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遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅳ

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こういう時、熱血バカなラヴァルがいると助かる。

「いいだろう…むしゃくしゃしているから雑魚なラヴァルから粉砕してやる」

「はっ!邪念体風情が抜かしやがるぜ!焼き尽くしてやる!!」

二人は勢い良く外に出ていってしまう。

「たく…二人してバカなんだから〜」

光はちょっと見てくると、外へ出ていき、海里はゆっくり後を追い掛ける。

「ごゆっくり〜」

そんな言葉を残して外へと出ていった。

静まりかえる病室に僕と風香は取り残された。

「全治一年と八ヶ月」

その静寂を破ったのは風香だった。

「…なにが?」

聞かなくても分かっていた、僕は風香の右手に目を向ける…と、風香は膨れっ面になる。

「分かってる癖に…右手だよ…右手っ」

風香は左手でいたわるように右手を撫でた。

「右手の筋を引き込んで折れてたんだって…だから握力も殆ど残ってないんだって」

そう言いながら彼女は、苦し紛れに笑う。

「だから、骨は数週間で治っても、毎日リハビリしないとホントに動かなくなっちゃうんだって…えへへ…バカだよねあたし…」

ああ、お前はバカだ…僕は本気でそう思い、風香の肩を抱いて引き寄せる。

「笑わなくていい…」

その一言で、風香は十分だった…笑っていた彼女の表情は川の流れの如く崩れ堕ち、嗚咽を漏らす。

「…一年も皆をみてるだけなんて…いやだよぉ…」

もしかしたらカードを持つことすら禁止されているのかも知れない。それでも彼女はデッキを手放しはしなかった…彼女は決闘が大好きなのだ…。

「やりたきゃ右手の変わりになってやるよ…」

僕は思わず手に力を込めていた…彼女と変わってやれたらと真面目に思う程に。

「駄目だよ…そんなことしてる人なんて…いないよ…」

「ケガなんだからしかたないじゃん?一年頑張りゃ、また一人で出来るんだし…」

「八ヶ月忘れてるよっ!」

何故か突っ込みとボケが逆転している気がするが気にしないでおこう。


「未来の嫁になるんだろ?、頼むから料理ぐらいは家事を出来るようにしてくれ…」

僕は思い切ってそんな馬鹿げた事を言ってしまっていた。

「光輝ぃっ…」

風香が初めてはっきりと名前を呼んでくれた気がする。


「何だよっ…ばか」


俺は強く風香の小さく震える華奢な身体を抱き締めた。


「いまならキッスしてもいいよっ?」

俺に抱かれたまま、風香は耳元でそんな事を囁いてきた。

「……ならキッスさせろっ!」

―必殺―行間飛ばし…ふはは、誰が風香とのキッスなんて見せるかバーカ、バーカッ…と、言いたいところだが、残念な事に巡回の看護婦が現れて初キッスを逃してしまったのだ…本当だぞ…。

帰りぎわ、外に出た僕を海里が呼び止めた。

「なんだよ」

僕が言うと、海里はピストルのように僕に指を突き付けた。

「No.は任せたわよ、正義の味方!」

バーンと撃つ仕草をすれば、僕は胸のジェムナイトを触る。

「任せとけ…No.なんて浄化してやる!」


そんな訳でかっこいい台詞を吐いた僕が帰路に着いたのだった…その夜。空に…巨大なバグマンが現れるという事態があったのだが…あれはなんだったのだろうか。

それは、翌日の夕方―風香のお見舞いの帰りぎわだった…。

「…ん?」

帰り道にいた僕の前を、見覚えのある頭の少年の後ろ姿があった。

「うるせーな!俺はあれで勝てると思ったんだっ」

少年は1人で大声を挙げるように叫んでいた、僕は辺りを見回すが近くに人はいない、少年は赤いチョッキベストにジーパン、お尻には赤いデッキケースも見える。

「あれは…九十九遊馬だったか?…」


僕は九十九遊馬の後ろ姿を追うように、尾行する。

「ええ!?誰か見てる?」

突然、九十九遊馬は振り返り、僕と目を合わせた…その胸元には鍵のようなペンダントがあり、そこから凄まじい何かを感じ、胸のジェムナイト達が光輝いた…奴を…No.を倒せ…とでもいうかのように。

「なんだ?お前…」

遊馬は怪訝な顔でオレを見てきた。

「貴様、No.を持っているんだってな?」

遊馬はよりいっそう警戒したような顔をする。

「なっ!なんだよあんたっ!…何でNo.を知っているんだ!?」


遊馬は完全に警戒を露にすると、オレは含み笑いを浮かべた。


「ふん、悪党に名乗る名前なんてない…数々の人間の魂を弄ぶ下衆…No.!今こそオレが成敗してやる!!」

「…よく意味は分かんねえけど…決闘するっていうなら相手になるぜっ!」

オレと遊馬は、共にDゲイザーを取り付け、デュエルディスクをセットした。

「「デュエルッ!!」」(4000 4000)

その掛け声と共にお互いの頭上にライフポイントが表示され、ソリドビジョンが広がってゆく。

「先行は貰うぜッ!」

五枚の手札が弾き出されるなり遊馬が先に動く。

「俺のターン!ドロー」

手札を六枚に増やした遊馬は、引いたカードを一瞥だけして手札に加える。

「わかってんよ!」

遊馬は突然横に向かって叫び、手札からカードを一枚抜き取った。

「俺は!カードを裏守備表示でセット!二枚のカードをセットしターンエンド」

フィールドに表示される三枚のカード、明らかな守りのプレイングだった…。

「ふん…裏守備か、No.使いは姑息な手を使う…」

俺は、口で威勢をはりながらも、状況を確認する。

「(二枚の伏せカード…か)」

そしてデッキに手をやると、俺は落ち着くように頷きため息を吐き出した。

「俺のターン!ドロー!」

オレも手札を六枚に増やした、カードはジェムナイト・フュージョン…これで初回のターンからの融合が可能となる。

「動かないならこのまま一気に叩き潰してやるッ」

俺は退かない…例え、攻撃反応の罠であっても。

「俺は手札から!ジェムナイト・アレキサンド(効果、レベル4、岩石族、地属性、攻撃力1800、守備力1200)を攻撃表示で召喚ッ!!」


「ジェムナイトっ!?」


遊馬は驚きを露にして叫んで来た、そうしている間にも地面からアレキサンド鉱石が飛び出して砕け、中から太陽の光を受けて七色に輝く騎士が現れる。

「うおお!!かっけええ!っ!」


遊馬は1人で興奮しだした、なんだこいつ…No.使いじゃないのか?。

「おれは!ジェムナイト・アレキサンドの効果発動!ジェムナイト・アレキサンドをリリースする事で!デッキの中からジェムナイトと名のつくレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚できる!!現れろ!ジェムナイト・ガネット!(通常、レベル4、炎族、地属性、攻撃力1900、守備力0)」

アレキサンドは鉱石に戻り太陽の光を受けて愁色の輝きと共に柘榴石へと変化して砕け、中から炎と共に愁色の騎士が現れる。

「攻撃力1900っ!!?」

遊馬はそれだけで新鮮に驚いていた…なんか調子が狂う、こんな悪は初めてだ…。


「俺は手札から、ジェムナイト・フュージョンを発動!手札のジェムナイト・ルマリン(通常、レベル4、雷族、地属性、攻撃力1600、守備力1800)と、フィールドのジェムナイト・ガネットを融合!!」