため、僕達は昼食がてらに集まってお互いのデッキを調整していた。

「あんたさっ!もうちょい守りを固めようとか思わないわけ?」

海里は洋助のデッキを横目に見れば、洋助は首を横に振る。

「いらないいらない、守る時間があったら俺は攻めぬくぜ!」

洋助はデッキを眺めながら、暑苦しくもあるセリフを吐いた。

「洋助らしいね〜」

そんな洋助を風香が誉めると、洋助はデレデレとなる。

「ははは!まあな!」

ちっ…とと、僕の嫉妬はいいとしよう。

「あーそーそー」

突然、風香がジャケットのポケットをごそごそあさりだす。

「昨日の夜ね〜、電話で光ちゃんにNO.の話をしたらさ〜…用心も兼ねて御守りついでにって〜夜遅くに持って来てくれたの〜」

それは…8枚のモンスターカードだった。光(ひかり)とは、僕達の幼なじみその4で月明光(つきかりひかり)という。光は、双子の探偵【白黒姉弟】としてそれなりに有名な探偵の姉である、因みに弟は幼なじみその5で名前は月明闇(つきあかりあむ)女の子のような名前だがれっきとした男である。二人は中学生でありながら、様々な事件の依頼を受けて出向くため学校には滅多に来ない…そんな二人の専門はカードによる犯罪である。

「光が興味を示したって事は闇の奴も調べだしたのか?」

洋助が心配そうに風香に顔を向けると、風香は渋々と頷いた。

「なんかね?あむくんの話だと〜ほんの昨日まで知らなかった筈の、なんばーずってカードが…懐かしくも感じるだとか…兎に角、不思議な気分なんだって〜…」

風香の口からではとてもじゃないが分からない…機会があれば出向くとしよう。

「で〜!みんなに護身用のカード!」

風香はそれぞれにカードを配り始める、そのカードは…【ヴァイロン】である。

「洋助にはヴァイロン・ステラと、ラヴァル・ステライド」

二枚を譲り受けた洋助は意味ありげに笑う。

「またお前と戦えるのか!宜しくな!ステラ!」

「海里には、ヴァイロン・テトラとイビリチュア・テトラオーグル」

海里は何処か気乗りしない感じで受け取る、何処か哀しげに…無言で。

「光輝にはヴァイロン・プリズムと、ジェムナイト・プリズムオーラ」

そのカードを手に取った瞬間、胸元のデッキケース達が共鳴するかのように振動する。

「そしてあたしには、ヴァイロン・スフィアとダイガスタ・スフィアード」

風香は何処か自慢気に見せてから、四人同時にカードをデッキに入れる。僕達は数ヶ月前に、このカードを使ってネットワークを介して世界の電気を全て使用不能にしようとした月明闇の暴走を止めたのだが…それはまた別の話である。

【キーンコーンカーン】

そんなこんなでけたたましく全学年合同の決闘授業が始まった。

「ステラの力!早速ためしてやるぜー!!」

洋助はチャイムの音を聞くやいなや飛び出して言った。

「あの…熱血ばか…」