遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅴ
ミィルフィーヤを手札に加えたミス・マドルチェは、カードを二枚手に取りディスクにはめ込む。
「二枚のカードを伏せてターンエンドですわよ!」
フィールドに二枚の伏せカードが出現し、フェイズが隣の美男子であるナイト・マドルチェに移る。
「エクセレント!!流石はミス・マドルチェのプレイングは眩しいですなあ!!」
ナイト・マドルチェは格好をつけて帽子の廂を掴んで目線を隠してからデッキに手を置く。
「わたくしのターン!ドロー!!」
薔薇の花弁が舞い上がり、手にしたカードを見て余裕を見せる。
「わたくしは!マドルチェ・バトラスク(効果、レベル4、戦士族、地属性、攻撃力1500、守備力800)を攻撃表示で召喚!!」
ナイト・マドルチェのフィールドにバトラー風の格好をした人形のような容姿の少年が現れる。
「このカードの召喚に成功した時、フィールド上にマドルチェ・バトラスク以外のマドルチェが存在する場合!デッキの中からフィールド魔法!マドルチェ・シャトーを手札に加える事が出来る!」
バトラスクはカップにお茶を酌み、ナイトに差し出せば…それがマドルチェ・シャトーとなる。
「わたしは手札から!マドルチェ・シャトーを発動!」
バトラスクから受け取ったマドルチェ・シャトーを即座にディスクのフィールドゾーンに差し込めば、お菓子の国へとソリドビジョンが移り変わる。
「このカードがある限り!フィールド上のマドルチェとなのつくカードの攻撃力と守備力は!500ポイントアップする!」
バトラスク(攻撃力1500-2000 守備力800-1300)マジョレーヌ(攻撃力1400-1900 守備力1200-1700)
フィールドのモンスターの火力を底上げしたか…厄介だな、僕は顎に手を当てながら思考を巡らせていれば、まもなくナイトはフィールドに更に二枚のカードをセットし、ターン終了を宣言する。
「あたしのターン!ドロー!!」
光はデッキからカードをドローし、手札に加える。
「あたしは手札から!魔法カード!強欲で謙虚な壺を発動!デッキからカードを三枚ドロー!」
強欲な壺と謙虚な壺が融合したような歪な壺が現れ、壺からカードが三枚引き抜かれる。カードは、ヴァイロン・プリズム、ヴァイロン・テトラ、ヴァイロン・スフィアの三枚である。
「ヴァイロン・ステラ(チューナー・効果、レベル3、天使族、光属性、攻撃力1400-700、守備力200)を手札に加え!残り二枚のカードをデッキの一番下へ置く!」
ヴァイロンの盾を手札に加え、光は手札を引き抜く。
「あたしはこのターン!特殊召喚は行えない、でも通常召喚は可能!」
光は引き抜いたカードをディスクに配置した。
「あたしはヴァイロン・ヴァンガード(効果、レベル4、天使族、光属性、攻撃力1400、守備力1000)を攻撃表示で召喚!!」
白銀に煌めく剣が空より降り注ぐと地面に突き刺さって変形…二本の腕が展開される。
「更に!手札から!三枚の魔道師の力を装備!」
ヴァンガードは三枚の魔道師の力を受けて、攻撃力が5900に跳ね上がり巨大化してゆく。
「トレビアーン!!特大火力でーす」
ナイト・マドルチェは舐めたように拍手をする。
「あたしはターンエンドよ」
「僕のターンだ、ドロー!」
僕はデッキからカードをドローし、フィールドを見つめる。
「僕は三枚カードを伏せて、ターンエンド!」
フィールドに三枚の伏せカードが表示されて、フェイズがミス・マドルチェに切り替わる。
「私のターン!ドロー」
デッキからカードを抜き取ると、僕を厳しく見つめて来た。
「あらぁ、手札事故かしら?可哀想に…なら!一気に決めて差し上げますわ!!マドルチェ・マジョレーヌをリリース!!」
マジョレーヌは光の中へ消え、ミス・マドルチェはディスクにカードをセットする。
「私はマドルチェ・プディンセス(効果、レベル5、天使族、地属性、攻撃力1000-1500、守備力1000-1500)をアドバンス召喚!!」
シャトーの町中にある城の扉が開き、人形のように愛らしい少女が豪華な衣装を揺らめかせながら現れ、スカートを両手でつまんで一礼をした。
「罠カード発動!奈落の落とし穴!フィールド上に召喚、特殊召喚された攻撃力1500以上のモンスターを破壊し、除外する」
プディンセスの足元に大きな穴が現れ、プディンセスは奈落の底へ落ちそうになる。
「そうはさせない!罠カード発動!マドルチェ・ティーブレイク!相手の発動した魔法・罠カードの発動を無効にし、手札に戻す!」
バトラスクが割って入り込み、プディンセスの手を取って穴から引き上げると、カップのお茶を穴に溢して穴を塞いでしまう。
「更に!フィールドにマドルチェ・プディンセスが存在する場合!カードを一枚破壊出来る!!わたしはヴァイロン・ヴァンガードを破壊!!」
バトラスクはお茶を溢したプディンセスのカップを奪い、ヴァンガードに投げつけると、ヴァンガードは粉々に砕ける。
「ち!…ヴァンガードが効果破壊された時!装備されていたカードの枚数分ドローできる!あたしは三枚ドロー!」
光は忌々しそうに僕を睨んでからデッキからカードを三枚ドローする。
「怖い怖い…お姫様の登場そうそうに穴に落とす方がいまして?…あなたから仕留めて差し上げますわ!プディンセスで攻撃!!」
プディンセスは、ふんぞり返って高貴な足取りでボクに歩み寄る。
「罠カード!マドルチェ・マナーを発動!墓地に存在するマドルチェと名の付くモンスターカードを一体デッキに戻す事で!マドルチェと名の付くモンスターの攻撃力・守備力は800ポイントアップする!帰って来なさい!マジョレーヌ」
マドルチェ・プディンセス(攻撃力1500-2300攻撃力1500-2300)マドルチェ・バトラスク(攻撃力2800守備力2100)
「プディンセスは墓地にモンスターがいない場合!更に800ポイントアップする!」
マドルチェ・プディンセス(攻撃力2300-3100守備力2300-3100)
「な…なんて火力…」
「やりなさいプディンセス!【エンゼル・キッス】!」
プディンセスは至近距離のボクに向かって炸裂する投げキッスを投げた。
「ぐっ…」(4000-900)
「更にプディンセスが」
「闇!」
流石に光が心配そうに僕を見てきたが、僕は無言で頷く。
「わたくしはターンエンド!」
プディンセスはゆっくりと戻っていき、バトラスクの用意した椅子に座り、バトラスクはプディンセスにお茶を注ぐ。
「では!我輩のターンだっ!ドロー!!」
フェイズがナイト・マドルチェに切り替わり、カードを引く。
「我輩は!マドルチェ・シューバリエ(効果、レベル4、戦士族、地属性、攻撃力1700-2200、守備力1300-1800)を攻撃表示で召喚!」
タア!との掛け声の元にナポレオンのような姿の少年が馬に乗って降り立ち、腰のサーベルを抜いて此方に向ける。
「バトル!プレイヤーにダイレクトアタック!」
ナイト・マドルチェが真っ直ぐに光に指差し、シューバリエが駆け出す。
作品名:遊☆戯☆王ZEXAL THE ORIGINAL Ⅴ 作家名:黒兎