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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅱ

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海里は、呆れた様子でそんな洋助の後ろ姿を眺めていた。

「風香はどうする?」

僕は風香に聞くと、風香はにへら〜っと穏やかに笑みを溢した。

「あたしはのんびりしてるよ〜全学年合同っていったら…あたしなんかじゃ勝ち目ないしね〜」

我がクラス最強がそんな弱腰でどうする…幸先が不安になるじゃないか。

「海里は?」

海里に顔を向けると、海里は呆然としていた。

「海里?」

「へ!?…あっ、なに?」
海里は慌てるような仕草で此方に顔を向けてきた。

「大丈夫か?風邪?」
僕は額に手をやろうとすると、海里はその手を強めに叩きとばした。

「だ!大丈夫よっ!!風邪じゃないわ!!…取り敢えず観戦はしたいからあそこいかない?例の場所」


「さんせーい!」

その意見にぐだっていた風香も飛び起きる。

例の場所と言うのは、古く学校の地下に設けられている決闘スペースである。今は一階や二階にも決闘スペースが設けられているため、滅多な事でも無いかぎり他クラスの人間は来ず、調整クラスと呼ばれる僕達の溜り場でもある。


涼しくもなく暖かくもない環境は心地よく、昼寝にも最適な場所なため風香や海里は授業を抜け出して昼寝に行くらしい。


そうもしている間にエレベーターを下り、地下へやってきた僕達。扉が開くと何故か通路にクラスメート達が溢れていた。

「はれ〜?どうかしたの〜?」

風香は颯爽と男子達に加わり、会話を始める。

「それが…隣のクラスの奴等が独占して使っててさ!!一面でもいいから使わせてって言ったんだけど…なら勝てって言ってきたんだよ…風香!なんとかしてくれよ!」

「この子を頼るんじゃないわよ…さっさと倒せばいいじゃないのそんな連中」

海里は風香を引き寄せるように前に出れば、腕を組みつつ愚痴を漏らした。が、男子達は顔を見合わせる。

「相手は!隣のクラスで最強の光道文男(こうどうふみお)だぞ!?僕らなんかじゃ…」




「ふーみんが?…しかたないなぁ、あたしがいって話してくるよお…」

ふーみんとあだ名をつけるという事は、風香は知っているらしい。そんな風香の後を追いかけ、決闘スペースに付くと。

「行け!裁きの龍《ジャッジメント・ドラグーン》(レベル8、効果、ドラゴン族、攻撃力3000、守備力2600)プレイヤーにダイレクトアタック!!【ディバイン・ジャッジメント】!!」

巨大な白毛の龍が、落雷を落として我がクラスの男子を容赦なくぶっ飛ばした。

「ははははは!弱い弱い弱い弱い!!なんだこいつらは!僕に勝てる奴はいないのかい!?」

裁きの龍を操るのは、金髪に白い肌、高い長身の体格に纏うわれるのは純白の衣装を来た。いかにもお金持ちな少年だった。

「いや?僕が強過ぎるのかな?パパに新たに買って貰ったこの…裁きの龍!実に素晴らしい!!」

「ふーみん〜」

1人ではしゃいでいる文男の前に、風香はてくてくと歩いていくと、それを見た文男は直ぐ様身構える。

「やっときたな!!霧谷風香!!」

「おう〜!きてやったぞ〜」

風香は誰にでもこうだ、そして文男のように身構えると、何故か我がクラス以外からも『可愛い』と声援が飛んでくる。

「き!君はそうやって馬鹿にして!!僕の積年の恨み!!今こそ晴らしてやるっ!」

そうか、これは風香への恨みでなった事態なのか…。

「そんな事よりさ〜」

彼の恨み言をそんな事、と無意識に切り捨てる風香は流石天然だ…。

「そっ!!そんな事っっ!!?僕を倒して世界大会への切符を手に入れたというのに!!君は出場しなかった!大会へ出たい奴は沢山いた…!それを君はそんな事だってぇ!!?」


「しかたないじゃ〜ん、あたしは忙しかったんだしっ」

思えば、その頃だったか…【あの事件】は…文男は逆上して顔を真っ赤にする。

「忙しかったあ!!!その!君がふいにした切符を泣く泣く手放した僕やいろんな奴等がいたのに!?君は忙しかったから棄権したのかい!?」

「そうだよっ、当たり前じゃん」

風香は胸を張る、誇らしげに…まあ、恐らく話しているのが面倒になって来たのだと推測される。

「きぃさぁまぁ!!ふざっけるな!!大会より大事な用事なんてあるものか!!謝れ!!まず僕に謝れ!!世界に謝れ」


「てへぺろ」

やべえ可愛い!と、思ったのは恐らく僕だけだろう…苛立って髪をぐしゃぐしゃにした文男は、落ち着くべく前髪をたくし上げる。

「僕と決闘だ!!どちらが上かはっきりさせてやるっ!」

「しないよっ」

風香は、ペロッと舌を出して言ってのけた。

「なんだ!!逃げるのか!?」

「だってあたし…上とか下とか、そう言うのが決めたくて決闘してるんじゃないもんっ…」

完全に拗ねている風香は、ぷくぅっと頬を膨らませると、隅っこに行ってしまった。


「ふ…ふははは!!情けない!!情けないぞ!!そんなだから調整クラスなんだ!!貴様等は所詮落ちこぼれ!!落ちこぼれ共は仲良くその通路にいるのがお似合いだ!!」

恐らく怒り心頭なのだろう。…【あの事件】で大会を無断棄権した風香をよく思わない奴は割と多いのも事実である…しかし、風香は【あの事件】の事を口にしたりはしなかった、どんなに自分が責められようと…決して他人に言ったりはしなかった。


「取り敢えず…僕が…やるだけやろうかな」

僕が前に出ようとすれば、後ろから触手のような腕が僕の肩を掴み、凄まじい力で引き寄せる。

「どああっ!」

僕が飛んでいくと同時に、僕の後ろにいた赤髪の少女が前に出る。

「勘違いしないで欲しいわね…風香があんたごときを相手に負ける訳ないでしょ?」

それは海里である、その目は怒りで見開かれ、口は切り裂かれたかのようにバックリと割れて笑みを溢していた。



「君は…口を開かなければ可愛い海里君ではないか、で?君が次の僕の相手か…」

ブチリ、海里の頭から何かがキレる音が響いた。

「あんた…深海の底に沈む覚悟があるみたいね…」

海里は、サファイアのように深い蒼の瞳を怒りでギラギラと輝かせ、その口は捕食した獲物を凄惨に仕留める手段を考えたかのように、笑っていた―。



―決闘フィールドに立っているのは二人のみ、方や海里と、その背後の観戦席に座る我がクラスの生徒や僕達、方や文男と文男のクラスの生徒達である。

「「デュエル!!」」

二人の掛け声と共に、二人はデュエルディスクから弾き出された五枚のカードを手に取り、海里が先に動く。

「先行は貰うわ!!ドロー!!」

海里はドローしたカードをちらりとだけ見ると、手札を握る左手にしまい、右手で一枚を摘んでディスクに差し込む。

「あたしは!リチュア・アビス(レベル2、効果、魚族、攻撃力800、守備力500)を攻撃表示で召喚!」

海里のフィールドに鮫の頭に人の身体をした不思議な生き物が水流を巻き起こしながら現れた。その外見は、何処か愛らしく見える。

「随分愛らしい鮫ちゃんだね?…くく」

リチュア・アビスを見た文男は馬鹿にするように笑う、が、海里は文男など見てすらいない。