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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅱ

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リチュア・チェインは海里のデッキに手にした自身の名を語るチェインを投げつけ、ゆっくりと退く抜いて行くと、チェインに三枚のカードが貫かれている。

「くひひ!あんた…本当についてないわねぇ…」

海里は中から一枚を引き抜く。

「あたしは!イビリチュア・ガストクラーケを手札に加える!」

そして海里は手札に加えると、直ぐ様一枚のカードを取り出す。

「あたしはリチュアの儀水鏡を発動!手札のシャドウ・リチュアを使用する事で!特殊召喚に必要なリリース素材として使用する事ができる!あたしは!イビリチュア・ガストクラーケ(レベル6、儀式・効果、水族、攻撃力2400、守備力1000)を特殊召喚!!」

リチュアの儀水鏡に紋章が映し出されて砕けて散ると、中から這い出てきたのは、リチュア・エミリアの愛らしい姿…しかしその下半身はまがまがしい烏賊の触手に支配され、彼女の表情は無邪気で残酷な笑みを浮かべていた。

「ガストクラーケの効果発動!このカードが儀式召喚に成功したとき!相手の手札をランダムに二枚確認し!一枚をデッキに戻す!」

「なっ!!なんだとぉ!!?」

「あたしの目の前から消えな!!裁きの龍!!【クラーケ・ホールド】!!」

ガストクラーケの触手が文男の二枚しかない手札の一枚を強引に奪い取り、デッキの中に叩き返す。

「じ!!裁きの龍がああ!?」

「まだ終わりじゃないんだよぉ!!あたしは手札から!儀式の準備を発動!!くひひ!このカードは自分のデッキから!レベル7以下の儀式モンスターを手札に加え!その後、墓地から儀式魔法カードを手札に加える!!あたしが加えるのは二枚目のガストクラーケ!そして儀水鏡を手札に戻す!!」

海里はどこまでも残忍な笑みを浮かべながら、デッキの中から二枚目のガストクラーケを手札に加え、儀水鏡を手札に戻す。

「罠カード!儀水鏡の瞑想術を発動!!」

伏せられていたカードが表になれば、彼女はゲラゲラと下品な笑い声を上げる。

「ぎゃははっ!!あたしは手札のリチュアの儀水鏡を見せ!墓地のリチュア・アビスと!シャドウ・リチュアを手札に戻しリチュアの儀水鏡発動!!フィールドのリチュア・チェインと!手札のリチュア・アビスを墓地に送り!二枚目のガストクラーケを特殊召喚!!」

もう一体のガストクラーケが姿を現し、彼の手札を奪い取りデッキに戻す。

「ひ!…ひい…!」

文男は完全に竦み上がる、が、彼女は容赦しない。

「そして…墓地のリチュア・アビスとリチュア・チェインを除外し!手札からフェンリル(レベル4、効果、攻撃力1400、守備力1200)を特殊召喚!!」

小さな狼が2体のガストクラーケの真ん中に現れ、手札の無くなった文男は完全に呆然としている。

「バトル!!ガストクラーケ!!ライトロードを蹴散らせ!!【テールウィップ】!!」

2体のガストクラーケがウォルフとルミナスを蹴散らす。

「うわあああっ!!」(4000〜2300)

戦闘ダメージを受けた文男は、思わず顔を反らす。

「フェンリルでライトロード・マジシャン・ライラを攻撃!!」

フェンリルがライラに飛び掛かり、ライラを噛み砕いて破壊する。

「フェンリルの効果発動!フェンリルがモンスターを破壊したとき!相手はドローフェイズをスキップする!!【ハウリング・ムーン】!!」

フェンリルが遠吠えをあげてると、文男のデッキに×マークが現れドローをロックする。

「あたしはターン終了♪」

海里の目の前の文男は…フィールドも手札も無く…デッキすらもロックされ、実に惨めだった…そして凄惨だった。

「どうしたの♪?ターン終了?」

何も出来ない彼に、海里は不気味に笑いかける。

「ぐっ…しっ…終了だっ…」


「あたしのターン!ドロー!一枚をセットしてターンエンド!」

海里は惨めな文男を生殺しするように眺めた。

「ば!!馬鹿にしやがって!!ドロー!!」

「罠カード発動!はたき落とし!ドローした一枚を墓地に送る!」

「あっ…が…あっ…」

「あれ〜?カードは?一枚もないけど?ん?出さないの?…ああ!出せないのかっ!きゃはははは!みっじめー!何もできないなら早くターンエンドしなよ?」

海里は馬鹿にするように、今度は自分がされたように見下して文男を睨む。

「さ!サレンダーする!」

文男はデッキに手を置く、しかし海里はそれを見て目を座らせる。

「拒否」

一言でサレンダーすら許さない。

「あんたはあたしの友達やクラスメイト達を馬鹿にした…泣いてあやまるまでサレンダーは認めないよ?…くひひひっ!!」

次のターン…

「ほらあ〜!一枚伏せてターン終了!」

「ぐ…ドロー…」

「罠カード!はたき落とし!」

それは、正に生き殺しだった…どこまでも残忍で、どこまでも残酷な…ドローしたカードを墓地に捨てさせ…何もさせず動くことすら許さず、封殺し…苦痛をたっぷりと味あわせるプレイング…。

「ドロー…」

「罠カード!はたき落とし」

次のターン…海里がドローをすると、ついに文男が泣き崩れた。


「もう止めてくれ!!お願いだあ!!」

文男は涙を流しながら許しをこう、そこで初めて海里はクスリと不気味に笑う。

「あらあら…泣いちゃって…情けないわね〜…いいわ…止めをさしてあ・げ・る3体でダイレクトアタック!!」

文男は敗けたというのに、解放されたがために生まれる喜びで、悦に入った表情をしていた、しかし、すぐに敗北から来る悲壮感が文男に膝をつかせる。

「ぐ…うう…」

傷心で膝をついた文男に歩み寄った海里は優しい笑顔で手を差し出した。

「な…なんだ?」


彼は手助けを受けたと思ったらしく、手を取ろうとした、が、海里はその手を弾く。

「は?何を勘違いしているの?お駄賃よ…このあたしが、タダであんたみたいなのと決闘するわけが無いでしょ?プールからカードを寄越しなさいよ」

「こ…この性悪め…」

「はぁ?そう…あと2ターン位足りなかったかしら?もう一回やる?ん?」

そこで文男は顔を真っ青にして激しく横に振るい、慌てるように腰のポーチからカードプールのケースを取り出して差し出すと、海里はそれを奪い取り適当に真ん中から一枚を抜き取る。

「これに懲りたら…二度とここに来ないことね?分かった?」

そしてデッキケースを放ると、シーンと静まりかえった決闘スペースを後にする。

「あんなプレイしたら…友達なんて出来ないよ…エミリー…」

そう…これがあるから、我がクラスで海里に挑む生徒はおらず、僕たち以外に海里に話し掛ける生徒も殆どといっても良いほどに存在しない。そうこうしてる間に風香は立ち上がる。

「風香?」

「ちょっと〜えみりーみてくるね〜」

風香はピョンピョンと観客席を飛び越えて向かっていった。

海里は文男から奪い取ったカードを胸ポケットに放り込み、自動販売機の前にいた。

「う…やべっ!」

前にいた男子達が海里を見るなり火を見た虫が如く離れる…もう慣れた、こういうの…海里は素知らぬ顔で誰もいなくなった自動販売機の前に行きジュースを買う。

「さっきの決闘…えげつなかったなぁ…」