二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅳ

INDEX|3ページ/7ページ|

次のページ前のページ
 

「それは間違いだよ、風香は例外さ…僕は…そのっ」

キッパリ否定した闇は頬を赤くして目を背けた、少女のような顔をしてるが残念…こいつは男だ。


「コホン、とにかく!行くったら行くんだからね!放課後は直ぐに校門前!いいね!!」

闇は確認せずにドーナツを取出し一口頬張る。

「あああ!!!あたしの!!あたしの!!メープルシュガー!!!」

光はショックと怒りで怒鳴っては、闇に殴り掛かり話は終わった。

そして放課後―


僕達は校門に集合してから、風香の入院している病院に訪れると、真っすぐに霧谷の表札の扉を開いた。

「あ!みんな〜!!」


そこには寝間着姿の二人、風香と海里がベッドの真ん中にテーブルを置いて詰み決闘をしていた。

「いらっしゃい、案外早かったわね」

海里は見透かしたようにいいながらカードを引く。

「うわ…アンデットウォーリアー、レベル3…縁起が悪いわね」

海里はそういって含み笑いを浮かべてカードをテーブルに置いた。

「風香、お見舞い見上げ」

闇は甘い・美味い・可愛いでそこそこ有名な、マドルチェケーキ店のプディンセス・プディングの入った箱を風香の棚に置いた。

「ふえー!なになに!?うっわー!マドルチェケーキだあ!!しかもお姫様だあ!!」

風香は絵に書いたような喜び振りを身体で表現する。

「右手の握力が早く戻るように、敢えて両手じゃなきゃ食べれないものにしてあげたよ、嬉しいだろ?」


それは、なんの嫌がらせなのだろうか…僕は思うが、風香は思いの外喜んでいたのでどうでも良かった。


「さて…海里、少しトイレに行かないかな?」


闇はそう海里に言葉を投げれば、海里は小さく頷いて立ち上がる。

「なんであむ君がえみりーをつれていくの〜?」


途端に風香は不安がり、表情を曇らせる。

「大丈夫よ、大した事じゃないわ」

海里は優しく風香のシーツに埋もれた足を叩く。


「ホントにトイレに行くだけさ…帰って来なくなるわけじゃあないよ」


しかし風香は不安な表情を崩さない。

「喧嘩はダメだよ〜?」

「喧嘩なんてしないわよ、心配し過ぎなのよ」

海里はそう言いながらさっさと出ていき、闇は後に続く。


「光輝…君も来たまえ」


「ああ…」

なんかそんな気がしていた、闇がただ風香のお見舞いだけに来る筈がない…。

「侵害だね君は…風香のお見舞いには仕事に関係なく毎日行くよ…マドルチェケーキを持ってね」

本当に侵害そうに言ってきやがる、しかしこいつ中学生の癖に金あるんだよな…小金持ちとはいった物だ。

「さ…洗い浚い話して貰おうか?No.の事を…」

外へ出るなり闇が、息を荒く吐きながら片手を押さえて震えながらに告げた。

「ま…待てよ!どういう事だ?海里は操られていたんだろ?」

僕は闇の目線に割り込むと、その後ろで海里の深いため息が聞こえた。

「ホント…何でもお見通しね…」


「海里?」

僕は海里に振り返りその顔をまじまじと見つめた。

「カードごときに人は身体を乗っ取られたりしないよ…だから、昨晩の事態は全て海里が引き起こしたのさ。」


「全てじゃないわよ…風香を殺そうとなんて思ったりしない…ただ少し…不幸になればいいと思ってただけ…」

海里はそう言葉を濁した。

「どうして…そんな?」

僕には信じられなかった、海里がそんな風に風香を見ていたと言うことに…。

「あたしにはお母さんはいないじゃない?、あたしが生まれて直ぐに離婚してさ…お陰であたしは親戚から厄介者扱い…御近所からも迷惑者とよばれ…友達なんて出来る兆しさえ見えなかった…」

僕達は近場のベンチに腰掛け、海里の言葉に集中する。

「そんなあたしに比べ…風香は誰からも好かれていた…あんな性格だから当たり前って言ったら当たり前なんだけどね?…過去のあたしにはそれが憎たらしかったの…」

それが海里が風香を苛めていた理由であった、それは大分前の話しだ…。

「友達になってからも憎らしかった…あの子の周りには沢山友達がいるのよ?数えられないくらい…でもあたしには数えられる人数しかいない…」

海里は涙を滲ませて俯く、しかし嗚咽よりも笑みが浮かんで来た。

「羨ましかった…誰からも便りにされるあの子が…友達は人数じゃないって知ったのはついさっき…知ってる?あの子、話したほとんどの人の名前とか忘れてるのよ?あの子の友達の基準って…なんか名前を覚えたかそうじゃないかなんだって…」

確かにそうだ、風香は人の名前を覚えないやつだ、僕も初見の時は覚えられなかった。僕が頷くと闇は腕を組む。

「自宅を放火したのも君だね?」

「ええ…頭に声が聞こえたの…燃やせば楽になるって…ホントに楽になった気がしてたんだから不思議よね…」

海里は涙を拭い、気丈に振る舞う。

「そうか…わかった」

闇は頷いて立ち上がる。

「風香とそのご両親に感謝するんだね…僕は君を逮捕し、法的に抹殺するつもりだった、だが風香のご両親はそれを望まなかった…自分の娘がひどい目に合わされたっていうのにね…、僕は大事な人を傷つけられた憎しみで今にも君を地獄の闇に沈めたくて仕方がないのさ…だが、僕とて風香の悲しそうな顔なんて見たくない…僕は彼女を愛しているから…だから彼女が君を許すというなら僕も君を許そう」


闇の異変は怒りによるものだった、闇は愛を口に出して公言する事すら厭わない…その眼差しは真剣そのものだった。


「…あっそ」

海里は頬杖を着いて目を細め、手をひらひらと動かした。

「別に許さなくていいわよ…」

そう言われた闇の目に殺意のようなものが宿るが、彼は首を横に振る。

「しかし、これでわかったが…No.には人を乗っ取り尽くす力はなく…宿主の欲や願望といった闇の部分を増大させるんだな」

闇はそう総括して立ち上がる。

「さて、大分待たせてしまったな!さっさと風香の所へ帰ろう…お姫様を待たせるのは良くない」

闇はさっさと切り上げて、病院に帰ってゆく。


「光輝…失望した?」

海里はそう言って此方に横目を向けてきた。

「失望なんてし過ぎて慣れた…だから別に」

僕は強がりに言えばその背中をバシンと叩かれる。

「バカッ!」

海里はそれだけ言って病院に走って行き、僕もついていく。

「ほら〜…食べたかったらこの宿題の問1をクリアしなさ〜い?」

「う…わかんないよっ!ひかりん意地悪しないでよお!!」

光にプディングを物質(ものじち)にされ、風香は泣きそうになりながら学校から送られた宿題をしていた。否―させられていた。

「姉さん…何してるのさ」

闇が殺異を撒き散らし始める。

「じ!冗談よ!」

「こうき〜!腕が使えない未来の妻にご褒美を!」


風香は僕に向かってそんな事を言って気やがった。

「分かったよ…たく」

僕は光からプディングを奪うと、風香に食べさせてやった。


「こ!!こうきっ!!やはり君は!!僕の最大の宿敵になりそうだね!!決闘だ!!深遠の闇に沈めてやるからーー!!」


「闇!!どうしたのよ〜!!!」

「いよっしゃ!闇!オレと勝負だあ!!」