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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅲ

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呼び掛ける風香の声を振り払い、不気味な光を支配力と共に取り戻した瞳が風香を睨んだ。

「わたしは手札から!リチュア・チェイン(レベル4→3、効果、海竜族、攻撃力1800→2000、守備力1000→1200)を召喚!」


海里の逆転の一手となるエースカード、リチュア・チェインが水流の中より現れ、その凶悪で獰猛な顔がガルドスと向かい合い火花を散らす。

「リチュア・チェインの効果発動!!」

リチュア・チェインはデッキを上から三枚ドローし、その中にリチュアと名のつく儀式魔法か儀式モンスターがあった場合、一枚を手札に加える事が出来る。そしてその後にカードを好きな順番で並べ直して戻す事が出来るのだ…そうこうしている間にリチュア・チェインが海里のデッキに手にした槍の矛先に鎖の付いたチェインを投げつけ、三枚のカードを引き上げる。

「なんだぁ?イビリチュア・テトラオーグル?…まあ、手札コスト位にはなるだろうさ…くひひ…」

意味ありげな笑みを浮かべながら、テトラオーグルを手札に加え、そしてデッキにカードを戻す。

「一枚を伏せてターンエンド!」

再び一枚のカードが彼女のフィールドに配置され、フェイズが移り変わる。

「あたしのターンドロー!!」

風香がカードを手にするなり、ガルドスに指示を飛ばす。

「バトル!!リチュア・チェインを攻撃!!【ダイガスタ!!サンダー…】」

「くるしい…」


攻撃をしようとした風香は、思わず海里を見た…見てしまった。

「え…?」

「苦しい…やめて…攻撃しないで…」

海里は苦し気に手で首を抑えて風香を見ていた。

「ストップ!!バトルストップっ!!」

風香は見るなり素早く攻撃を止めていた。そんな風香を海里は肩を揺らしながら睨む。

「くく…そうさ、あたしを攻撃したらこの娘が消える!…そしたらこの身体はあたしの物…くくははははっ!!」

風香は歯を食い縛り、唇を噛み締める。

「っ…卑怯なっ!!」

それでも風香には海里を睨み付けていることしかできず何も出来なかった。

「ほら〜バトルしたらどうなんだい?…いいよ?構わないよ〜?」


海里は身体をさらすように両手を広げ無防備にさらして挑発するように、風香に見せ付ける。

「…ターン終…」

「惑わされるな風香!!」

終了の宣言に合わせフェイズが切り替わると共に闇が吠えれば、風香は目をキョトンとさせて闇に顔を向ける。


「……馬鹿な事を!!ライフが削れた時を思い出したまえ!!!ライフが削れた事で海里への支配力が薄れたのだよっ!?ライフを削り切ればNo.の支配から海里は解放されるんだ!!」

闇の声に風香は息を呑み込み、そして素早く海里に振り返って睨みつけた。

「あっはっはっはっは!!!その通りさ!!その通り!…」

海里は腹を抱えて下品に声をあげて笑っていた。

「騙したんだねっ…」


風香の睨みに海里は残酷な笑みを浮かべる。

「ぎゃはははははっ!!それはお互い様じゃないのかい!?ミドリムシ?」

ミドリムシ、それは海里が風香の事を苛めていた時の呼び名である…。

「……No.……」


「ありがとう…こいつを失わなかったお陰で逆転の算段が出来たわ!一ターンで十分だったのよ!!!」

そして海里はカードをドローする、そのカードは先程リチュア・チェインの効果で入れ換えたカードである。

「あたしはリチュア・ビースト(レベル4→3、効果、獣族、攻撃力1500→1700、守備力1300→1500)を攻撃表示で召喚!!!」

水流の中から現れたのは犬のような顔にカッパのような身体の化け物だった。

「リチュア・ビーストの召喚に成功した時!墓地に存在するレベル4以下のリチュアと名のつくモンスターを特殊召喚することができる!!あたしはシャドウ・リチュアを特殊召喚!!」

リチュア・ビーストのとなりにローブを身に纏う邪悪な光を瞳に宿した海竜、シャドウ・リチュアが蘇る…。

「伝説の都アトランティスの効果により…レベル3のモンスターがフィールドに2体……」

闇は球磨で真っ黒な瞳を見開き息を呑むような仕草をすれば洋助も隣で身構える。


「来るか…」


「ぎゃはははははっ!あたしはアトランティスの効果によりレベル3となったリチュア・ビーストとシャドウ・リチュアをオーバーレイ!!!」

2体のモンスターが光となり、フィールドの真ん中で光の渦が構築される。

「2体のモンスターで!オーバーレイネットワークを構築!」

二つの光がその中に吸収され、まばゆい光りが爆発し、輝きとなる。


「エクシーズ召喚!!!現れよ!!No.20 蟻岩土ブリリアント(ランク3、エクシーズ・効果、昆虫族、攻撃力1800、守備力1800)!!!」


巨大な赤い球体をもつ植物のような物が現れて可変し、巨大な蟻の化け物に姿を変え。その羽に20という
刻印がなされている。

「…これが……」

僕は生唾を呑み込み、そしてその余りのマガマガしさに体が震えていた。

「No.…」

対面した風香は、風でなびく髪を手で抑えながらも呟いた。

「でも!所詮は1800のモンスター!!どうやってガルドスを倒すのさ!」

風香は強気に言い放ち、海里を睨む。が…海里は文男にもやったようにチッチッチと指を振る。

「蟻岩土ブリリアントの効果は!1ターンに一度!!エクシーズ素材を一つ取り除く事で!フィールド上の全てのモンスターの攻撃力を!300ポイントアップさせる!!」

蟻岩土ブリリアントは2100となる、しかし100足りない…しかし隣には…。

「フィールドを見なよ!リチュア・チェインが見えないのかい?」

そう、リチュア・チェインは2300となっている、攻撃すればガルドスは倒す事が出来る上にNo.によるダイレクトアタックも可能となる。

「でも?…あたしの言う事を聞かないリチュア共なんかには頼りたくないのよね〜?ターンエンド!」

何をするでもなく、何も伏せず、フィールドに一枚の伏せカードと、二枚のモンスターが取り残される。

「…なんで…?」

風香に明らかな動揺の色を浮かべ、カードをドローする。

「罠カード!水霊術「葵」を発動!あたしはリチュア・チェインをリリース!」
「リチュア・チェインを!!?」

「リリースした!!?」

風香だけでなく、僕等も驚いていた、そして全員は固まったように動けなくなる。

「さあ!!二枚の手札を見せなっ!!」

風香はゆっくりと手札を曝す、手札には…ガスタ・グリフと、ガスタの静寂のカーム(レベル4、効果、サイキック族、攻撃力1700、守備力1100)があった。


「やっぱり忌まわしい鳥を持っていやがったわねぇ?ガスタの静寂カームを墓地に捨てな!!」

「ぐぅ…」

水霊となったリチュア・チェインにカームを奪われ、墓地に捨てられる。

「でも!!倒されてもらうよ!!蟻岩土ブリリアント!!!」


風香は一歩踏み出し、ガルドスに指示を飛ばす。

「バトル!!【サンダー・キィィク】!!」

ウィンダが空中より降り注ぎ、蟻岩土ブリリアントに稲妻の如き蹴をお見舞いする。

【ズドォン!!】

凄まじい爆発が土煙をあげる。