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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅲ

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「罠カード!はたき落とし発動!!ほうら!望み通りだろ?さっさと手札に加えたカードを墓地に捨てな!!」


風香は言われるままに手に取ったカードを墓地に捨てる、あーあっと声を洩らしながら。


「ははっ!!そんなにいいカードだったのかい!?あはは!!あたしを愚弄した罰だ!!」

そんな風香の仕草に勝ち誇るような笑みを浮かべる海里、しかし、風香は笑みを作る。


「うん!お陰であたしは好きにやれるね!墓地に送られたガスタ・グリフ(レベル2、効果、鳥獣族、攻撃力800、守備力300)の効果発動〜」


「なっ…何ぃっ!!?」


空気を読まない風香の言動に、No.が動揺をはじめている。僕には分かる…これが風香の実力だ…風香は本当に運がいい…何をやられてもいい方向へ向かうのだ、まるで風が洞窟を吹き抜けるが如く…それが僕のクラス最強と言われる彼女の強さなのだ。


「初歩的なミスだね〜、モンスター展開を優先するがために、水属性モンスターをリリースする変わりに手札を確認しハンドを落とせる優秀な水霊術を伏せず、怒りのままに目先のアドバンテージを追からそうなるんだよ?手札から墓地に送られたガスタ・グリフの効果は!デッキの中からガスタと名の付いたカードを特殊召喚する事ができるの〜!」

相手のミスを的確に指摘しつつも、一切の油断を与えないプレイは、脅威すら覚える。


「と…特殊…召喚?…まさか!!ガストクラーケの効果でどちらを戻しても!?…」


「うん、ウィンダを戻してくれた挙げ句にグリフを落としてくれた!そのお陰でハンド消費が少なくて助かったよ〜、ありがと!あたしはガスタの巫女ウィンダを特殊召喚!!」


ペロリと舌を出した風香の前に、風香に少し似たような外見のガスタの巫女ウィンダが風と共に現れ、風香にウィンクすれば、風香は照れくさそうに頭をかいてにやける。お前はオヤジか!と言う突っ込みはまたの機会にとっておくとしよう。


「えへへ!あたしは手札からガスタ・ガルド(レベル3、チューナー・効果、鳥獣族、攻撃力500、守備力500)を攻撃表示で召喚!!」

この瞬間、風香のフィールドにレベル2のガスタの巫女ウィンダと、レベル3チューナーのガスタ・ガルドが揃った…僕には分かる…やる気だな…と。

「わたしは!レベル2!ガスタの巫女ウィンダと!!レベル3!ガスタ・ガルドでチューニング・チェンジ!!」

ガスタ・ガルドはガスタの巫女ウィンダの肩に止まり、そんなガスタ・ガルドに口付けをすると、ガルドが光り輝き巨大で立派な鳥に姿を変える。


「ガスタの巫女ウィンダは!ガスタ・ガルドと契約することで魔法少女となれるのですっ!!輝けッ!シンクロ・チェンジ!魔法少女【ダイガスタ・ガルドス】!!(レベル5、シンクロ・効果、サイキック族、攻撃力2200、守備力800)!!」

巨大なガルドスの背に乗ったウィンダが、バシリとポーズを決めれば、テレビアニメのオープニングのように名前が表示される。

「うひゃあ!可愛い!!かっこいい!!」

そういったアニメが好きな風香は1人ではしゃいでいる。が、海里はそうでは無いらしい。


「くく…ぎゃはははははっ!!なにが出るかと思えば!!高々2200の雑魚モンスター!?あたしのフィールドにはフィールド魔法の効果を得て2600となったガストクラーケがいるのよっ?あんたには……」


No.に憑依された海里はけたたましく笑いとばした、しかし、風香の表情を見て笑うのをやめる。


「魔法少女が、悪の組織に屈する訳が有りません!!ダイガスタ・ガルドスのモンスター効果を発動!墓地のガスタと名のつくカード二枚をデッキに戻す事で!相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを一枚破壊できるのです!!」

アニメの解説のように叫んだ風香の口調は、後で突っ込む事にしよう。

「んなッ!!なんですって!!?」


海里は笑みを崩して動揺を露にする。


「あたしは墓地のガスタの巫女ウィンダと、ガスタ・グリフをデッキに戻し!イビリチュア・ガストクラーケを破壊する!【ガルドス・フラッシュ】!!!」

ガルドスの瞳がライトのように輝き、そのまばゆい光りに怯んだガストクラーケを、上に乗るウィンダが杖を振りかざし何かを唱えだす。

「シュート!!」

ウィンダの杖から出た光の槍が、イビリチュア・ガストクラーケを貫き、粉砕する。


「ダイガスタ・ガルドス!!続けてリチュア・アビスに攻撃!!【ダイガスタ・サンダー・キィィク!!】」

ダイガスタ・ガルドスが相手の頭上を飛び、太陽の光と共に飛び降りたウィンダが降り注ぎ、リチュア・アビスの愛らしいマスコットのような顔面に、その踵をご馳走し爆発する。


「きゃあああっ!!!」(4000〜2800)


水圧と共に押し寄せる爆風が海里のライフを削り取り、憎らしそうに風香を睨む。


「わたしは残りの手札三枚を伏せてターンエンド!さあ!早くドローしなよ!」

手札三枚を伏せ、実質的にハンドは無くなり、水霊術によるピーピングとハンデスはドローする一枚にしか行えなくなり、ダイガスタ・ガルドスの一体が立っているがために得意のフェンリルを呼び出してのドローロックコンボも行わせない、風香は海里のコンボを否応なしに封殺した。


「小娘がぁ!!調子にのりやがって!!!」


怒りに身を震わせる海里の身体を漆黒のオーラが包んで溢れだす。

「あたしのターンッ!!」

カードを退き契るような勢いでドローした海里は、そのカードを見たとたんに顔をしかめる。


「リチュアの屑共め!あたしが憎い憎いガスタを粉砕してやろうってのに!!何故だ!!何故力を貸さないのさっ!!?」


余程、カードが微妙だったのか、海里の嘆きに風香は目を伏せ顔を背けた。


「リチュアは確かに目的のためなら手段を選ばない奴らだけど…No.(あんた)見たいな余所者を仲間に入れて戦う程…部族の誇りをうしなっちゃいないんだよ!!」

一人事のように海里が叫び、僕達は海里に目をやれば、彼女の頬に刻まれた数字が点滅しているのがわかる。

「恐らく…ライフを失って支配力が薄れたんだっ」

「うわあっ!」

隣からヌッと這い出たのは、闇の幼顔である…僕はあまりの突然だったために情けない声を上げてしまっていた。

「なぁに、情けねえ声だしてんだよっ」

その隣に目を向けると、洋助もそんな僕に腕を組んだまま呆れ顔を向けていた。

「二人共無事だったのか!?」

僕は心より安心して息を漏らすと、洋助は屈強な胸板を張る。


「へ!あんな雑魚共屁でもねえや!…」


「その割りにはピンチだったじゃないか…ライフ残りいくつだったかな?」

鋭く闇に突っ込まれ、ずっこけると屈強な胸板が無駄にみすぼらしく見えてしまう。

「う!!うるせえ!!かちゃいいんだよ!!かちゃ!!」

「ふうん…」

そして僕達は、風香と海里に目を戻す。風香は此方を見て笑っていた…。

「言う事を聞かないか…ならこうするさ!!!」


黒いオーラが海里を再び呑み込んでゆく。

「海里!!」