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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅲ

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『睨まないでおくれよ…ただ断言できるのは、其処まではわからないということ。でも、ここ最近…カードを使った犯罪が増えているのも事実だ、昨日今日だけで二件だよ?…もしその全てにNo.が関係しているというのであれば……』


闇は的確に物事を見透かした様子で呟けば、あっさりと仮面を外し、少女のように愛くるしい素顔を晒してスティックチョコレートを咀嚼する。

「オレは今、そんな事が聞きたいんじゃない!海里の居場所はわかってるのか!?」


闇は耳を塞いで怪訝な顔をした。だが僕は、ガキの憶測に付き合っている暇はないのだ…。


『っ…うるさい奴だね…待っていたまえ…』


闇はそう愚痴を漏らしつつもパソコンを素早くタップしだし、激しい音が響きだす。


『いま…ハートシティ全部のカメラをハッキングして、ヒトのいる場所を中心に検索をかけている…そこから人気の多い区間を除外していくとしよう…』


台詞をただただ淡々と延べ坪まくなしに呟き、ひたすらにキーボードをたたき続ける。そして…止まった。


『ふむ…』


闇の声が興味と興奮の色を映し出す。
「どうした闇っ!わかったのか!?」


『焦るんじゃないよ…いくら風香が隣に…否、風香の家にいるからって、そんなにいきり立たれては困る、発情期の猿だってもう少し大人しいよ?』


闇は実に忌々し気に、無表情の顔で文句をぶつけてきた。

「ん〜?光輝はお猿さんなの?」

風香に意味は通じていないらしい、画面越しに闇は明らかな舌打ちをする。ざまあみろマセガキめ。


『……話を戻すよ、彼女は学校にいる。』


闇はさっさと立ち直り、目を細めつつ水を口に含んだ。

「学校か!さんきゅっ!!」

僕は素早く立ち上がり、向かおうとする。


『待ちたまえ!話は最後まで聞きたまえよ!』

闇が凄まじい勢いで怒鳴り、僕と風香は足を止める。


『彼女は仲間を引きつれている…一人や二人じゃない、ざっと二十人かな?。しかもサドンデスモードに設定されたデュエルディスクを着けているのを見ると……』


闇は口を覆って息を飲み込むような仕草をする。


『いま、警備員がよってたかって嬲殺しにされている…。彼等に敗けた時、敗けた決闘人は仲間になるようだ…それで仲間を…』


推測に思考を張らし、闇は口に手を当てたまま渋い表情を浮かべていた。


『彼女は地下にいく?…』

闇は見たことを有りのままに呟いている。まるで実況するアナウンサーのように。僕も風香も…それ以上話を聞いている余裕は無かった…。


「学校の地下だな!!…」

『まて!二人では危険だ!!僕も支援に……』


僕は乱雑に、闇の通話を切り、風香に目配せする。


「敗けたら明日はない…ね、どうする?」


答えは聞かずともわかっていた、風香の瞳に凄まじい闘志の光りが宿っているのだから。


「勿論行くよ!」


俺は聞くより早く、風香をお姫様抱っこして階段をかけおり、玄関に立て掛けてあった風香のスケボーを蹴飛ばして道路に出して飛び乗ると、スケボーが出せる最大のスピードで学校を目指した。


「兵隊のような決闘人がうじゃうじゃいやがるぜっ!倒しても倒してもキリがねえ!!」
闇からの連絡を受けて一足先にたどり着いていた洋助は、ラヴァル・ステライドを召喚し、片っ端からプレイヤーを凪ぎ払っていた。
「洋助!」

僕はスケボーから飛び降り、風香を降ろした。洋助は僕と風香を見るなり、その背中を此方に向ける。


「ここは食い止める!先にいけっ…」

とは言っても数は多く、既に周囲を囲まれてしまい、身動きができなくなる。

「ちい…雑魚共が…」

そうぼやいている間に、洋助のラヴァル・ステライドに、同じ攻撃力2700のベヒーモスが飛び掛かり、相殺する。

「ぐああっ!!」

「「洋助!!」」


ステライドを無くし無防備な洋助や、召喚すらしていない僕達に様々なモンスターのダイレクトアタックが無差別に襲い掛かる。

「く!!」

僕は風香を抱いてその背中をモンスター達にさらして目を閉じた…。

「罠カード、【立ちはだかる強敵】を発動…」

かぼそい少女のような声が響き、沢山のモンスター達のダイレクトアタックの対象が切り替わる…。

「僕はこのカードの効果により、攻撃対象を僕のフィールドにいる、インヴェルズ・グレズ(レベル10、効果、悪魔族、攻撃力3200、守備力0)に切り替える」

沢山のモンスターが向かった先に聳えるは、巨大な悪魔の化身、その外見はまがまがしく、罠カード【立ちはだかる強敵】の名前にふさわしい勇猛果敢な戦いぶりで、襲い掛かるモンスターをプレイヤーごと纏めて撃滅する。

「闇!!」


巨大な悪魔のその後ろには少女と見間違えるような少年がいた。風香よりも小柄で、猫背で、何処までも華奢、しかし扱っているモンスターは悪の権化【インヴェルズ】の悪魔達である。しかし、今のインヴェルズ達の瞳は、ギラギラとした正義の輝きを映している。
「全く…君たちは危なっかくて恐いよ…」


そうしている間に、周囲の決闘人達が新たにモンスターを召喚してくる。



「話は後だよ!纏めて凪ぎ払えインヴェルズ・グレズ!!効果発動!!」(4000〜2000)

インヴェルズ・グレズはライフを半分支払うことで、このカード以外のフィールド上に存在する全てのカードを破壊する凶悪な効果を持っている。


「【エンド・オブ・カタストロフィ】!!」

グレズの両手に宿りし侵略の波動が力となり強烈な光と共に、外にいた決闘人達のモンスターを片っ端から消滅させる。

「グレズ!息つく暇を与えるな!!蹴散らせ!!」

そしてその四本の剛腕を振り回し、片っ端からダイレクトアタックで決闘人を黙らせて道を作る。


「何をボサッとしている!!君たちはさっさと中へっ!」

僕達の姿をおおい隠すように、小柄な少年と巨大な悪魔が決闘人の前に立ちはだかる。
「ありがとう!闇!」

「長生きしろよー!!」

「あむくん!!今度ゼリー持ってくからー」



僕達は闇のインヴェルズ・グレズが作ってくれた道を突き進もうとした。

「高等光輝!」

闇はそんな僕の背中を呼び止めた。

「風香に擦り傷一つでも負わせてみろ…僕は君を許さないからなっ!!」

こちらを見もせずに叫んだ闇、一途だな…認めないけどね、僕は先に行った二人を追い掛けるように、一気にエレベーター前へと走った。

「ここは女王様の城…何人たりとも…」

そこに居たのは目の下に真っ黒な隈を作った文男だった。文男はニヤニヤと不気味に笑うとデュエルディスクを展開する。

「先にいけ…こいつはオレの獲物だ!」

洋助は文男と向き合えば、同時にデュエルディスクから弾き出された五枚のカードを手に取る。

「「デュエル!!」」


二人の掛け声を合図に、僕と風香はエレベーターに飛び乗り、女王の待っているであろう地下へと降りていった…。


「くらい…」

エレベーターを降りると、中は暗く不気味な漆黒が広がっていた。

「こうきぃ…」

当然、暗い道やお化けの類が泣く程苦手な風香が、泣きそうになりながらへばりついてくる。